朝型人間!夜型人間!

2022/05/13

 昨日までのブログで、太陽の時間に合わせて、体内時計をリセットしながら、暮らしてゆくのが、病気になりにくく、長生きする方法であることを、書いてきました。これは人によって、できやすい人と、できにくい人がいるというのはご存じでしょうか?

 蒼野は漢方的に、朝から元気なヒバリ型と、夕方から元気になるフクロウ型の二つの体質があることを知っていました。蒼野が尊敬する、山本巌先生が40年前に提唱された説です。しかしこれは世界共通の考え方のようです。いわゆる朝型人間と夜型人間です。

 これは遺伝子による体内時計のタイプによるものです。ひとりひとり、活発に動ける時間と、睡眠をとる時間が違うという事です。これは原始時代、我々が集団で寝ているときに、誰かが常に目を覚まし、順番に肉食獣などを警戒することが出来るように、備わっている能力の一つらしいのです。

 朝型の人は、朝日と共に目覚め、早い時間帯に活発に活動し、夜は早々と床につきます。夜型の人は、日が高くなってからようやく起きだし、昼間はなかなか元気が出ず、夕方くらいから目が冴えてきて活動し、深夜遅くにようやく眠りにつくという違いです。

 二つの型の間には、メラトニンをはじめとするホルモン分泌や、体温の日内変動などにも明らかな差がみられます。そしてその体質は、その人がもつ特性なので、生活習慣を変えたときにも、太陽の時間に合わせやすい人と、合わせにくい人がいるということになります。

 クロノタイプで調べてみると、世界にはさまざまな評価基準があるようです。ドイツの評価であるミュンヘンクロノタイプとか、動物に例えて、朝型がライオン、昼型がクマ、夜型がオオカミ、ショートスリーパーがイルカなどという分類が出てきました。日本ではヒバリとフクロウです。

 蒼野は、ミュンヘンクロノタイプでは2時47分が睡眠の中央時間となる朝型で、動物なら朝に強いクマ、漢方ならヒバリです。調べているうちに、ラッキーだったなと思いました。太陽の時間に体内時計を合わせやすいタイプだからです。

 夜更かしには弱いですが、休みの日にも、いつもと同じ6時過ぎには目が覚めます。長く寝ても7時が限度です。そういえば、休みの日のブログは、午前中に書くと捗ります。仕事が忙しかった平日の夜に書くと、全然進まない日があるので困っていました。これで納得がいきました。

 割合で言えば、朝型15~20%、中間型55%、夜型15~20%、ショートスリーパーの夜型が10%程度らしいです。夜型は太陽の時間に合わせにくいタイプです。夕方から夜にかけてもっともパフォーマンスが高まります。休みの日には夜更かし+朝寝で、社会的な時差ボケ状態になりやすいのです。

 現代社会は、朝から仕事をして夕方に終わる。朝から学校で夕方帰る生活になっていますので、夜型人間にとってはとても不利にできています。試験も昼間あります。特に入試に関しては大問題だと思います。

  イギリスの研究で、アスリートのクロノタイプによる、パフォーマンスを調べたものがあります。パフォーマンスのピークは朝型が13時~16時。中間型が16時~19時、夜型は19時~22時でした。ピークの時間と最低の時間で比べると、1日の中でも26.2%も違っていたのです。

 同じように鍛えて努力しても、試合時間で勝つか負けるか決まったりするのは、気の毒な気がします。プロ野球やサッカーだったら、ナイターかデイゲームかで、クロノタイプでメンバーを変えるなんていう作戦も立てられそうですよね!

 夜型を朝型に変えるには、昨日も書いたように、朝日と朝食が重要です。キャンプで太陽とたき火の光しかない生活を送ると、夜型の傾向が大幅に改善することが実証されています。でも受験前にキャンプするというのは聞いたことはありません。もし改善しても、夜更かしや休日の寝坊で簡単に元に戻ってしまいやすいこともわかっています。

 これはサマータイムの導入でも大きな問題になりました。ドイツの5万5000人の調査では、夏に就業時間を早めることによって、身体が慣れるまでに1か月かかることや、就寝時刻が変えられずに睡眠時間が減ることがわかったそうです。

 イギリスでは、サマータイム切り替え後の1週間で交通事故が10.8%も増加しました。ロシアでは、サマータイムへの切り替え時期に心筋梗塞による死亡者が増加しました。そしてロシアでは2011年に、EU諸国でも2021年にサマータイムが廃止されました。

 遺伝子が決めている体内時計の個性は、変えにくいという事だと思います。社会の生産性を考えたり、アスリートの平等性を考えたりすれば、遺伝子ごとにピークのパフォーマンスで、仕事や競技に臨めるように、社会が変わっていけばいいなあと蒼野は思いました。

 多様性の時代が叫ばれ、海外ではダイバーシティの考え方が徐々に、社会を変えています。日本が変わるのは最後になりそうな気はしますが、今の社会時間に適応しにくい夜型人間も活躍できる社会になれば、うつ病をはじめとする多くの疾患も減らすことが出来るのではないでしょうか?

 在宅ワークも増えてきていますし、クロノタイプごとに、就業時間を変えることができれば、生産性は上がるはずです。通勤時間もばらばらになるので、満員電車も無くなりそうですし、24時間誰かが働いていれば、様々な国とビジネスすることもできます。目に入れる光をコントロールすれば、夜型も24時間のリズムが保ちやすくなり、健康が維持しやすくなるはずです。

 アスリートも、クロノタイプごとの金メダルがあると面白いし、本当に平等です。入試も受ける時間が選べるようにすべきだと思います。学校の時間まで選べるようになれば、フクロウ頭痛で悩まされる子供を救うことも出来るように思います。

 これらの達成は蒼野が生きている間には難しいかもしれません。今出来る最善のこととしては、やはり体内時計を太陽に合わせてゆくことしかないのでしょうね。現在の一番の問題はシフトワーカーでしょう。これは本当に健康に悪いです。

 救急医療をしていた頃の蒼野も、酷かったと思いますが、今でも病院では、日勤、準夜勤、夜勤を繰り返す看護師さんが沢山おられます。過体重の人や、メンタルが悪くなっている人もよく見かけます。毎日時差ボケの状態というのは、本当に健康に悪いと実感します。昭和の根性論では解決しない問題です。

 皆様も自分のクロノタイプを知った上で、生活を整えていってくださいね! 夜中に起こされるのが、何よりも嫌いな朝型人間の蒼野でした。

タイプ診断:  ミュンヘンクロノタイプ質問紙 日本語版  https://mctq.jp

        クロノタイプ診断 (動物) https://sipher.jp/diagnoses/commons/chronotype

参考書籍: 朝型 夜型 中間型は遺伝で決まっている! クロノタイプ別 睡眠レッスン  穂積 桜

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