コロナ第8波を乗り切る方法!

2022/11/24

 今日は当たり前のことを書かせてもらおうと思います。昨日のワールドカップ、ドイツ戦は素晴らしかったですね。蒼野も自宅で思わず声をあげていました。日本中が盛り上がるのも分かりますし、全員で一緒に喜びたいと思いますよね!

 今朝ニュースを見ていて気になったのは、日本で店内に集まって見ているサポーターたちが、ほとんどマスクをしないまま、盛り上がっていたことです。コロナの第8波が始まっているのに、もう完全にコロナ前の世界になっていました。職場でも気になっている人は多かったようで、「これから忙しくなるね」と、マスクをしていないことが話題になっていました。

 声は出して良いとは思うけど、マスクはしていて欲しかったなあ。医療従事者としては、これで感染爆発が起こらないことを願うばかりです。マスクあり、なしでの感染率についての論文があったので一つご紹介しておきたいと思います。

 アメリカマサチューセッツ州ではマスク着用方策が2月28日に撤回されました。その後15週間の観察研究の結果が、NEJM誌オンライン版2022年11月9日号で報告されています。学校の地域によって、マスク着用を解除した学校と、そのまま継続した学校があり、生徒と職員におけるCOVID-19の罹患率を比較した報告です。

 この地域(学区)の生徒数は29万4,084人で、学校職員は4万6,530人が在籍しています。州の着用解除後、1週目に解除したのが46学区で、継続した学区が26学区。2週目に解除したのが63学区で、継続した学区が9学区。その後は70学区と2学区になっています。ほとんどが解除されたと言うことになります。

 マスクを着用していた時期には、それぞれの学区のCOVID-19罹患率は、同程度でした。しかし、その後マスク着用要請を解除した学区では、マスク着用要請を継続した学区に比べて、生徒と職員のCOVID-19罹患率が1,000人当たり44.9人(95%信頼区間[CI]:32.6~57.1)多くなっている事が判明しました。

 要請解除による罹患リスクへの影響は、学校職員(81.7人[95%CI:59.3~104.1]/1,000人の増加)のほうが生徒(39.9人[24.3~55.4]/1,000人の増加)よりも大きくなっていました。やはり若い人の方が免疫が強いのだと思います。

 コロナが流行り出してすぐにマスクは重要とされ、手に入りにくくなり、ぼったくり価格まで出ていたのは、古い昔のことの様ですが、やはり効果があるということだと思います。もちろん蒼野だってしないで済むのであれば、マスクは着用したくありません。

 先日ワクチンの話を書きましたが、今職場の発熱外来に来られる方は、ワクチンはみんな2回も3回も打っています。1年前にコロナに罹った人もいます。それでも陽性になってしまう人は多いのです。人によるとは思いますが、残念ながらコロナに対抗する体内の免疫は長続きしない様です。つまり誰もがコロナに罹る確率があるということです。

 そうなれば、第8波を少しでも低くするためには、感染予防策しかありません。皆様耳タコだとは思いますが、思い出す意味でもここで復習しておきます。現在の厚生労働省ページでは「ゼロ密を目指す」になっています。密接しない、密集しない、密閉しないの3つです。基本的に「会話時にはマスクをしましょう」と言うことです。

 マスクに関しては、屋外の会話では2m以上離れればマスク無しで大丈夫、屋内でも会話を行わず、2m以上離れていればマスク無しでOKです。距離が確保できずに会話する場合は、屋内でも屋外でもマスク着用が勧められています。特に高齢の人と会うときや、病院に行く時にはマスクをすることが重要です。

 死亡率はインフルエンザ並みに近づいていますが、高齢者や、リスクの高い人が多く感染してしまうと、一定の割合で、重症者や死亡例が出てしまうことになります。出来る対策はやっておくほうがベターです。と言うことで騒いで声を上げる場面では、マスクをしておいて欲しいと思うのです。

 手洗いや咳エチケットも大事です。コロナの感染経路は、飛沫感染と接触感染です。ウイルスの付いた手で、目や鼻、口などの粘膜を触らないことも意識しておきましょう。「1」を上回ると感染が拡大に向かい、「1」を下回ると収束に向かうとされる実効再生産数は、11月23日で全国平均が1.048、爆発的ではない数値ですが、それでも増え続ける値となっています。

 感染予防策が緩んでしまうと、感染が増加してしまうのは必然だと思います。先日書いたように、若い人の死亡率はインフルエンザ並みになってきていますが、若い人でも後遺症に苦しむ人は多くいます。新型コロナウイルスは身体に残存し、持続感染を起こしうる悪いウイルスですので、罹らない方が良いのは当然です。

 第8波は、様々な変異株が流行する事が分かっていますので、ワクチンを打っていても、感染歴があっても、また罹患する可能性は十分あるのです。全体数が多くなると、重症者数もそれと共に増えるため、医療機関での治療が難しくなる事が予想されます。第8波のピークを高くしないためには感染予防策を地道に行うしかありません。

 蒼野も厚労省の提案通り、「新しい生活様式」が全て実践できている訳ではありません。どこでコロナをもらうか分からないとも思っていますし、今秋からは、東京のリアルの勉強会などにも積極的に出席して、会話や会食を楽しんでいます。コロナを恐れるあまり、外出を控え、メンタルが落ち込んだり、筋肉が減って弱ってしまったりするのは、もうそろそろやめて良いと思います。

 それにしても、大勢が、長時間、同じ部屋の中で大声を出しているという状況はまずいのではないかと感じました。一度に患者数が増えてしまえば、重症化率は下がっているとはいえ、救える命が救えなくなる可能性があります。今年はインフルエンザも流行る可能性は高いのです。せめてマスクをしたままで盛り上がって欲しいと思います。

 コロナを忘れて、盛り上がりたい気持ちはよく分かります。でも蒼野が目にする発熱外来の患者様は10代、20代がやはり目立ちます。最低限の感染予防を講じながら、人生楽しんでゆきましょうね! そしてここからは以前書いた感染予防等の情報です。

 サプリメントとして、エビデンスがあるのは5-ALAです。鉄を一緒に摂ると効果的です。(過去ブログ:5-ALA! 参照)。またウイルスを殺す飲み物は紅茶と緑茶です(過去ブログ:紅茶と緑茶! 参照)。そして感冒症状が少し出た時には間髪入れずに、柴葛解肌湯を内服(過去ブログ:柴葛解肌湯! 参照)するのが必殺技です。

 コロナで重症化したり、体調不良が続く人が増えないことを切に祈ります。SAMURAI BLUEが一次リーグを突破してベスト8まで行くことも一緒に切望している蒼野でした。

参考文献: Lifting Universal Masking in Schools – Covid-19 Incidence among Students and Staff. ; The New England journal of medicine. 2022 Nov 24;387(21);1935-1946.

過去ブログ:

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