昨日は成長期の脳を良くする方法について書きましたが、今日は大人が今から頭を良くする方法について書いてみたいと思います。脳の機能が上がれば、あなたの夢も叶いやすくなります。もちろん昨日書いた生活習慣は大人の脳にとっても良いので、食事、運動、睡眠については参照にして頂ければ幸いです。
蒼野がテレビを見ていて、めっちゃ頭が良いなあ!と思うのは、クイズで誰も知らないようなことを、次々と答えてゆく、「東大王」だったりします。どうしてそんなことまで、幅広く頭に入っているのか、と疑問に思いませんか? ガリ勉で学校の勉強ばかりしていたら、あんなには答えられないはずです。
もちろんそれぞれの方に、頭を鍛えてきた歴史がある様です。その中に頭を良くする方法が隠れているので、そこから見てみましょう! 少し前の東大王の大将、水上 颯さんは開成高校時代も、全国高等学校クイズ選手権の3連覇に貢献しました。その後「最強の頭脳 日本一決定戦! 頭脳王」という番組でも2連覇し、その後東大王に出場、2020年からは研修医として新たな人生を歩まれています。
頭の出来が違うので、私には関係ないと思いがちなのですが、水上さんの頭脳の基礎は読書なのだそうです。小学校時代から本の虫で、1日に借りられる本2冊を、学校の図書室で毎日借りて読み、翌日2冊借りて返すという生活を中学卒業まで続けたとのことです。これは本当に好きでないと出来ませんよね。
これで国語力がつき、読解力が桁違いに上がったため、他の教科でもしっかりと問題の意図を把握する力がつきました。東大受験の英語でも文章の文脈の流れが分かったり、要約したりする能力が、英語自体の暗記よりも役に立ったりしたようです。ジャンルを問わず本を読み尽くしたことがクイズにも役立ちました。
もう一人の東大王は伊沢 拓司さんです。伊沢さんは性格的にハマるタイプです。幼稚園の頃は電車にハマり、休日の朝から母親に連れて行ってもらったレンタルビデオ店で、電車のビデオを借りまくり、全て暗記するくらい見ると、今度は父親が電車の見える所に連れて行ってくれて、1日中電車を見ていたそうです。その興味と集中力も凄いのですが、御両親もすごいですね!
小学校ではサッカーにハマり、ちょうど日韓ワールドカップの時期だったことから、毎朝サッカーの総集編ビデオを見て、授業前に校庭でボールを蹴り、放課後も週2回はサッカースクールに通いながら、サッカーの雑誌や本を読み漁り、ワールドカップに出ていない国の選手の知識まで覚えて、友人とクイズを出し合って楽しんだそうです。物事を分析する楽しさを体感したことが、その後の勉強に大きく影響しました。
二人に共通しているのは、好きなことに熱中して、とことんまでやり尽くすということの様です。自分の好奇心の赴くまま、熱中しているうちに、わからないことの調べかたや、誰に聞くのが良いのかなどの知恵がどんどんついてゆきます。これは我々の社会生活にも大いに役立つスキルなのです。
脳内の反応を考えると、好きなことをやって、楽しんでいる時には、ドーパミンがたくさん分泌されます。これは脳自体にとって、この上ない刺激になり、どんどん発達が促されます。ドーパミンのおかげでますます意欲が湧き、集中力が増し、熱中することができます。好きであるほど良い循環が回り続けるのです。「好きこそ物の上手なれ」とはまさにこの事です。
頭を良くするには、脳の本能的な欲求を知っておくことが最も重要です。我々の望み、欲求は脳が命令しています。基本的には食べたい、眠たい、休みたい、楽をしたいなど、「心地よいこと、楽しいことをしたい、幸せになりたい!」というのが、誰もが持っている本能です。
大人になって、毎日忙しく、仕事や生活に疲れていると「幸せになりたい」と思う気持ちを忘れてしまいがちになります。習慣に従って生活し、刺激のない毎日! 仕事をしていない時は、スマホを見たり、テレビを見たりしているけど、夢中になれる訳でもなく、暇を潰しているだけ! こんな生活では、脳はぼーっとしてしまい進化しなくなり、加齢と共に衰えます。
脳は幸せになること、楽しいことをしている時に、ドーパミンを始めとする脳内化学物質を分泌して、やる気が増し、記憶力が上がり、集中できる様になります。するとモチベーションが続き、継続することができるため、成果が上がってくるのです。脳は幸せにつながる、好奇心のあること、楽しいこと以外には見向きもしないという事です。
幸福(楽しさ)を感じながら、行動している人は、そうでない人と比べて生産性は37%アップし、創造性に関しては300%もアップします。大好きなことにハマり、長く続けることができれば、脳はどんどん良くなり、成果が上がります。つまり『成果を出した人が幸せなのではなく、幸せを感じながら暮らしている人が成果を出す』というのが脳の構造なのです。
ドーパミンは成果が出た後ではなく、成果が出る、手に入りそうだと感じた時、出来ると思った時に最も分泌されます。楽しんでその行動を続けていると、脳の機能は良くなってゆきます。脳機能が上がれば、その分だけ目標、成果は近づいてくるのです。楽しい時間があっという間に過ぎるのは集中できている証拠です。
脳の良し悪しには、もちろん遺伝の影響もあります。「一卵性双生児」の双子研究によると、遺伝の影響を受けやすいのは、子供の頃に発達する部分である、視覚、聴覚、触覚、運動能力などで、8割から9割の影響を受けます。
しかし頭の良さに影響する、思考、計画、コミュニケーション、自己実現などを支える「前頭前野」に関しては、遺伝の影響は5割から6割程度です。これらは大人になってからも発達を続けるため、環境や生活の影響が大きくなります。大人になってからは、この部分を伸ばしてゆくことで頭は良くなってゆくので、諦める必要はありません。
加齢の影響が出てくる中高年においては、脳のあらゆる領域を使うコミュニケーションを増やし、脳を活性化してゆくことが重要です。世界の長寿地域では、地域でのコミュニティ参加が盛んで、認知症も少なく、活発なコミュニケーションが行われています。
また約400人を対象にした8年間の観察研究において、知的好奇心が高い人ほど、認知機能を担当する「側頭頭頂部」の萎縮が少ないことがわかっています。好きなことについて知りたい、学びたい、達成したいと思う気持ちが、頭を良くしてくれて、脳の若さを保ってくれるのです。
大人になっても、脳を活性化して、良くしてゆくには、自分が幸せを感じることに、興味を持って、追求し行動を続けてゆくこと。同じ目標を持つ仲間をコミュニティで見つけ、コミュニケーションをとってゆくことが、結果的に認知症を防ぎ、幾つになっても脳を活発に活動させることになるのだなあと、蒼野も納得いたしました。
日本人は目標に向かってがむしゃらに頑張り続ける人も多いです。しかし自分が興味がないこと、楽しくないこと、幸せを感じられないことは、長くは続きません。苦痛を感じることは脳を発達させません。もちろん生活のために本意ではない仕事をされている方も居られるとは思いますが、理想的には1日1回、少なくても週に1~2回は、自分の幸せなことに向かって行動できると、脳が良くなります。
蒼野は、健康について調べるのも、文章を書いて伝えるのも好きです。事故に遭って無ければこんな事もしなかっただろうと思うと不思議な気がします。神様が与えてくれた運命なので、その中で夢中になれることを、これからも続けてゆき、衰えかけの脳を少しでも発達させたいなあと思っています!
参考書籍: 東大脳の育て方 日本一勉強が好きな頭脳 瀧 靖之
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