少子高齢化
蒼野は、日本人みんなで、健康長寿を目指しましょうということを、主張しているのですが、現実的には、加齢が進むとどうなってゆくのか考えてみたいと思います。日本は現時点で高齢者の総人口に占める割合は29.１％（2021年、高齢化率）で世界一です。
現在の平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳です。一方、日常生活に制限のない期間（健康寿命）は、平成28（2016）年時点で男性が72.14年、女性が74.79年です。健康を意識せずに、平均的な生活を送っていくと、男性で9年、女性で13年程は、何らかの生活の制限がある状態で生きてゆくことになるということです。
また、年齢別人口に占める介護保険受給者の割合は、９0～９4歳で、男性47.6％、女性64.7％、95歳以上で男性69.６％、女性85.９％と、90歳を過ぎて長生きすればするほど、誰かの介護を受けなければならない現実が見えてきます。
しかし、2020年の出生数は約84万人と過去最少、一方、年間婚姻数は新型コロナの影響をすでに受けており、結婚と出産がワンセットの文化圏である日本においては、今後の出生数はさらに減少すると思われます。推定では、2021年の出生数は77万人台になるとみられ、この数字は、これまでの政府推計よりも少子化が15年早まることを意味しています。
団塊世代が90歳以上になる、2040年には、日本史上最多の高齢者数と、要介護者数になることが既にわかっています。日本全体で考えると、3.4人で1人の介護者を支える時代になります。この時代はまだ団塊ジュニア世代が相当数いるため、何とか乗り切れるかもしれません。
2065年に団塊ジュニア世代が90歳以上になると、少子化の進行もあって、2.5人で1人の介護者を支える時代になり、支える人は明らかに不足するのです。高齢化率は40％まで増加し、労働者人口も少なくなるため、税収や、介護保険料も減少してゆくので、相当厳しい状況になるのでは無いでしょうか？
さらに2100年、現在の小学4年生が90歳になる年には、このまま出生率が上昇しなければ、日本人の人口は5000万人程度、しかし高齢化率は30％を超えたまま推移しており、現在の常識の延長で考えると、明るい未来は描きにくい状況です。
現在の蒼野の年齢からすると、2100年は空の上から見ていることになると思います。しかし2040年は、ちょうど80歳です。身体も脳機能も保って、働きながら、誰のお世話にもならずに、生きていたいものです。
蒼野は政治家ではありませんので、政策について、とやかく言うつもりはありませんが、世界を見ると、少子化を克服している国はいくつもあるようです。
フランスでは1990年代以降に、保育の充実などによって、未婚でも出産・育児と労働の両立を支援する取り組みを進めました。1993年に1.73と底を打った出生率は、その後、2010年には2.03にまで回復しました（2019年は1.87）。
またスウェーデンでも、出産・育児と労働の両立を支援しました。子どもの数に応じて加算される児童手当制度、両親保険（1974年より導入された両親が取得できる育児休業の収入補塡制度）などにより、1998年に1.5だった出生率が、2010年には1.98にまで回復しました（2019年は1.70）。
1999年に出生率1.16で、国が消滅すると言われたロシアは、子供を2人産んだ家族は家が1軒買える大金がもらえる、母親資本という制度を2007年から導入し、2015年には1.78まで回復しました（2019年は1.50）
日本は現在出生率1.34、しかしこれらの制度を見習って、『3人産んだら2000万円の住宅資金を援助したら良いのでは』、ということを提案されている先生がおられます。もし3人が成長して働くようになれば、日本に収める税金は22歳から60歳まででも、3人で年間210万円×38年で、7980万円が国に還ってくることになるからです。
蒼野が尊敬している、北野幸伯先生の本に書いてあったのですが、なるほどなあと納得してしまいました。勉強していて、少子高齢化の問題は、絶対に解決しなければならない問題だと感じました。今回は、少し健康の話から脱線してしまいました。
蒼野ができることとしたら、高齢になっても、元気な身体と脳を保てるように、今、元気なうちから、生活習慣を整え、身体を動かしながら、楽しく生きてゆく提案をしてゆくことですので、これからも情報発信を頑張ります。蒼野も可愛い娘達に、介護されることのないように頑張ってゆきたいと思います。
参考書籍： あなたのオムツは誰が変える？ 平川 晃
（大学の同級生です、平川君、本を送ってくれてありがとう！）
日本の生き筋 北野 幸伯