皆様、2021年も終わりですね。蒼野にとっては、色々な変化があって、忘れられない年になりそうです。皆様はいかがでしたでしょうか?
今、少しの不調はあっても、普通に問題なく暮らせている方が多いと思います。しかし人間はどんどん歳をとってゆきます。メンテナンスしないと、身体のあちこちの不調は、徐々に大きな問題に変わってゆきます。
生活習慣や、身体のことは、学校では習わないので、自分でやりたいようにやっていると、病気の引き金があちこちに潜んでいるのです。きちんと食べて、運動して、しっかり休む知識を、是非身に付けてください。
皆様一人一人が、元気に歳を重ねれば、日本も元気になるし、医療や介護の問題、老後の経済的な問題まで解決することができると思っています。そのためにはまず、生活習慣病の大元となる、肥満を防ぐことが重要となります。
今日は、蒼野自身が今年経験してみて、最も効果的で、持続出来る方法であると考える、16時間断食について、重要なポイントとなる、筋肉を落とさずに行う方法を、書いてみようと思います。
断食でダイエットを行うのであれば、できるだけ筋肉を落とさずに脂肪だけを燃焼させることが大切です。食事の摂取カロリーだけ落とす方法では、すぐに身体が基礎代謝を落としてしまうため、ダイエット効果は持続しません。筋トレを組み合わせることが必須となります。
食事をしない状態の時、外部からのエネルギー補給はありません。そのため身体はまず、肝臓に貯蔵されているグリコーゲン(糖質)を使って、エネルギーを作ります。10時間が経過したあたりから、肝臓の糖質がなくなります。そこで身体は、ようやく脂肪を分解して、エネルギーを作り出すサイクルに入るのです。
16時間断食では、最後の6時間に脂肪がどんどん分解されて減ってゆくことになります。これは素晴らしいことなのですが、分解されるのは、脂肪のみではなく筋肉も同様であることが問題となります。断食により、筋肉合成に必要な栄養素が無くなると、筋肉を分解してエネルギーを作り出す『糖新生』と呼ばれるサイクルも発動するのです。
比重の重たい筋肉が減ることで、体重は更に減るのですが、これは防いでいかなければ、筋力不足により、体型が崩れたり、体力が落ちたりしてしまいます。身体を支える筋肉がなくなれば、あちこちの痛みまで出てきてしまうのです。そして基礎代謝も減ってしまい、痩せにくく、太りやすい体質に変わってしまい、ダイエット効果が持続できなくなってしまいます。
ここで筋肉のエネルギーについて、説明しておきます。骨格筋が収縮・弛緩する際は大きなエネルギーを消費します。主に利用できるエネルギー補充としては、1、クレアチンリン酸系 2、解糖系(筋肉内グリコーゲン) 3、有酸素系(脂肪燃焼、ケトン体)があります。
短時間の激しい筋肉運動(白筋繊維の収縮)には、まずクレアチンリン酸が生成するATPと筋肉内のグリコーゲンが分解して生じるグルコース、血液中から取り込むグルコース、筋肉のアミノ酸を分解して作るグルコースが使われます。素早く供給できる、解糖系で作られるATPが主なエネルギー源となります。
断食中は、クレアチンリン酸と筋肉内グリコーゲンは最初に使われてしまい、枯渇します、食べていないため血液中のグルコースも、沢山は使えません。そうすると筋肉が分解されてしまうのです。断食中にハードな筋トレをすると、低血糖を起こしやすく、筋肉が減りやすいことになります。
一方、短時間の激しい筋肉運動(赤筋繊維の収縮)には、解糖系で作られるATPも使われますが、脂肪酸や、脂肪からできるケトン体を原料として、有酸素系でミトコンドリアから作られるATPを主に使って、長時間、運動を続けることができるのです。そういう理由で、心筋もエネルギー源の大半を脂肪酸に依存しています。
以上のことから、筋肉を減らさないように、16時間断食中に行う運動の注意点としては、
1、断食時間中のハードな筋トレは避けること
2、筋トレは、食事2時間後がベストタイミング
3、食事で、体重 × 1g / 日 以上のタンパク質を摂ること (1回の摂取量は20~30gが適量、1回の食事で約40gが吸収の限度のため)
4、断食中に行うのは、軽いウォーキング ヨガ ストレッチ 水中ウォーキングなどの有酸素運動ということになります。
どうしてもハードなことをしなければならない時には、断食を中断することにはなりますが、前もって食物繊維の多い、複合炭水化物(玄米や五穀米、もち麦ご飯、オートミール、キヌアなど)を摂っておけば、筋肉の減少は最低限にできます。
体内にたんぱく質が足りない状態で筋トレしても、筋肉を修復できません。ビタミンB1や B2など、エネルギー代謝に必要な栄養も、断食中には不足しやすいのです。栄養が足りない状態で、激しい筋トレをおこなうと、筋肉が分解してしまう可能性が高まります。そのため、栄養価の高い食事を摂り、2時間経った後がベストタイミングと言われているのです。
食後すぐは、食べたものを消化する時間です。身体は消化のため、血液やエネルギーを消化管に集中させています。そこで筋トレをおこなってしまうと、身体の血液が筋肉へ向かい、消化に必要なエネルギーが不足してしまいます。少なくとも、食後2時間は空けることが必要です。
ただしこれは、あくまで16時間断食と筋肉についてのお話です。16時間断食中、空腹12~16時間のタイミングで運動をおこなうと、細胞を若返らせるオートファジー機能をさらに高めることができると言われています。この時間帯は、もっともたんぱく質が体内で不足している時間です。
病気の予防や若返りに関しては、この時間帯を活用して運動するのがとても有効です。また断食中の有酸素運動は更に、脂肪燃焼を加速してくれます。激しくない有酸素運動や、自重で行うスロートレーニングがお勧めです。5秒かけてしゃがんで、5秒かけてもどる「スロースクワット」などは、歩く時間がない時に行うと良いと思います。
前回の16時間ダイエットのブログで、蒼野の体重と体脂肪、筋肉量の変化について、書かせて頂きましたが、上記のことを頭に入れて取り組み、体脂肪は人生マックスに減りました。足の筋肉は、白筋が赤筋に変わったことで、少なくなったものの、上半身の筋肉は落とすことなく、いくら歩いても疲れにくい足が手に入りました。自分で言うのも何ですが、健康長寿には有利な細マッチョに近づいているように思っています。
もっと若くて、ムキムキの白筋で、ボルトのような身体になりたい方は、糖質も沢山摂りながらのハードな筋トレをお勧めします。そして脂肪だけ絞ってゆく段階では、筋トレと食事のタイミングを考えながらボディメイクして下さいね。それでは良いお年をお迎え下さい! 来年もよろしくお願いいたします!!