健康長寿につながる方法を調べていて、感染症予防にしても生活習慣病予防にしても、腸内環境の影響がとても大きいなあ、と感じることが多くなりました。健診で不調を訴える若い人にもアドバイスするのですが、野菜料理を作ったり、海藻や漬物を日常的に食べれる人は少なく、ジャンクフード漬けの人の腸活は悩みの種です。
何か良い方法は無いかと、若い人や料理を作らない人にも、簡単にできる腸活について調べていると、1日にバナナを2本食べるという方法を目にしました。料理なしで、簡単に食べる事ができる上、コンビニでも買えるなど、取り組みやすい腸活だなあと思い、蒼野自身も現在試してみています。
今日はバナナの腸活パワーについて解説してみたいと思います。甘くて太りそうなイメージのあるバナナですが、バナナ1本のカロリーは86Kcalと意外に低カロリーです。食物繊維をたっぷり含んでいるため、血糖スパイクも起こしにくく、ダイエットにも向いている食材です。甘いので糖質依存の人にも嬉しい食材です。
バナナの食物繊維成分は、レジスタントスターチです。デンプンの一種なのですが、消化されずに大腸まで届くため、善玉菌の餌になるのです。レジスタントスターチは、不溶性食物繊維のように、便のかさを増し、また同時に水溶性食物繊維のように腸内細菌の餌にもなります。大谷翔平選手のような二刀流であり、ハイパー食物繊維とも言える活躍をする成分なのです。
善玉菌がレジスタントスターチを分解して発酵が起こると、酪酸を始めとする短鎖脂肪酸が作られます。短鎖脂肪酸は腸に直接エネルギーを供給して、腸を元気にしてくれます。また腸内環境が酸性に傾くため、悪玉菌が繁殖しにくくなり、腸内フローラの状態を整えてくれます。レジスタントスターチによって腸内の酪酸濃度が上昇することも証明されています。
レジスタントスターチは加熱によって消化しやすい形に構造が変化しますが、再び温度が下がるとレジスタントスターチに戻ります。ご飯や芋類にも入っているため、あえて冷やご飯やおにぎり、寿司などで食べる方が腸内環境にとっては有用です。食物繊維不足の日本人を救う鍵は、冷やご飯にあるのかも知れません。
レジスタントスターチは食後の血糖上昇を緩やかにして、血糖スパイクを作りにくくするため、満腹感も持続しやすく、動脈硬化も起こしにくい成分です。バナナを食べるのなら、このハイパー食物繊維である、レジスタントスターチが多く含まれるバナナを選びましょう。
実はバナナは成熟してゆくにつれて、レジスタントスターチが減少することが知られています。バナナは収穫時には緑色(オールグリーン)の状態で、固くて甘くない状態です。これを熟成庫に入れて温度、湿度、二酸化炭素濃度をコントロールすることで、黄色く美味しいバナナに熟成されます。
普通に食べれるようになった、一番若い状態のバナナは茎や先端に緑色が残り、グリーンチップと呼ばれます。さらに熟成するとフルイエロー、完熟するとシュガースポットと呼ばれる黒い斑点が出てスターと呼ばれる甘いバナナになります。一番若い、緑色が残るグリーンチップは、フルイエローの1.25倍前後のレジスタントスターチを含みます。
熟成することで良い面もあります・バナナに含まれる抗酸化成分であるポリフェノールは、熟すほど多くなります。バナナは南国育ちで、気温が高いとすごいスピードで熟成します。今の時期にグリーンチップを買ってきても、二日くらいで緑色はなくなり、全体が黄色になりすぐに斑点が出てくるのは蒼野も確認済みです。
5~10度くらいで保存すると、追熟が起こりにくくなるようなので、なるべくグリーンチップの状態で食べたければ、1本ずつ新聞紙に包み、湿気を取りながら冷蔵庫内のエチレンガスに触れて熟成しないようにした状態で、野菜室に入れるというのが、一番グリーンの状態が長持ちするようです。
夏場にはすぐに傷むため、冷凍保存も考慮します。1本ずつ皮を剥いて、ラップに包んで冷凍します。1口大にカットしたり、すりおろした状態で凍らせることもできます。1ヶ月程度は持たせる事ができるので、スムージーにしたり、調理やお菓子に使いましょう。
バナナが持つもう一つの腸活成分が、フラクトオリゴ糖です。”コロナの重症化を防ぐ” 全身の慢性炎症を抑えアレルギー疾患を改善する” ”健康長寿に寄与する” という過去ブログでも書いた、是非摂っておきたい成分です。小腸で分解されることなく大腸に届くため、善玉菌、特に酪酸産生菌のエサになる物質なのです。
その他にもバナナには、糖質の代謝に使われるビタミンB1、脂質の代謝に使われるビタミンB2、タンパク質の代謝に使われるビタミンB6まで含み、全身の代謝の促進にも働くため、ダイエットにも有利な食材なのです。
身体からナトリウムを排泄するときに必要なカリウムも豊富に含むため、むくみ解消にも有利です。先ほども出てきたポリフェノールも豊富に含むため、体内の酸化を防ぎ、アンチエイジング効果もあります。マグネシウムも多く、歯や骨にも使われ、腓返りなどの筋痙縮にも有用です。
トリプトファンも含むため、朝散歩の後食べれば、セロトニンの材料となって、メンタルの安定にとっても有用です。夜になればメラトニンに変化するため、夜間の良質な睡眠にも寄与します。ざっと紹介しましたが、バナナはスーパーフードと言えるほどの効果がありますね!
毎日生で食べるのも美味しいのですが、飽きてくると思うので、いくつかレシピも紹介しておきます。皮ごとオーブントースターで5~10分焼くと、フラクトオリゴ糖が加熱によって増加します。ただレジスタントスターチは、焼きたてでは消化されやすくなります。面倒ですが、1時間ほど放置すると、レジスタントスターチに戻るので、その時点で電子レンジで再加熱し、バターなどでソテーしたりすると、ちょっとリッチで、栄養たっぷりのおやつになります。
これは他の炭水化物にも応用可能です。電子レンジの再加熱は、暖かくなりますが、レジスタントスターチは減らしません。また再加熱後の室温放置で、さらにレジスタントスターチは増加します。ご飯の炊き立てを1時間放置すると、レジスタントスターチは2.9倍になるので、チンして食べると食物繊維増しのご飯になります。
さらに繊維が豊富な軽食としては、焼きバナナオートミールはどうでしょうか? バナナ1/2本をつぶし、100mlのアーモンドミルク、ハチミツとココアパウダーをお好みで混ぜ、オートミール大匙1/2 を加えて、600Wのレンジで2分加熱、耐熱皿に入れて残りのバナナ1/2本の輪切りを乗せオーブントースターで焼くと出来上がります。これからの季節にぴったりです。
変わったレシピとしてはじゃがいも、ひき肉、玉ねぎを入れるコロッケにバナナも加えて揚げると、甘味が加わり、グッと旨みが増すとのことです。青野はまだ食べてないのですが、ちょっと食べてみたくなりました。妻にお願いしてみます。
バナナは今、密かにブームになってきているようです。健康効果が知られるようになり、9月15日には、敢えて青めの熟成状態にしたグリーンチップバナナの自販機が渋谷に設置されました。1本150円の「Dole低糖度バナナ」ですが、健康志向の人にとっては、24時間買えるというのは嬉しいですよね。
ただ過敏性腸症候群のあるSIBO患者様にとっては、グリーンチップバナナは逆効果になる可能性があります。果糖+オリゴ糖の割合が高く、高FODMAP食になるからです。熟れて黒くなったバナナなら、果糖+オリゴ糖の割合が低いため影響は少なくなるため食べる事ができるかも知れません。
先週から蒼野はグリーンチップバナナの実験中です。1日2本を続けているのですが、合わせて酪酸産生菌を含むミヤBM錠も一緒に飲んでいます。お通じはめちゃくちゃ良くなって、1日2回以上出ていて、とても気持ちが良いです。ただ臭くないおならの回数が激増する時間があるのが、玉に瑕かなあ? 続けやすい腸活だと思うので、特にお通じが悪い人は試してみてくださいね! 一緒にスーパーサイヤ人のように元気になりましょう!!
参考書籍: 腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由
医師も実践している本気の腸活 小林 弘幸
過去ブログ:
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