突然ですが最近蒼野は納豆を週4日以上食べる様にしています。16時間断食が明ける昼のお弁当の主食の一つに採用しているからです。多くの健康効果があるという話を聞き、タンパク質も摂れて、血糖値も上がりにくく、安くて、味も美味しいと思うのでやってみているのです。
もちろん味が嫌いという方や、そんな匂いのするものは持っていけないという方もおられるかと思うのですが、蒼野の場合は自分の机で、お昼周囲に人がいる事も少ないため、3ヶ月前からやってみています。7月に納豆に含まれるポリアミンの中のスペルミジンの若返り効果について勉強してから、定期的に摂ろうと思い食べ始めました。
朝食は食べず、夕食の時には他に美味しいおかずがあると、ついつい億劫になって食べない事も多いため、お昼のお弁当に採用していました。先日YouTube動画で納豆の健康効果が他にも色々紹介されており、元の本を確認したところ、美味しそうなレシピも出ていたので皆様にも紹介したくなりました。
2020年に国立がん研究センターから、循環器病になっていない日本人を対象として15年間観察したコホート研究の結果が発表されました。納豆・味噌・豆腐などの大豆製品の摂取量と、総死亡、がん、心疾患、脳血管疾患などの死亡との関連を調べたものになります。
結果としては、総大豆摂取量と死亡率には関係が無かったのですが、発酵性大豆食品の摂取の多い人は男女共に死亡リスクが低いことが分かりました。薬と違って食べ物を食べているかどうかで、違いが出るというのはかなり珍しいことになります。発酵していない豆腐では違いは出ていません。
特に心血管疾患の死亡率は男女共に納豆の摂取量が多い程、低くなっており、その効果は納豆26g以上で、男性で24%、女性で21%死亡リスクが低下していたのです。納豆は1パックが40~50gですから、1日1パックで十分な効果が得られると言うことになります。驚くべき結果と言えると思います。
この効果はナットウキナーゼによるものが大きい様です。比較的分子量が大きい酵素ではありますが、ナットウキナーゼは消化管から吸収され、血中で血栓溶解効果を発揮することがわかっています。以前からエコノミーシートで、長時間の海外フライトを行う前には、エコノミークラス症候群の予防のために、乗る前に納豆を食べておくという事がよく報道されていましたが、信憑性がある事なのだと思います。
血栓で生じる狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの予防に効果があることは、多くの論文で証明されています。経口摂取しただけで8~12時間も作用が続くのです。ただ、ナットウキナーゼは50度以上の高温で壊れるため、熱々のご飯に混ぜたり、納豆チャーハンにしたり、カレーに入れたりするのは、少し勿体無い食べ方になります。
納豆はビタミンK2も豊富に含んでいます。ビタミンKは血液凝固や骨代謝に影響する成分で、日本人の研究でも、納豆をよく食べる東日本の女性の方が、ビタミンK2濃度が高く、西日本の女性よりも大腿骨骨折が少ない事が報告されています。ただ抗凝固剤のワーファリンを飲んでいる人はビタミンKが多いと効きにくくなるため、納豆は食べてはいけません。
納豆には大豆のイソフラボンが入っているため、女性にとっては嬉しい美肌効果や髪がツヤツヤになる効果が得られます。特に更年期以降には必要な成分になります。脂肪分が少なく、植物性タンパク質が豊富、鉄分やカルシウム、マグネシウムやビタミンB群が豊富でもあり、ダイエットにもとても有効です。
納豆の血栓予防効果や骨粗鬆症予防効果については、昔から有名でしたが、蒼野が特に得たいと思う効果は、食物繊維が豊富で、水溶性と不溶性のバランスが良く、糖化菌である納豆菌が出す物質によって、腸内のビフィズス菌や酪酸産生菌などの、非常に重要な善玉菌を育み、腸内環境を整えてくれる効果です。
過去ブログでも書いた、加齢と共に減ってゆくポリアミンの一種であるスペルミジンは、驚異の若返り成分であり、ビフィズス菌が作る事もできます。スペルミジンが食物中で一番多く含まれる納豆で摂取できると同時に、ビフィズス菌が増えて、腸内でも作られることによって、健康長寿に寄与出来ると考えられるのです。
スペルミジンはオートファジーを活性化する成分です。身体の慢性炎症を抑制し、免疫細胞にスペルミジンをふりかけると、抗体産生能力が蘇る事も分かっています。また納豆には5-アミノレブリン酸も含まれており、新型コロナウイルスの増殖を抑制する効果も報告されています。
また酪酸菌を育むことで、免疫暴走を抑える作用もあることから、コロナの重症化も防ぐ作用があります。アトピーや花粉症などのアレルギー疾患にも有効な食材なのです。こうして書いてゆくと、納豆は最強な気がしてきますね。ただ毎日パックのまま食べるのは、蒼野もそろそろ飽きてきました。
そこで美味しい組み合わせや食べ方についても書いておきたいと思います。健康効果の掛け算としては、オメガ3を一緒に摂りたいですね。サバの水煮缶と納豆を混ぜるだけで、簡単に夕食のおかずになる1品になります。納豆1パックに鯖缶1缶、胡麻脂と醤油で味を整え、お好みで大葉や生姜、胡麻などをまぶすと、こだわりの1品になります。
アボカドとの相性も抜群です。納豆1パックにアボカド半分、ラー油と醤油で味付けし胡麻と刻み海苔を乗せれば、簡単に出来る酒のつまみになります。味付けをワサビとマヨネーズに変えれば、クリーミーな味わいに変わります。ネットに沢山レシピが出ていたので探してみてくださいね!
めかぶ納豆やEXバージンオリーブオイルと岩塩をかけただけの納豆も美味しいです。オリーブオイルをこだわれば、飽きることはなさそうに思います。納豆についているタレには、少量で影響は少ないとは思いますが、ぶどう糖果糖液糖や、調味料、増粘多糖類などの添加物が入っているため、味を変えて楽しむためにも、色々工夫してみましょう。
ただどんなに良い食品も食べ過ぎるのはNGです。マツコデラックスさんは1日6パック納豆を食べ続けて痛風発作が出たそうです。納豆はプリン体の含有がめちゃくちゃ多い食べ物ではありませんが、1パック当たり57mg程入っています。プリン体の摂取は1日400gは超えない様にするのが望ましいため、食べ続けると痛風発作が出る事もあるのです。
1日1パックなら大丈夫です。また食べる時間は夜の方が効果が高い様です。脳梗塞など血栓ができやすいのは深夜から朝方です。ナットウキナーゼのサラサラ効果が続く12時間がこの時間に当たるようにしておくことは、血栓予防のために有用だと思われます。また栄養価が最も高いのは、砕かれて表面積が大きくなったひきわり納豆です。同じ食べるのならひきわり納豆を選ぶ方が効果的です。
日本人の長寿を支えているとも言われる納豆。嫌いでなければ、これからも食卓にぜひ加えてゆきましょう。様々な効果をもう一度確認したので、マニアックに色々な納豆を、全国から取り寄せて食べてみたくなった蒼野でした。
参考論文: Association of soy and fermented soy product intake with total and cause specific mortality: prospective cohort study
BMJ 2020; 368 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m34 (Published 29 January 2020)
参考書籍: 最強の納豆 血液サラサラ! 血管を守る! (マキノ出版ムック)
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