蒼野は60年以上も生きてきているので、特にそう思うのかも知れませんが、最近の我々の生活は電子機器が無くては、成り立たなくなっていますよね! どこにいても電波が受信できる世の中になっていて、その代名詞であるスマホは、誰もが使うアイテムになっています。逆に言えば、我々が毎日浴びている電波は、年々増えてきていることになります。
電波は目に見えないものでもあり、その実態はとても分かりにくいのですが、人間の体の神経や筋肉なども、ごく微弱な電気信号を介してコントロールされています。この人体に強い磁場や電場が作用すると、影響があってもおかしくないですよね。
電波を含む電磁波に、過剰に反応してしまう人が、電磁波過敏症です。その症状は人により異なるうえ、重症度には広い幅があり、現時点では電磁波過敏症の医学的診断基準はまだ作られていません。本当に電磁波が原因であるかどうかも、科学的な根拠がない状態です。
しかし病気としては認定されていないにも関わらず、近年電磁波が原因と思われる症状に苦しむ人が増えてきています。早稲田大学応用脳科学研究所の研究によると、日本人の3.0~5.7%が電磁過敏症の症状を訴えていることが発表されています。
具体的には、携帯電話や家電製品などが発する電磁波にさらされると、頭痛は吐き気をはじめとして、耳鳴り、ふらつき、めまい、睡眠障害、動悸、関節痛、血行不良などの症状が見られるものです。まだそのメカニズムは明らかになっておらず、治療法もありません。
アメリカでは、先日書いた化学物質過敏症と並んで、患者数が増大し続けているとのことです。電磁波過敏症の約8割に化学物質過敏症が合併し、化学物質過敏症のおよそ2割に電磁波過敏症が併発していることから、過敏な体質、免疫の過剰反応などがベースにあるのではないかと考えられています。
電磁波の種類としては、「電波」「X線・γ線」「紫外線・可視光線・赤外線」などがあります。レントゲンに用いられるX線は、高線量の被曝で悪性腫瘍ができやすくなりますし、紫外線も皮膚の老化を進め、皮膚癌のリスクになります。そう考えると、電磁波自体、身体にあまり良くないものかも知れませんね。
電磁波を発生するものとしては、スマートフォン・携帯電話・パソコン・Bluetooth・Wi-Fi・電気毛布・電気カーペット・IH調理器・電子レンジ・エアコン・冷蔵庫など、あとは携帯電話の基地局や、Wi-Fiスポット、高圧線や送電線なども挙げられます。
これらの電磁波で症状が出る人のうち、10%程度の人は重症であると報告されています。電磁波過敏症についての研究はスウェーデンなど、スカンジナビア諸国が多いのですが、二重盲検試験で、症状と電磁波の被曝量は相関しないことが判明しています。また化学物質過敏症の合併も多いため、他の原因で起こっている可能性や、ストレスや心理的な要因の関与の可能性も指摘されています。
資本主義社会の弊害もあって、研究を支えるスポンサーも容易には見つからないため、電磁波過敏症が電磁波によって起こっていることを証明する、明確な科学的根拠はまだ見つかっていません。WHO は、電磁波過敏症が存在することは認めています。現在国際電磁界プロジェクトを通じ、電磁界ばく露に伴う健康リスクについての、研究プログラムを調整中です。
仮説としては、電磁波によるカルシウムイオン流出や、脳中心部にある松果体からの分泌ホルモンの抑制で、免疫機能が低下し、アレルギー状態になりやすいことが原因ではないかと考えられています。実際にはもっと複雑で、ケースバイケースで、様々な要因が絡み合っている可能性がありそうです。
電磁波過敏症は、家電製品や携帯電話があふれた現代では、誰がいつ発症してもおかしくないと考えられています。しかし日本ではまだ電磁波過敏症に対する基準は未設定のままです。欧州などでは安全性が証明されるまでは危険だと考える『予防原則』を取り入れ、電磁波の基準値を厳しくした地域もあるようです。
自分でそのリスクを診断するには、自分で実験するしかない様です。人によってはWi-Fiの無い自分のアパートでは症状は起こらないけど、スポットに行くと頭痛がするとか、身に着ける携帯電話をアルミホイルで巻いておくと、電波が受信できないため、症状が出ないとかで、判断できることがあります。
報告としては、パソコンにアースを接続したら肩こりが治ったケースや、スマホを控えたら頭痛が治ったケースから、電磁波が不調の原因だったことが示唆される話が散見されるのも事実です。電磁波が健康に影響する事があるからこそ、高圧線の鉄塔に近い土地の値段が安かったり、線下補償料がもらえたりするのではないかと、蒼野は思います。
銀歯などの歯科金属は、電磁波のアンテナになりやすく、電磁波を集めやすいことが分かっています。口の周りにアルミホイルを巻いて断絶する実験をしてみましょう。何度か繰り返してみて、電磁波を断絶した際に、頭痛や肩、首の凝りなどの愁訴が改善されたりする様なら、電磁波過敏症の可能性が高いということになります。
何か分からない不調、つまり頭痛、めまい、吐き気、疲労感、うつ、短期記憶障害、集中力の欠如、呼吸困難、動悸などで悩んでいる方で、原因が分からない人の中に、電磁波過敏症が隠れている可能性があります。そういう方が、都会で快適に暮らすということは難しいかも知れません。
化学物質過敏症と同じで、治療薬はなく、今のところ電磁波を避けるしか方法がないのです。マスクの内側をアルミホイルコーティングしたり、帽子の内側にアルミホイルを貼ったりすると効果があるかも知れません。
新しく現代社会に入り込んできたものが原因で起こる病気は、人類が今まで経験したことがないものばかりになるため、なかなか研究も進みません。自分が生きているうちに解明されるかどうかも分からない疾患に対しては、個人個人が知識を持って、自分の身体で実験し、対策を立てるしかない様に思います。
化学物質過敏症と同じく、電磁波過敏症でも、重篤な症状が出ている方は、お気の毒としか言いようがありません。現時点では、なんとかそれらを避けながら、工夫して暮らしてゆくことが重要です。かく言う蒼野も、電子カルテ、スマホ、パソコン、Wi-Fi、Bluetoothなどを浴びっぱなしです。発症しないことを祈るだけです。
カッコ良いし、便利そうなので、アップルウォッチが欲しいけど、昔ながらの機械式時計で、頑張った方が良いのだろうなあ、と思う蒼野でした。
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