笑う門には福来たる!

2022/03/02

 『笑う門には福来たる』って諺ではなく、脳科学的にも証明されていることを、皆様はご存知でしょうか? 自分で意図的に笑顔を作るだけで、脳内伝達物質が変化して、福が訪れやすくなるという研究が沢山報告されています。今日は幸せになるための笑顔の話です。

 幸せになる笑顔は、たとえ作り笑顔でも、デュシェンヌ・スマイルと呼ばれています。(1)「口角(唇の両サイド)と頬を上げる」、(2)「目尻を下げてシワを作る」の二つを行う笑顔です。フランスの神経内科医、デュシェンヌが発見したため、この名が付きました。

 理想的なデュシェンヌ・スマイルは、赤ちゃんの笑顔です。赤ちゃんの笑顔を見たら、皆様も一緒に笑顔になりますよね。また顔の作りよりも、笑顔が素敵な人は人気があります。あの人の笑顔を見たら、自分も思わず笑顔になって、気分が良くなるって、ありますよね。

 自分以外の個体の行動を見て、自分が同じ行動をとるように反応する、脳のミラーニューロンという神経細胞があります。笑顔はミラーニューロンを通じて、伝染してゆきます。笑顔を作ると、その行動によって、脳内にドーパミンやエンドルフィン、セロトニンといった幸せホルモンが出てきます。笑顔も伝染してゆくのです。

 笑顔を作る表情筋の動きが、脳にフィードバックされると、脳内伝達物質を通じて、脳が楽しいと勘違いし、ポジティブな感情が生まれます。アメリカの心理学者トムキンス氏が発表した「顔面フィードバック仮説」です。逆にしかめっ面をしているとネガティブな感情に陥りやすいのです。

 ハッピーだから笑うだけではなく、笑うからハッピーな気分が湧き起こるということです。ストレスだらけの毎日で、そんなに笑っていられないよ、という方も沢山おられると思うのですが、デュシェンヌ・スマイルを練習して、身につければ、その作り笑顔によって、毎日がハッピーで、ポジティブになり、やる気が湧いてくるのです。

 米カリフォルニア大学の実験では、このデュシェンヌ・スマイルを作ると、それだけで脳が前向きな状態に変化し、やる気も出やすくなることが証明されました。それ以外の笑顔には、こうした特別な効果はありませんでした。この笑顔には、うつ病予防の効果も見つかっているのです。

 米ミシガン州立大学の研究では、大リーグの選手名鑑の顔写真から、デュシェンヌ・スマイルができているか否かを調べ、寿命との相関関係を調べました。すると、平均寿命に7年もの差があることがわかったのです。デュシェンヌ・スマイルには、心拍数を下げ、心臓病を防ぐ効果があるとの報告もなされています。

 千葉大学や東京大学などが、65歳以上の人を対象に、笑う頻度と病気の発症率に関する調査を行った結果、笑うことがほとんどない人たちは、ほぼ毎日笑う人に比べ、脳卒中になる危険性が1.6倍、心疾患になる危険性が1.2倍、高くなっていました。

 笑顔が、がん細胞や細菌を殺してくれるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化し、免疫力を高めるのは、有名な話です。吉本新喜劇を見る前と、後では、NK活性は全員の数値が適正範囲に入っており、見る前に基準値以下だった人も、全員基準値以上になっています。

 カリフォルニア大学の研究によると、卒業アルバムの写真がデュシェンヌ・スマイルだった女性とそうでなかった女性の、30年後の幸福度を測った場合、デュシェンヌ・スマイルの女性のほうが、結婚生活の満足度が高く、心理的に安定している傾向がありました。

 また、会社の商品の売り上げ上位の販売員と、下位の販売員の笑顔を分析した研究では、売り上げ上位の人たちは全員がデュシェンヌ・スマイルの持ち主。一方、売り上げ下位の人たちは極めて笑顔がぎこちないという結果が出ています。つまり、何より販売員の笑顔が購入の決め手になっている可能性があるのです。

 デュシェンヌ・スマイルを見た後に、説明された商品がよりよく見える効果と、笑顔の人を見ると気分がよくなる効果が大きいと言われています。笑顔によって、商品や売り手の信頼感がアップするのです。デュシェンヌ・スマイルが、ミラーニューロンの作用で、買い手の気持ちも明るくしてくれます。

 笑顔のキャッチボールが、スムーズに行えれば、営業や商談、プレゼン、お見合い、面接など、全てにおいて、上手く行く確率を上げることができるのです。まさに『笑う門には福来たる』そのものではないでしょうか?

 さあそれでは、皆様も一緒に、デュシェンヌ・スマイルを練習しましょう。デュシェンヌ・スマイルは表情筋のトレーニングでできるようになります。笑顔は顔の筋肉である表情筋の動きによってつくられます。笑顔が素敵な人は、表情筋の動きがスムーズで、筋肉がきちんと使えています。

 これは一種の筋トレです。鏡の前で、目がくしゃっと細くなって、目尻にシワがよるくらいの、満面の笑顔を作りましょう。イメージをつかんで 毎日鏡に向かってデュシェンヌ・スマイルをすることで、自然に作れるようになるはずです。

 蒼野も今までは意識して、笑顔を練習したことがありませんでした。もちろん、生まれつきデュシェンヌ・スマイルに見える笑顔を持っている羨ましい人もいます。実証実験では、デュシェンヌ・スマイルを自分の意思で作ることができた人はわずか23%。本人は笑顔のつもりでも、できてない人が77%もいました。

 難しいのは気持ちのコントロールかもしれません。ネガティブなことを考えた状態で笑顔を作ると、ネガティブの痕跡が表情に残りやすいのです。気持ちと表情はお互いに作用しているからです。楽しい気持ちで鏡に向かい、何度も練習しましょう。表情筋が動くようになり、ぎこちない笑顔が消えやすくなります。

 ネットでデュシェンヌ・スマイルと検索すると沢山出てきます。例えば、キャメロン・ディアスの笑顔とか、高橋一生の笑顔が、デュシェンヌ・スマイルの良いお手本です。好感が持てて、思わずこちらまで笑顔になるような笑顔です。

 オリンピックで言えば、金メダルの人の笑顔は、デュシェンヌ・スマイルが多く、銀メダルの人の笑顔は、ちょっとだけ悲しみの要素が入っているようです。本当に幸せを感じている時に、意識しなくても、心からのデュシェンヌ・スマイルができるようになるのかもしれませんね。

 健康になれて、人からも好かれ、信頼され、自分の気持ちがポジティブになる笑顔! 蒼野も手に入れたいです。お風呂であいうべ体操して、表情筋を動かし、鏡を見るたびに、笑う練習をしてみたりしている蒼野でした。

もし記事が良かったよ!と思われた方は蒼野健造公式ラインのボタンをポチッと押して、ご登録くださいね。ライン登録された方で希望される方の中で、月に1人程(まだ春までは忙しいので)オンライン面談での相談に乗りたいと思っております。