今日はカビについて勉強したいと思います。カビはヒトにとって役にも立っていますが、カビ毒は健康を害す原因にもなります。蒼野が気になるのは、アルツハイマー型認知症患者の脳を調べると、カビの痕跡が見つかっているというところです。健康長寿のために、カビを身体に入れないことについて書いてみたいと思います。
カビは正式には「真菌」または「菌類」です。この世界には数万種以上が生息しており、その中のコウジカビを利用して、味噌や醤油が作られたり、白カビや青カビからチーズが作られたり、パン、ビール、ワインなどの発酵に使うのが酵母です。直接食べているキノコも含め、これらはすべてカビの仲間です。
6~7月は暑さも湿度も最高潮で、カビにとっては最高の季節です。湿度70%超、気温10°C~30°Cでどんどん発育します。カビほど何でも食べる生きものはおらず、食品だけでなく、家具や布団、衣服、革靴、化粧品からDVD、プラスチック、金属までカビの餌になります。パソコンなどの精密機械の中で繁殖すれば致命的な故障の原因になりますし、カビのためにジェット機が飛べなくなったという事例もあるのです。
害が強調されがちなカビですが、もしカビがいなくなると大変なことになります。カビは生物の不要になった有機物(毛や爪、角質、排泄物、死骸、落ち葉、朽ち木など)を、無機物に分解する性質を持っています。地球上のゴミがうまくリサイクルできない事態となり、あらゆる“自然ゴミ”で埋め尽くされてしまう状況になってしまいます。
カビと細菌は間違われやすいのですが、細菌はむき出しの細胞内にDNAがある「原核生物」であるのに対し、カビは細胞内の核の中にDNAがあり、人と同じ「真核生物」なのです。細菌とは異なるため抗生物質は効きません。細胞構造が同じため、カビに効く薬は人間の細胞にも悪影響を与えてしまうため、体内で繁殖してしまうと退治するのは厄介です。
免疫がちゃんとしていれば、若いうちはカビの深刻な心配は要らないと思います。しかし環境に多くのカビがいると、その胞子や毒素がヒトの体内に入り、例えば夏風邪のような「夏型過敏性肺臓炎」の可能性が高まります。浴室や脱衣所、下駄箱などの住宅のカビのメンテナンスは、アルツハイマー予防のためにも重要です。
水虫もポピュラーなカビの一種です。外用の治療薬で2週間程度で治るのですが、原因となる白癬菌は、脱衣所などの至る所にいるため治ってもまた感染しやすいのが特徴です。爪に感染してしまえば、長期にわたって内服薬が必要になります。間違えて一般的な湿疹に使う、ステロイド入りの軟膏を塗ると、かえって増悪するため注意してくださいね!
その他にもアレルギー性鼻炎やシックハウス症候群などの原因にもなります。家や車のエアコン内のカビは分かりにくいので、定期的なチェックが必要です。カーペットは、カビと共にダニの温床にもなりやすいためこまめに掃除機を掛けましょう。ぬいぐるみや布団も干したり、叩いたり乾燥機をかけたりすることが重要です。
食べ物のカビに関しては、ちょっとだけカビていても、迷わず食べずに捨てましょう。目視できる部分以外にも発生していることがあります。もったいないですが、カビ毒が食品に残っている可能性が十分あるので、身体のことを考えて食べないようにしましょう。
腸のカビはアルツハイマーや、数々の不調に影響するので重要です。これはカンジダというカビが関与します。カンジダ菌の栄養は糖質、炭水化物です。カンジダが合成するアラビノースという糖質は、インスリンを誘発するため、低血糖を起こしやすくなります。血糖の乱高下が起こりやすくなり、様々な身体的・精神的症状の原因となります。
またカンジダが作る有機酸はミトコンドリアのエネルギー産生を邪魔するため、こちらもエネルギー不足から、倦怠感ややる気が出ない、感情が不安定になりやすくなります。カンジダが腸に菌糸を張って根付くと、先日も書いたリーキーガットを起こし、病的老化、体内の慢性炎症、免疫異常(アレルギー疾患)の原因となり、アルツハイマー型認知症の誘因になってゆくのです。
カンジダを増やさないためにはやはり生活習慣です。避けるべきものは小麦、乳製品、砂糖、白い炭水化物、人工甘味料、食品添加物、超加工食品、加工肉、アルコール、抗生剤を投与された畜肉や魚などです。特に抗生剤は腸内フローラを殺してしまい、カンジダが蔓延る環境にしてしまうため、本当に必要な時以外には、なるべく使わないことが大切になります。
カンジダが住みにくくなる食べ物は、オーガニック食品、グラスフェッドの肉や、近海の小さめの天然魚、平飼い卵や鶏、遺伝子組み換えでない大豆、新鮮な野菜、ハーブやスパイスは沢山、綺麗な水を沢山飲むことです。100%の実行は蒼野も難しいので、なるべくを心がけ、悪いものを減らす方に意識を向けましょう。
最後は蒼野も大好きなコーヒーです。コーヒー豆はカビが生えやすく、マイコトキシン(オクラトキシンA、その他を含む)というカビ毒を摂取してしまいやすいため、いくつか注意が必要です。この毒素は脳に炎症を起こすため、アルツハイマーの原因にもなりますし、知らない間に集中力や思考力が削られてしまう原因にもなります。
コーヒー豆は生鮮食品で、とてもカビやすい食品です。ブラジル産コーヒーの生豆を検査したある研究では、加工前の90%以上のコーヒー豆がカビ毒に侵されており、レギュラーコーヒーの約50%がカビていること判明したそうです。輸入に関しては、日本の輸入安全基準をクリアしたものしか輸入はされないことになっています。
しかし、平成16~21年度に行われた、国内で販売されている126サンプルのインスタントコーヒーのうち、124サンプルがオクラトキシンAの定量限界(インスタントコーヒーは0.1㎍/kg)を超えたことが明らかにされました。その他にも、高い豆を使わないデカフェのコーヒーでは、カビ毒を含む傷んだ豆が使われやすいことが分かっています。
カビ毒のないコーヒーを飲むにはどうしたら良いでしょうか? 焙煎前の生豆の状態なら、カビているかどうかが確認できます。カビがついた生豆は、カビ臭いにおいがしたり、黒ずんでいたり、デコボコしていたりといった特徴がありますので、目で見て取り除くのが一番です。
自分でその作業が出来ないのであれば、焙煎前に手作業で欠点のあるコーヒー豆を取り除くハンドピックを行っている、自家焙煎にこだわっているコーヒーショップで、コーヒー豆を購入すれば間違いないようです。安全で美味しいコーヒーを飲むのは結構大変ですね!
他の食品でカビが混じりやすいものは、ピーナッツ・ピスタチオなどのナッツ類、とうもろこし、ハト麦、そば粉などの穀類、ナツメグ、白コショウなどの香辛料、あんこの原料となる豆類、ナチュラルチーズなどです。東京都の調査でこれらの輸入食品に、微量のカビ毒の「アフラトキシン」が検出されています。肝癌の原因とも言われているので、国産にこだわるのも良いと思います。
健康長寿のためには、生活からカビを遠ざけることを意識しておくと良いと思います。アルコールを卒業した蒼野は、コーヒーとスパイスには拘りたいなあという願望があります。趣味として少しずつ試してゆきたいと思います。
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