脳の老化を防ぐ方法!

2022/08/12

 今日は脳の老化について書いてみたいと思います。人生100年時代と言われるようになって、久しくなります。昭和が舞台のサザエさんの磯野波平さんは54歳の設定とのことですが、蒼野より8歳も年下とは、とても思えません。現代で考えると70代くらいに見えてしまいますよね。

 昭和の昔に比べると、歳を取っても元気な人が増えてきたのは喜ばしいことです。しかし、少子高齢化問題を考えると、今後どんどん年金も減ってゆく現実では、60歳定年で、余生を遊んで暮らすということはもう出来ないのでは無いかと思います。

 70歳、いや80歳くらいまで、働ける人は働かないといけない時代になってきており、そうしないと普通の生活が確保出来ない人も多いのが現実では無いでしょうか? 蒼野も働く覚悟でおります。もし健康寿命が尽きてしまい、介護生活ともなれば、本人やご家族の負担を想像すると、本当に恐ろしいと思います。

 肉体的にはどうしても衰えてくるため、高齢になってもずっと働き続けるには、脳だけは明晰に保つ必要があると思います。人間の脳は25~30歳くらいまで成長を続け、ようやく完成します。その後は1日に8万5000個ものニューロンが失なわれ、40歳を超えると、脳の容積は平均で10年に5%ずつ減っていくと言われています。

 加齢による脳の萎縮は、均等ではなく、前頭葉が最も早く萎縮することが分かっています。そのため、脳の老化の始まりは、感情の老化です。前頭葉が、感情や意欲、創造性などをつかさどっているからです。

 前頭葉が萎縮すると、イライラする、カッとする、意欲がなくなる、好奇心がなくなる、新しいことをしなくなる、落ち込むと立ち直りにくい、柔軟に考えることができない、などの症状が少しずつ出てきてしまいます。しかし、それを歳だから仕方ないと考えてしまいやすいのです。

 そのまま放っておいてはいけません。意欲が無くなり、身なりに構わなくなって老け込んでしまったり、おっくうで体を動かさなくなったりすると、全身の老化の引き金になってしまいます。気づいた時点で感情老化に抗う行動をとってゆけば、若々しく保つことも、楽しく働き続ける事も可能なのです。

 そのための日々心がけるマインドセットは、次の5つです。
1、自分が何をすれば楽しいのかを考え、楽しめるやり方を優先しましょう。

2、保守的に失敗しない結果だけを求めるのではなく、結果を求めずにやりたいことをやってみましょう。

3、行ったことのない店や場所に行ったり、食べたことのない食材を試したりしてみましょう。

4、新たなコミュニティに参加する、貯金の一部を投資に回すなど、心がハラハラ、ドキドキすることにトライしましょう。

5、女性は特に、恋愛すると、女性ホルモンが活性化し、感情が揺さぶられて前頭葉も活性化します。リアルでなくて良いので、アイドルや推しの擬似恋愛は抗老化に有効です。

 日々の暮らしの中で、楽しみを追求するやる気、感動やときめき、好奇心やチャレンジを忘れないことが重要です。若々しい人は、心に活気や意欲が満ち溢れた人であることは、皆様も同意いただけると思います。マンネリ化した生活に、どっぷりと浸かり、決まりきったことを続ける刺激のない生活は、脳を老化させてしまうのです。

 年を取るほど知能が下がるというのは誤解です。小金井市の70代を10年間追跡した調査ですが、結果として73歳の段階でも、動作性知能(目の前の要求に対応できるかという知能)は、平均で100を超えており、これは40~50代の水準とさほど変わりませんでした。

 記憶力に関しても、ドイツの心理学者・エビングハウスが、無意味な言葉の丸暗記から見出した忘却曲線で較べても、60代と20代で記憶力に大差はありません。人は暗記した後、20分後には42%を忘れ、1時間後には56%を忘れ、1日後には74%を忘れます。しかし、そこに年齢差は関係なかったのです。

 記憶しようと思ったことに関しては、何度も繰り返せば、覚えることができます。忘れる前に復習して繰り返せば、長期記憶に送られて、記憶に残ってゆくのです。しかし歳をとると、この繰り返すための意欲が低下しやすいのです。歳を取ると、若い時のように、受験や就職、結婚や出世などの目標が無くなり、勉強の動機も無くなるからです。

 人の身体と同様に、脳も使わなければ誰でも衰えます。50代からも自分の知りたいこと、深めたいことを勉強してゆきましょう。勉強の過程で自分が知らなかった世界を知ると、新たな目標や動機が出てくることも少なくありません。蒼野もブログで調べる作業が、面白くなってきています。

 そして脳を活性化してゆくには、やはり生活習慣が大事です。脳の環境を整えてゆけば、ニューロンの消失は最小限となるのです。70代、80代、そして90代の人でも、運動、食事、ストレス、睡眠、サプリメントの摂取などを工夫すれば、ニューロンの新生が起こります。

 その理由の一つが脳の血流の改善です。脳は体重の2%の重さしかないにも関わらず、循環する血液の15~20%を必要とする臓器です。酸素と栄養を含む血液を供給し続けることで、機能が保てるからです。脳血流が減れば、認知症の原因となる神経毒も溜まりやすくなります。

 脳血流に大きく影響するものがストレスです。特に慢性的なストレスは良くありません。ストレス状態では、首肩が硬く凝り、脳血流が減少します。コルチゾールが分泌され、海馬を始めとする脳萎縮を引き起こし、交感神経が興奮することで睡眠の質が低下します。扁桃体を刺激することで不安や焦燥が強くなり、集中力がなくなり、脳機能が低下します。

 コルチゾールで、食欲は増進し、糖質が欲しくなります。食生活は乱れ、体重も増加します。糖尿病リスクが増し、血圧も上昇します。動脈硬化が進むことで、さらに脳血流は低下します。一過性なら大丈夫なのですが、慢性ストレスとなると、脳への影響は不可逆的なものになりやすいのです。

 ストレスに対処するには、規則正しい生活リズムを保ち、毎日良い睡眠を続ける事です。早起きして、朝日を浴びながら、早歩きしましょう。運動によって、脳血流が増えるだけではなく、BDNFも分泌され、海馬や前頭葉のニューロンが増えてゆきます。楽しい、気分の良い時間を多くすれば、ストレスは消化されます。

 日中は胸を張って、背筋を伸ばして過ごしましょう。脳への血流が増え、気持ちも前向きになりやすいです。前向きな気持ちは、ストレスを減らしてくれます。姿勢の良い、溌剌とした高齢者は、やはり健康ですよね!

 抗酸化物質、フラボノイドなどは、脳血流を増やし、活性酸素を消してくれます。特にダークチョコレートは、記憶力や脳の反応速度を向上するという研究があります。糖化を防ぐことも重要です。血糖スパイクを作らないよう、糖質、炭水化物の摂りすぎにも注意しましょう。

 脳の老化は、人によって個人差がとても大きいのです。脳に良い生活をしている人は、何歳になっても、逆に脳細胞が増え、ニューロンが発達します。脳は取り替えのきかない臓器です。中年期以降、感情老化のサインに気付いたのなら、生活習慣の改善が必要です。

 これからも好奇心を満たすべく、毎日新しい事を学びながら、アウトプットを続けたい蒼野でした!

参考書籍: 「感情の老化」を防ぐ本     和田 秀樹

脳メンテナンス大全 最高のパフォーマンスを発揮させる方法 クリステン・ウィルミア

もし記事が良かったよ!と思われた方は蒼野健造公式ラインのボタンをポチッと押して、ご登録くださいね。ライン登録された方で希望される方は、オンライン面談での相談に乗りたいと思っております。