GI値とGL値!

2022/08/17

 今日は糖化を防ぐ知識の一つである、GI値、GL値について書きたいと思います。老化や、メタボリックシンドロームに代表される様々な生活習慣病を予防してゆくためには、糖化を防ぐ生活習慣がとても重要です。身体に大きな影響を与える糖化反応は、血糖スパイクによって生じるため、血糖スパイクを防ぐ食べ方を知っておく事が大切なのです。

 食べ物には食べると血糖値が上がりやすいものと、余り上がらないものがあります。糖そのものであるブドウ糖は、血糖値を最も上げる物質であり、ブドウ糖を50g摂取した時の、食後2時間までの血糖値‐時間曲線下面積を100として、糖質50gを含む食品を摂った時の血糖値‐時間曲線下面積の値をGI値(グリセミック・インデックス)と呼んでいます。

 ちょっと難しい判定法ですが、つまりGI値が高いということは、食べると直ぐに血糖値が急上昇するという意味で、血糖スパイクを作りやすい食べ物と言うことになります。しかしこれは調理法や、食べる順番、一緒に食べる物、一つ前の食事で食べた物などでも大きく変わる事が分かっています。血糖スパイクを防ぐ食べ方をしようと思ったら、これらを知っておくことが重要です。

 糖質50gを食べたときの血糖上昇の指標がGI値です。白米であれば小さな茶碗1杯ですが、ニンジンなら四本、イチゴだとすると37粒食べる必要があります。実際にそんなに食べる人は居ないはずなので、通常の食事で食べる量を考慮すると、GI値だけで考えるよりも、気をつけるべき食べ物が分かってきます。

  それがGL値(グリセミックロード)です。GL値=GI値×1人分の食事において各食材に含まれる炭水化物量(g)÷100で計算されるものとなります。こちらの値の方が実際に血糖スパイクを抑えて、糖化を防ぐためには有用な指標となるため、海外では主に使用されている指標となります。

 GL値は、10以下の食品を「低GL」、11~19を「中GL」、20以上を「高GL」と定義されています。カレーライスやパスタ、アイスなどは、GI値では中・低に該当している食品が、GL値になると量を食べてしまうため、高GL食品に該当します。

 白米や、ピザ、さつまいもやじゃがいもなどは、高GIでかつ高GL食品です。低~中GI食品にも関わらず、GL値が高い気をつけるべき食べ物は、カレーライス、アイスクリーム、玄米、マカロニ、パスタ、うどん、酢飯、スイートコーンなどです。確かに白米よりGI値が低くても、回転寿司に行くと酢飯はいつもの白米の量よりも食べてしまいやすいですよね。

 血糖値上昇の山が大きければ、インスリンが余計に分泌され、血糖はどんどん中性脂肪に変えられて、脂肪細胞内に蓄えられてゆきます。GL値の大きな食べ物を気をつけることで、体重コントロールは楽になり、生活習慣病の予防もできるはずです。しかし難しいのは、GL値も一定ではなく、GI値が変動すれば、一緒に変動するということです。

 結論としては、なるべくGI値が低くなる食べ方、組み合わせを知った上で、なるべくそれを実行する事です。GI値が下がればGL値も下がります。GL値が低いものを中心に、我慢し続けること無く、満足できるまでゆっくり食べる事が、糖化ストレスを低下させ、続けやすい方法になると思います。

 今までも書いてきていますが、おさらいの意味も込めて、GI値が低くなる食べ方について説明します。まずは食べる順番です。ベジファースト、カーボラストです。先に食物繊維をしっかり摂っておくと、糖質の吸収はゆっくりとなり、血糖のピークは低くなります。

 バーミンガム大学の研究では、過体重で減量希望の被験者が1日3回、食事の30分前に水を500ml飲んでおいたグループでは、食事摂取量が抑えられ、12週後に体重が4.3kg減っていました1)。水分摂取によって血糖値は下がり、消化管の蠕動運動も促進される事が判明しているので、やってみる価値がありそうです。

 調理法もGI値、G L値に影響します。たとえばじゃがいもは、GI値はゆでると49、フライドポテトにすると70と大きく変わります。茹でたり蒸したりする調理法がGI値を下げる必殺技です。また同じご飯でも、暖かいよりも冷たい方がGI値が下がります。デンプンが難消化性デキストリンに変化するためです。

 白米よりも玄米が良い、白いパンより全粒粉のパンが良いと言われます。食物繊維が多くなるため、確かにGI値も違うのですが、その分たくさん食べればGL値は変わらなくなります。主食を玄米に変えても、丼飯で食べないよう、注意が必要です。

 食べ物の組み合わせでは、脂肪分やタンパク質を組み合わせた方がGI値が下がります。例えば同じ量であれば、白ごはんよりも卵かけご飯の方が、焼いただけのトーストよりも、バターたっぷりのトーストの方が、GI値が下がるため痩せやすいと言えるのです。

 同じ糖質量であれば、おはぎよりもショートケーキの方が、カレーよりも焼きチーズカレーの方が、ラーメンライスよりもラーメン炒飯の方が、食事の時の飲み物なら、お茶よりも牛乳の方がGI値は下がるため、太りにくいと言えます。こう書くと、ちょっと信じられない感じですよね!

 炭水化物を、脂肪やタンパク質を一緒に摂ることで、消化吸収が遅くなり、血糖ピークは低くなるのです。だからと言って、カツ丼や天丼が良いかと言われたら、ご飯の量自体が多くなってしまうため、意味がありません。丼ものなどは、蒼野も豪快にかきこみたくなり、主食の量が多くなる食べ物です。

 短時間に食べることでもスパイクは起こりやすくなるので、ゆっくり食べることが重要ですね! 20分以内に食べてしまうと、レプチンが満腹を伝える前に食べ過ぎてしまいます。一口ずつ味わいながら、しっかり噛んで食べましょう。食事に集中して、味、香り、食感などを楽しみながら食べましょう。

 スマホやテレビなどを見ながらの食事は、よく噛まずに飲み込みやすくなります。食事時間も短くなりがちになりますし、食べ過ぎてしまいやすい習慣です。蒼野も最近は、食事に集中する意識を持ちながら食べてみています。すると今日は、お弁当のトマトの甘さに感動しました。

 朝食を食べた方が良いのか、抜いた方が良いのかは、人によって正解が違う様に思います。ただ朝食を抜くと、昼に糖質を食べた時に血糖値が上がりやすくなることが分かっています。朝ワカメやキノコの入った味噌汁に、麦ご飯などで食事を済ませておくと、昼食後の血糖ピークが下がり、3食食べても痩せやすくなります。

 これは「セカンドミール効果」と呼ばれ、最初の食事に発酵性の食物繊維を摂ると、その食事だけではなく、次の食事をとった後の血糖値の上昇を抑えることができるのです。昼に市販のお弁当や、麺類、丼物などを摂る人は、朝食を抜くと、昼食後の血糖スパイクの影響が大きくなり、断食しているのに痩せない、かえって太ったなどということに繋がります。

 もし16時間断食などで抜く場合には、昼食の糖質量は40g以下に抑える必要があります。昼に食物繊維豊富な食事にすることで、夜はある程度自由に食べても、セカンドミール効果で、血糖スパイクが抑えやすくなります。 

 ある程度緩めの糖質制限でも、血糖スパイクを防ぎながら過ごすことが出来れば、糖化が進まず、生活習慣病が予防できそうですよね! 和菓子よりも、小さめの洋菓子の方が太らないと聞いて、楽しみが増えた蒼野でした。

参考文献:

1)A bottle of water before each meal could help in weight reduction, researchers say: University of Birmingham.  Published 26 August 2015

参考書籍: やせたい人はカロリー制限をやめなさい   益江 毅

年間5万人を健康指導する医者が20年間実践してきた食べながらやせるダイエット法

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