冷たい飲み物は身体に悪い!?

2022/11/08

 蒼野は病院勤務なので、毎朝体温を測ります。朝通勤の地下鉄を2~3駅前で降りて、朝散歩した後、職場近くのコンビニでコーヒーを買うのが日課になっています。最近、寒くなってからの体温が、夏に比べて0.1~0.3度くらい高いのに気づきました。普通に考えたら逆になりそうですよね!

 よく考えてみると、汗をかきながら歩いていたときはアイスコーヒーだったのが、最近はずっとホットコーヒーを飲んでいることが原因なのではと思い当たりました。冷たい飲み物を飲むだけで体温って変わるんだと実感したので、今日は健康への影響を調べて見る事にしました。

 昨日も書きましたが、全身の血流は健康に直結します。身体中の細胞に十分な栄養や酸素が届き、老廃物が排出出来れば、細胞が元気になるのは当然だからです。体温が低くなれば血管は収縮します。つまり血流が悪くなるという事です。

 寒くなって身体の表面の血管が収縮するのは、熱を逃さないために必要な事です。また保温効果のある皮下脂肪によって、熱の伝導が抑えられ、体内の温度は一定に保たれるように出来ているのです。様々な代謝や反応が至適温度で行われるように、ホメオスタシスが働いています。

 冷たいものを飲むと、消化管の中で身体の熱を奪います。体温が1℃下がると、免疫力が30%低下するというのは有名な話ですよね! また体温が1℃下がると、基礎代謝も10~12%低下する事が分かっています。消化管の周囲の血管も収縮してしまうため、消化管自体の動きや、栄養の吸収にも影響が出るのです。

 冷たいものでお腹を壊すことも無かったので、蒼野は今まで気にせずに冷たいものをガブガブ飲んでいました。いや昨日まで、毎晩夕食の時に庭で穫れたレモンを絞って氷と炭酸水と一緒に飲んでいたのです。ちょっと考え直す必要がある事に気づきました。

 特に女性は、男性に比べて皮下脂肪が多いため、身体の中から冷やしてしまうと、魔法瓶のように脂肪が熱を遮ってしまい、冷えた状態が続きやすくなってしまいます。元々筋肉量も少ない女性は熱を作りにくく、冷え性の人も多いのです。冷え性を自認する人は、冷たくても常温、出来れば温かい飲み物をチョイスするのが良さそうです。

 内臓に冷えを感じる事が多くなると、内臓の保温のために周囲の内臓脂肪を増やそうとしてしまいます。冷たいものを飲むと、血流が悪くなり、代謝が悪くなって痩せにくい上、内臓脂肪が増えて、ぽっこりお腹になりやすいという事になってしまいます。消化が悪くなって、栄養の吸収も悪くなる上、免疫力が下がるのです。

 冬でもビールは美味しいですし、こたつで食べるアイスも最高ですが、ちょっと考えないといけませんね! 年末年始のイベントも多く、冬服で体型も気になりにくいこの時期ですので、ダイエットにマイナスになる冷たい飲み物は、毎日は飲まないようにした方が良さそうです。

 10℃以下の冷たい水の吸収は早くなるそうです。ですから運動直後や、熱くなった身体を冷やしたい時には有効です。常温の水は15~25℃、体温の37℃と比べればそれでも冷たく、吸収速度は中程度です。しかし常温程度であれば、身体に与える影響は少ないため、日常的な水分補給に勧められています。温かいもので1日1.5~2Lもは、なかなか飲めませんものね!

 温かい水分は、胃腸への負担は最も少ないですが、吸収速度は遅くなります。冷え性の人や寝る前などには適している水分補給だと思います。朝晩冷えてきていますので、寒くなって風邪(コロナ、インフルエンザ)を引かないためにも、飲み物の温度には注意しましょう。

 「キレイな女性は夏でも冷たい飲み物を飲まない」という話があるそうです。歳を重ねても綺麗なキャビンアテンダントさんは、冷たいお茶やお水に機内のホットウォーターサーバーから熱湯を注いで飲んでいるという記事を目にしました。

 冷たい飲み物で血流が悪くなると、消化管が弱りやすく、栄養の吸収が悪くなり、代謝も悪くなるので、肌や髪にも栄養不足や血流不足の影響が出やすくなります。便秘にもつながりやすく、顔色が悪くなったり、クマが目立ったりと、美容に影響するのも納得できます。太りやすくもなるため、確かに美容には大敵なのかもしれません。

 夏はついつい冷たい物が食べたくなったり、飲みたくなったりしますが、それが夏バテに拍車をかける事になります。内臓が冷えて代謝が悪くなり、栄養の消化吸収も悪くなります。老廃物も排出されにくくなるため、身体がだるくなってしまうのです。蒼野も来年の夏は冷たいものを減らしてみようと思います。

 西洋薬には身体を温める薬はありませんが、漢方にはあります。生薬で言えば乾姜、附子、桂皮、細辛、呉茱萸などになります。生姜を蒸して乾燥したものが乾姜ですが、生姜は温熱性の食材としても有名ですよね! 蒼野の経験でも、冷えが気になる人は、漢方を飲むことで、身体がポカポカと温まり、様々な愁訴が改善する人は多いです。

 もちろん冷えにもタイプがあるので、合う漢方を選ぶ必要があります。主には栄養不足や筋肉不足で華奢なタイプに多い、熱が生み出せない冷え性と、食生活や運動不足、睡眠不足やストレスなどの生活習慣の乱れから、熱が身体の中でうまく循環していない冷え性のタイプの二通りがあります。

 簡単な解説にはなりますが、体力の低下で冷えるタイプには補中益気湯や、年配の方には八味地黄丸が合いやすいです。貧血なども加わりもっと弱っているタイプには十全大補湯や人参養栄湯、線の細い美人タイプなら当帰芍薬散が合いやすいと思います。とにかく冷える、霜焼けが毎年できる人には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯が、温め効果マックスです。

 ストレスが多く循環が滞った人の中で、メンタルが悪化している人の冷え性には、半夏厚朴湯や桂枝加竜骨牡蛎湯、抑肝散加陳皮半夏などが使われます。特に血流が悪くなっていて、顔は熱いけど、四肢が冷たいような冷えのぼせの冷え性には、桂枝茯苓丸や加味逍遙散が使われます。不調で毎日が辛い人は、うまく漢方が合えば、びっくりするくらい楽になる人がいるので、是非薬局で相談したり、漢方内科を受診したりしてみて下さい。

 食材としては、これからの時期、生姜を利用しましょう。生の生姜に含まれる、ジンゲロールが乾燥や加熱によってショウガオールという成分に変化して、身体を深部から温めてくれます。代謝も良くなり、内臓脂肪の減少にもつながりますので、生姜料理の頻度を増やしてみましょう。生やチューブ生姜ではショウガオールは少ないので、加熱して摂りましょう。その他にも唐辛子などを始めとして、たくさん温熱性の食材がありますので、食卓に加えて下さいね!

 まずは冷たい飲み物を常温に変えることからですね! 今まで意識したことが無かったので、蒼野自身で人体実験してみたいと思います。今日から氷無しのレモン炭酸を飲む蒼野でした。

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