「隠れ我慢」の対処法!

2022/11/16

 コロナも第8波が始まりつつある感じがする今日この頃ですね。周囲を見ていても、自分自身も、ここ2年我慢することが多かったように思います。皆様もそうですよね!今後患者数が増えても、国としての宣言は出ないかもしれませんが、各自治体の判断によってはまた我慢することが増えるかもしれませんね!

 今日は「隠れ我慢調査」というページを目にして、我慢しすぎるのは、健康にとって、やはり問題だと思ったので、皆様にもシェアしたいと思います。全国の20代∼50代の⼥性10,000⼈に聞いた日常生活の中での我慢の実態のお話です。

 日本人は頑張り屋です。特にお母さんは頑張らざるを得ない立場に居られるのかもしれません。様々な不調を我慢して仕事や家事をすることがある方は79.2%です。日常的に我慢している人が8割も居られるのです! 特に我慢しているのは20代、30代のまだ無理の効く若い世代です。

 不調の内容は、疲れ・だるさが23.8%、イライラ感が16.2%、不安感が15.6%、PMSが13.7%。後は10~11%で睡眠トラブル、冷え、頭痛、生理痛、便秘、よくわからない不調などが続きます。不調を我慢しすぎて、体調まで悪くなった事のある人は61.4%おられ、無理をした後1週間も休職したり、急性胃腸炎になったり、救急搬送されたりした経験を訴えられています。

 我慢し続けると、身体も脳も疲労してしまいます。これは3段階のモデルで考えると理解しやすいようです。生活は土手を歩いているイメージです。疲れていなければ土手の頂上を歩いている状態です。疲れるようなストレスやショックなことが起こっても耐えられます。

 1段階目の疲労は少し土手から下のなだらかな斜面を土手に沿って歩いている、通常疲労のレベルです。さらなるストレスやショックが起こっても、なんとか立て直すことができます。2段階目の疲労はその下の急な斜面を歩いている感じです。更なる力が加われば、土手の下に転落しやすい状態です。回復するには2倍の労力と時間がかかる状態です。

 そして3段階目の立っているのもやっとの急斜面にまで疲労してしまうと、何かあった時の回復の労力と時間は3倍になっています。回復が難しいことも多く、「仕事を辞めたい」「いなくなりたい」「死にたい」というような心理状態になることも稀ではありません。

 周囲に気を遣って、疲労していることを周囲に相談できないまま無理をする人が多いのです。「隠れ我慢」をしているとき、誰かに相談できる人は47.1%でした。古い社会制度では、女性の仕事の分担は多く、それが当たり前とされて、評価されにくいことが影響しています。

 我慢というのは、ある刺激に対して自分の欲求を押し殺すことで環境に適応していく対処法です。我慢することは辛いですが、実際に現実問題に上手に対応できますし、うまくいけば、自分の自信や成長に繋がります。第一段階の「できる我慢」程度なら、やってみる価値があるのです。

 しかし「できない我慢」は危険です。職場では、生理的な心身の不調や、家庭の事情を説明しにくい慣例はまだまだ残っています。説明を試みても理解してもらえなければ、黙って我慢したほうが楽だと思ってしまうのです。特に日本人は自己主張できる人は少ない民族です。我慢の期間が短ければ、まだ疲労度は少なく問題にならないことが多いです。

 しかしこのコロナ禍は、さらに余計な我慢も重なっており、しかも長期間にわたる我慢で、体調やメンタルの不調につながっている人が多くなっています。周囲や社会が変わるを待つのは現実的ではありません。自分で対処するしかないのです。一人で不調を抱えて我慢するのは、悪循環にはまってしまい、どうにもならない状態になってしまう可能性があります。

 実際に、コロナ禍での自殺率は増えています。旭川医科大学と北海道大学の研究で、パンデミック前(2016年1月~2020年3月)と、パンデミック発生後(2020年4月~2021年12月)での、自殺率の推移の変化が報告されています。パンデミック期間の自殺の過剰死亡の推定値を算出したところ、過剰死亡数は男性1,208人、女性で1,825人も増えていました。

 とくに過剰死亡数が多かったのは、男性の20~29歳(自殺者数2,740人、過剰死亡数466人)、40~49歳(3,901人、423人)、女性の30~39歳(1,277人、421人)、60~69歳(1,538人、396人)、20~29歳(1,469人、352人)でした。無理を強いられる若い世代の自殺が増えているのは、悲しい現実です。

 また2021年に過度の飲酒によるアルコール性肝疾患で死亡した人は6016人で、1996年の2.5倍に増えたことが厚生労働省の調査でわかっています。国内の酒類の消費量は右肩下がりで、2020年度は1992年と比べると3割減っています。しかし1日あたり20gのアルコール量を超える、過度の飲酒をする女性の割合は増加傾向にあり、コロナ禍のストレスから酒量が増えている人も多いと推測されます。

 「隠れ我慢」の対処法は、まず何に我慢しているのかをはっきりさせる事です。日常的にいつも我慢していると、それが当たり前になり、我慢していることにも気付けなくなります。気付かないうちに我慢していて、疲労が溜まってゆくのは危険なことです。自分の不調の原因が分からなくなるからです。

 自分の中の嫌な感情や、違和感をアウトプットしましょう。紙に書くだけでも変わってきます。言語化することで問題に気づくことが出来ます。我慢した方が上手くいく我慢なら、敢えてする価値があります。我慢することが当たり前になって、自分にも他人にもメリットがない我慢はする必要はありません。

 我慢による疲労が溜まり、第2段階~第3段階に差し掛かっているような我慢は、一人で抱え込まずに、共有する仲間を持つことが本当に重要です。根本的な解決にならなくても、人に話すだけでガスが抜けて、気持ちも楽になります。違う人の目から見たら、違った解決策も出てくるかもしれません。

 リアルでもネットでも、無料電話相談でも良いので、一人だけで悩まずに、「隠れ我慢」の苦痛を共有してもらえる人を探しましょう。女性は孤立するとさらに不安がつのります。特に経験が浅い若い人は、声をあげて助けを求める勇気を持つことが本当に重要だと思います。

 もちろん女性に限らず、男性も自分の気持ちに気付ける時間を持って欲しいです。周囲に訴えて折り合いをつけてゆく経験を重ねることは、人生にとって必要不可欠な技術の一つです。ストレスをやり過ごせるようになることは健康にとって、本当に大きな要素です。

 疲れや元気が無い時に使える漢方薬もあります。メンタルが低下している時に使える物もあるのです。土手から転落する前にできる事は沢山あります。自分がどのあたりを我慢して歩いているのかを自覚して、時にはしっかり休むという選択をしてゆきましょう。

 コロナはまだまだ続きます。インフルもここ2年半で一番の立ち上がりを見せているようです。疲れて免疫力が下がらないように、自分の我慢を意識しながら、ストレスを消化してゆきましょう! 生活習慣を整えながら、やりたいことは我慢せずにやって行こうと思う蒼野でした。

参考ページ: 隠れ我慢調査  https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/survey/

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