今日のブログは初めての読書感想文です。最近読んだ本で、これからの人生にすごく役に立つと実感できた『言語化の魔力』について感じたことを書きたいと思います。尊敬する精神科医の樺沢紫苑先生が書かれた渾身の一冊です。
実は蒼野は現在大きな悩みはありません。この本は究極の「悩み」解消本と帯に書かれていています。悩みがないのに、どうして凄いと思ったのかと言うと、交通事故の後、自分自身が悩んで、落ち込んだ時期から、立ち直れたそのメカニズムがそのまま言語化されていたからです。
忘れもしない2020年10月14日、蒼野は自転車通勤で快調に下り坂を走っていました。2列の渋滞の左端を走っていたのですが、今まで一度も遭遇したことのない、駐車場に入ろうとした右折車が不意に数m前に現れ道路を遮ったため、反射的にブレーキを引きました。下り坂だったためにジャックナイフ現象が生じ、次の瞬間には自転車ごと宙に飛んで回転し、頭頂部からアスファルトに叩きつけられていました。
凄い衝撃でしたが、痛みはそれほど感じませんでした。直後から視界の全てが二重に見えて、何が起こったのか分かりませんでした。起きようとしたけど起きれず、自分の周りには血の海が出来ていました。間も無く救急車がやってきて、病院に運ばれ、頭部CTを撮影しました。
クリニックと連携していた病院だったので、自分が脳外科医であることが知られていたため、CTを見せられました。頭蓋骨は割れていて硬膜外に血が溜まっており、経験上さらに大きくなると思ったため手術をお願いしました。割れた頭蓋骨で硬膜の動脈が切れており、後になって手術して良かったと主治医の先生からお聞きしました。
九死に一生を得た蒼野でしたが、右眼が真ん中より外には動かなくなっていました。右の外転神経は、その後の検査で切断はしていないのが分かり、全力で元に戻すべく、リハビリしようと決意しました。片目で見れば一つですが、すぐに疲れてしまいます。しばらくは日常生活で気分良く過ごせる時間はほとんどありませんでした。
仕事もすぐには難しく、一人しかいないクリニックの院長でしたので、大いに迷惑もかけました。神経の損傷は、もし治るにしても時間が掛かることは分かっていました。それまで大好きだったゴルフも自転車も、車の運転さえ出来なくなりました。事故の後悔と、未来への不安、現在の気持ち悪さも相まって、悩む要素満載の日々だったのです。
クリニックの方も完全な回復を待ってくれると言う選択は無く、12月末には次の院長を決めたと言われ、1月から3月までは半日勤務となり、その後は実質首を切られることになりました。「もうお前は役に立たない人間だ!」と言われた気がしました。辛い、苦しい、これからどうしよう。眼が治らないとどうしようもないという考えが頭の中でぐるぐる回っていました。
でもそれまで、沢山の患者様の悩みとも付き合ってきて、人にも自分にも言っていた言葉を思い出し、開き直ることにしました。「過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる」と言う言葉です。もう一つ「人生には超えられない問題はやって来ない。それを超えると大きく成長できる!」と言う言葉も思い出しました。
自分の今出来ることしか出来ないし、出来ることを最大限頑張って、その結果はなる様にしかならないと思える様になると、気持ちが楽になって安定してきました。神経の回復に悪いということで、それまで毎日飲んでいたお酒を止めました。弱った体力を戻すために、半日働いた後は、クリニックから自宅まで毎日7kmを歩いて帰りました。
余った時間に本を読みました。これからの仕事を見直す機会にもなったので、「全身の健康をプロデュースする仕事をしよう」というコミュニティにも参加することを決めました。そしてその頃、蒼野を救ってくれたのが、樺沢紫苑先生の『3つの幸福』という本でした。
身体が元気になることで、「生きていて良かった!」とセロトニンの幸福を感じる事ができました。退院後ふらふらめまいがしていた蒼野の手を繋いで、散歩に連れて行ってくれた妻や、娘に深く感謝する事が出来て、オキシトシンの幸福を感じることもできました。全身の健康をプロデュースする仕事をやってみようと毎日努力することで、少しずつ出来なかった事が出来る様になり、ドーパミン的な幸福も感じる事が出来ました。
お蔭様で、半年後には複視はある程度まで改善し、左半分なら数メートル先までは一つに見える様になってきました。独眼流政宗みたいに片目に黒い眼帯をして過ごさなくても良くなったのです。そして気がついてみると、3つの幸福は全て手に入っていて、おかしな話なのですが、事故のおかげで蒼野は以前よりも幸福になっていました。
人生を救ってもらった樺沢先生の考え方は、全部知りたいと思っています。そして今回読んだ本が『言語化の魔力』です。そこには蒼野の悩みが解消された過程、3つの軸が変わることによって解決法が導き出された事が、そのまま書かれていて、当時は言語化できなかった悩まなくなった理由を、ちゃんと理解することが出来たのです。
まずはコントロール軸です。事故直後は、失くしてしまったものの大きさで本当に落ち込みました。しかし悩み続けるのが嫌で、苦しいので、どうにもならないことは無視することにしました。そして治る確率を上げることをしてゆこうという考えに至りました。これは「コントロール感がある日々を送ると悩みは消える」と書いてあることそのものでした。やれることをやれる範囲でやってゆくということです。
次は時間軸です。入院中はベッドの上で、歩道の中をゆっくり走っていれば良かったとか、ヘルメットを被っていれば良かったなどと、後悔が頭の中を駆け巡っていました。これからちゃんと仕事もできるのだろうかとの不安も強かったです。日常の生活に戻る過程で、命があったのだから、今出来ることをしてゆけば、何とでもなると思える様になりました。今に注目すれば、悩みは消えたのです。
そして自分軸です。元々患者様に寄り添うために、「過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる」という言葉はよく使っていました。もし事故に遭わなかったらと思わない訳ではありませんが、過去は変えられません。首にならなければ今の自分も無かったのです。その言葉の意味が本当に身に沁みて分かった気がします。未来は自分次第です!
蒼野は事故のお陰で視点が変わりました。A型なので事故までは完璧な自分を目指していました。出来ない事が増えたおかげで、人に頼ることも覚えつつあります。0/100思考も手放しました。毎日日記とブログを書く様になって、自分の気持ちにも気付ける様になりました。
そして悩みが消える究極の方法まで、手に入れています。『あきらめる』『手放す』『自分に何が出来るかを考え、周りの人を喜ばす』です。自分から進んでという訳ではなく、事故で否応なしにではありますが、ゴルフに行くのも、車に乗るのも諦めました。一生に一度手に入れたかったベンツやポルシェの夢も手放しました。
するとお金も沢山は必要ないので、とても楽になりました。ゴルフ場で知り合いの車と張り合う必要もないのです。今はブログを書いたり、健康情報を周囲に話したりして喜ばれると、本当に嬉しく感じます。この本で悩みの対処法が、はっきりと言語化できたので、これから自分の体験も踏まえて、誰かの悩みの解決に役に立てれば良いなあと思っています。
『言語化の魔力』の内容が実体験できて、これから何が起こっても悩まずに済むと思っている蒼野です。この本の根底には、樺沢先生の、「メンタル疾患の悩みを解決し、自殺する人を減らしたい!」という強い思いを感じます。本には様々な具体的なアドバイスも書かれています。もし辛い日々を送っている方がおられるのなら、ぜひご一読頂きたい素晴らしい本でした。
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