先日患者様に、「いつ運動するのが一番良いですか?」と質問され、即答できなかったため今日は運動の最適時刻について調べてみました。運動はいつ行っても身体には良いのですが、運動する最適時間は男女で違っていたりもする様です。それではいってみましょう!
ニューヨーク州スキッドモア大学の研究からです。健康で標準体重で活動的な25~55歳の男性30人、女性26人を、12週間様々な運動プログラムを行ってもらい、血圧と体脂肪の推移と、開始前と終了時の柔軟性、筋力、有酸素運動能力について測定しました。運動はストレッチや筋トレ、持久力トレーニングです。朝8時半までに行うグループと、夕方18時~20時に同じ運動を行うグループに分けて測定しました。
体脂肪と血圧の変化から言えば、女性の場合は午前中に運動を行う方が、午後のグループよりも変化は大きくなりました。一方男性の場合には、午前と午後の運動ではどちらも体力が増強しており、その有効性には差が見られませんでした。女性は朝の運動が内臓脂肪が減りやすく、血圧も下がりやすいという結果になりました1)。
運動は、1日のうちいつ行っても身体に良い影響があるのですが、避けるべき時間は存在します。食後30分以内や極端な空腹時に、過度な運動を行うと、食べ物の消化吸収のための消化管への血流が悪くなり消化不良につながる可能性があります。
空腹時には、血糖値が下がっていることが多く、運動のためのすぐに使える糖質エネルギーが不足した状態です。グリコーゲンを使い果たしてしまえば、体脂肪からのエネルギーが出てくるまでの時間は、筋肉などのタンパク質から糖新生も盛んになってしまいます。つまり運動しているのに筋肉が減ってしまうということです。これは勿体無いですね!
事故の後から蒼野は、車に乗れなくなったこともあって、毎日歩く距離一気に増えたのですが、痩せてゆく一方で筋肉がつかない事を不思議に思っていました。断食や糖質制限も行っていたので、今考えるとちょこちょこ筋肉が、エネルギーとして使われてしまったのだと思います。
エネルギー不足で激しい運動を行うと、人によっては低血糖で倒れそうになったり、注意力が落ちて怪我をしたりというリスクも考えられるので、バナナやプロテインなどで少し補給してから行う方が安全だと思います。
現代人の生活では、朝活時間に運動するか、仕事が終わってからという人が多くなりそうです。朝の運動は、脳が活性化しやすく、1日の基礎代謝が上がりやすくなるため、特に女性にお勧めです。自律神経は、ぐっすり眠っている時には副交感神経ですが、朝にかけて徐々に交感神経が優位になります、運動で交感神経をスタートダッシュさせると、代謝が上がり、よりカロリーを消費してくれます。概日リズムが補正され、体内の様々な代謝もスムーズになるのです。
また朝の時間は、毎日決めて取りやすいということも、運動を習慣にする上では大きなメリットです。夕方~夜に、仕事が終わってやろうと思っていても、忙しくて疲れてしまったり、予定がずれ込んだり、誰かに誘われたりすると、どうしても出来ないものです。蒼野も忙しかったり、ブログが書けていなかったりすると、通勤の歩行はできていても、筋トレをサボってしまうことが多いです。
ただ朝運動をする場合には、いきなりギアを上げてしまうと、身体も脳もまだ目覚めていないために怪我が起こりやすくなります。寝ている間に使わなかった筋肉が硬くなっっているからです。筋トレなどは、十分なウォーミングアップや水分摂取を行ってから始めましょう。
お勧めはベッドの上のストレッチからです。蒼野も、背伸びから足首を動かし、猫のポーズや、正座から後ろに倒れて太ももと足首伸ばし、前後の開脚で腸腰筋を伸ばしてから、ベッドサイドで片足を膝に乗せて前屈してお尻を伸ばします。しゃがんでから前屈したまま、膝を伸ばしてアキレス腱から足裏をしっかり伸ばします。立ち上がって肩回しと身体回ししてから、冷水シャワーに向かうというのが朝のルーチンです。
寝坊しなければ、その後スクワットや、腕立てするのが良いのでしょうね! 最近帰ってからの筋トレをサボりがちなので、朝にできる様に、生活を組み直して見ます。筋トレが苦手な方は、ラジオ体操が良いです。YouTubeにもあるので便利です。国民の健康保持と増進のために考えられた運動ですので、続けていたら思わぬ効果が実感できるはずです。
ベッドでのストレッチとテレビを見ながらのスクワットや、歯磨きしながらのスクワットだけでも良いので、まず膝や腰などを痛めないように、正しい姿勢、やり方をマスターした上で、朝の運動を取り入れて見ましょう。
夜の運動のもいくつか注意が必要です。就寝直前は、激しい運動で交感神経が昂ってしまうと、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が下がったりしやすくなります。睡眠が良くなる運動時間は就寝3時間前です。運動で体温が上がると、就寝時に下がりやすくなり、気持ちよく眠れます。
また夕食の直前の運動は、バルクアップには良いのですが、ダイエット目的であれば、脂肪燃焼時間が少なくなるため、運動後は水分を摂ってクールダウンし、食べるまでに30分くらいは置きたいところです、また運動直後に食べると、必要以上に食べてしまいやすくなるので注意が必要です。
昼のスキマ時間運動も、仕事の能率の維持や、肩こりの予防、全身の血流改善などのためにぜひ行って欲しいものになります。デスクワーカーであれば、座りすぎで寿命を縮めないために、1時間に1回、10m歩く、立ち上がって肩を回し体を回す(頭痛体操)などを意識しましょう。青野は、少し遠いトイレに行ったり、誰もいないエレベーターに乗ったら必ずハンズアップスクワットをすると決めています。
蒼野の愛読書である『脳を鍛えるには運動しかない!』でも、朝0時限目に運動することに決めた高校では、運動した生徒の成績が爆上がりし、生徒全体の平均点で競う、世界で23万人が参加するTIMSSという調査で理科では世界1位、数学で世界6位になったことが紹介されています。
コツは高校生の心拍数が185以上に上がるようにランニングすることです。心拍数が上がる有酸素運動は、BDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌が効率よく上昇し、脳が発達するのです。朝なので疲れるまで運動するとその後のパフォーマンスが下がってしまうので、我々の場合は、少しドキドキするくらいの運動を朝行うと、仕事が捗り、脳が発達して、自分の夢の実現の助けになるはずです。
ということで、運動はできる時間にすることで、しないよりも絶対良いけれど、可能であれば朝活時間を設けて定期的に運動したり、通勤時間に速足で歩いたり、走ったりするのがベストではないかと提案します。自分の脈を測るために、アップルウォッチが欲しくなってしまった蒼野でした。
参考文献:
1)Morning Exercise Reduces Abdominal Fat and Blood Pressure in Women; Evening Exercise Increases Muscular Performance in Women and Lowers Blood Pressure in Men. ; Front Physiol. 2022 May 31. DOI: 10.3389/fphys.2022.893783
参考書籍: 脳を鍛えるには運動しかない! ジョン・J・レイティ
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