今日から通常モードの健康ブログに戻ります。今日は白髪のお話です。見た目の若さは、メンタルにも影響し、おしゃれをしただけでも若返る健康効果が期待できます。蒼野は怪我で手術した右頭部に白髪が目立つ様になりました。血流の問題があると思うのですが、対策を立てるために白髪について調べてみることにしました。
髪の毛は元々白い物なのですが、成長の過程で毛根にある色素細胞(メラノサイト)が作るメラニンという黒い色素を取り込む事で黒髪になります。メラノサイトの働きが衰えると、メラニンの産生が低下してしまい、髪の毛が白いまま生えてきます。これが白髪です。
メラニンの産生が低下する原因としては次の様なものが挙げられます。①加齢 ②遺伝 ③栄養不足 ④血流不足 ⑤ストレス ⑥睡眠不足 ⑦運動不足 ⑧姿勢 ⑨喫煙や飲酒 ⑩紫外線や塩素、などになります。それでは一つ一つ見てゆきましょう!
まず加齢です。通常白髪が現われ始める年齢は35歳前後と言われていますが、個人差は大きいです。さまざまな要因で、メラノサイトが衰えやすくなるのがこの年代なのだと思います。髪の半分以上が白髪になるのは55歳ごろと言われています。
10代~20代で白髪が出始める「若白髪」は、遺伝的な要因が強いと言われています。しかし最近増加傾向にあるのは、現代の生活環境や生活習慣の影響がそのベースにあるからです。「白髪になる人ははげない」という俗説がありますが、遺伝的にも医学的にも関係はなく、根拠は無い様です。メラニンを毛母細胞に送り出せない体質や色素を生成しにくい体質は遺伝しやすいのです。
栄養は大きな問題です。メラニン色素の原料はチロシンというアミノ酸で、フェニルアラニンから作られます。加工食品やファーストフードなど、手軽に食べられる物が多いと、糖質過多になることが多く、どうしてもタンパク質は不足してしまいます。動物性と植物性のタンパク質を、バランスよく十分摂取することが重要です。
特にチロシンやその材料となるフェニルアラニンは、チーズや魚、大豆製品、ナッツ類、お麩などに多く含まれます。体内の栄養たっぷりの血液を作るのは腸の仕事です。玄米を主食にして、食物繊維を増やし、メラノサイトを活性化するビタミンB12をいつも補給しておくと良いです。チロシンを含むバナナをおやつにするのもオススメです。
また髪の毛にメラニンが送り込まれるためには、ミネラルが必要です。髪の毛自体のタンパク質の合成にも関わりますし、メラノサイトの活性化にも必要なのです。特に必要なのは亜鉛と鉄です。加工食品に含まれる化学物質が多いと、ビタミンやミネラルはその代謝に使われてしまい、髪に回って来ません。コンビニやお菓子やカップ麺は減らし、手作りの料理を増やす事が重要です。
血糖スパイクができる様な食べ物や食べ方によって、体内の炎症や糖化反応が進行します。髪の毛はタンパク質なので、糖化の影響は重大です。パンや麺類、カレー、丼物などで毎日お昼を済ませているともちろんメタボリスクも高くなりますし、糖化によって頭皮の老化も進みます。ベジファーストで定食を食べましょう。甘い飲み物は飲まないよう気をつけましょう。
頭皮の老化を進める酸化に関しても、体内の活性酸素を中和してくれる抗酸化物質の摂取を心がけましょう。活性酸素の一つである過酸化水素はメラニンを生成する「チロシナーゼ」という酵素の形成を阻害する作用があります。ビタミンA、C、Eやポリフェノールを積極的に摂ってください。
頭皮の血流もポイントです。毛根にしっかりと栄養が血流で届けられる事が重要です。動脈硬化は関係しますし、ストレスや喫煙でも血管は細くなり、血流が悪くなります。血流が確保できていても、貧血があるとメラノサイトへの酸素供給が低下します。特に女性は、鉄をしっかり摂取して、貧血を予防してゆくことも重要です。首が凝ると頭皮への血流も悪くなるので、運動不足や長時間のスマホ、悪い姿勢等が影響します。
ストレスで髪の毛が真っ白になるというのは、処刑前のマリーアントワネットや、明日のジョーのホセ・メンドーサなどでも描かれていますが、数時間で白くなるというのは医学的にはあり得ません。ストレスホルモンの影響により、頭皮の血流が悪くなりますし、強いストレスによって体内で過酸化水素が大量に発生することもストレスによる、白髪の原因になります。
また論文でもストレスで白髪が増える原因の一つが証明されました。2020年のハーバード大学の動物実験で、強いストレスでノルアドレナリンが分泌されると、毛包にある色素幹細胞が過剰に活性化して、メラノサイトに変化します。ストレスが続けば、色素幹細胞が枯渇してしまって、メラノサイトも作れなくなる為、メラニンの供給が減少して白髪が増えることが分かったのです1)。
睡眠や規則正しい生活は、白髪を予防するためにとても重要です。体内時計に従って自律神経をコントロールすることは、ストレスの影響を軽減してくれます。頭皮の改善に必要な成長ホルモンをしっかり分泌するためにも良い睡眠が必要です。朝日を浴びて、夜間のブルーライトは浴びないようにしましょう。
喫煙は酸化の大きな原因でもあり、頭皮の血流を障害します。飲酒はアセトアルデヒドによって糖化が大きく進みます。紫外線による頭皮の障害もバカにできません。分け目に白髪が多い人は紫外線によるダメージが原因の可能性があります。日差しが強い時には日傘なども使いましょう。水道水の残留塩素も頭皮を乾燥させ、メラノサイトを痛めます。塩素を除去するシャワーヘッドを使うのも良いかもしれません。
ここまで見てくると、悪いものは食べずに、栄養豊富な食材を家庭料理で食べ、体内時計を大切にして、しっかり眠り、運動を怠らず、ストレスをコントロールするという、全ての健康に重要な生活習慣が見えて来ますね。蒼野の父親は真っ白だったので、蒼野の白髪は62歳という年齢と遺伝と頭部の手術の影響が大きい気がします。
ちなみにワカメや海苔を沢山食べたら黒くなるというのは根拠が無いようです。また白髪を抜くと増えるという俗説もありますが、これも嘘のようです。白髪を抜くと毛根が傷つく事があるため、抜かずに切るのが正解とのことでした。毛根が傷つくと、新しい髪が生えなくなることもあるのでご注意を!
調べてみた結果、蒼野の白髪は生活習慣上の問題は少ないようです。散髪は3~4週に1回しているので、めんどくさいですが、家族に言われるので、その都度自分で染めようと思う蒼野でした。
参考文献:
1)Hyperactivation of sympathetic nerves drives depletion of melanocyte stem cells. ; Nature 577, 676–681 (2020)
もし記事が良かったよ!と思われた方は蒼野健造公式ラインのボタンをポチッと押して、ご登録くださいね。ライン登録された方で希望される方は、オンライン面談での相談に乗りたいと思っております。