疲れ目、かすみ目、ドライアイの対処法!

2023/03/30

 最近疲れてくると、文字がぼやけやすい蒼野です。今まで目の病気に罹ったことはなく、健康オタクなのに、目に関してはあまり気にした事がありませんでした。事故で右の眼球の動きが悪くなり、右側の物が二重に見えるため、最近特に、目の疲れが気になるようになりました。

 樺沢先生の時間術の講演で、仕事の合間の目薬が集中力を取り戻すトリガーになり得るという話を聞いて、これから上手に目薬を使ってゆきたいと思い立ちました。今日はどんな目薬が良いのかについて調べてみることにしました。

 疲れ目、かすみ目は、パソコンやスマホ使用が、長時間になっている現代においては、多くの人が抱える問題かもしれません。目も使いすぎると疲れます。目の筋肉が疲れれば、視点が合いにくくなるのです。

 暗すぎたり、明るすぎたりする照明も原因になります。特にブルーライトは目が疲れます。長時間画面を凝視することで、瞬きの回数が減ると、乾燥しやすくなり、ドライアイを起こしやすくなります。室内の空気の乾燥にも要注意です。ドライアイも疲れ目、かすみ目の原因です。

 このドライアイは近年増加傾向にあります。日本の成人のうち約20%~30%がドライアイ症状を経験しているとされ、涙の保湿成分が失われることで、加齢と共に増えてゆきます。20代:約10%、30代:約20%、40代:約30%、50代:約40%、60代:約50%、70代以上:約60%という報告があります。特に仕事で視覚ディスプレイ端末(VDT)を扱うオフィスワーカーでは、ドライアイが増えている事が報告されています1)。

 その他の原因としては、メガネやコンタクトが合っていない。睡眠不足。目の健康に重要な栄養素である、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEやオメガ3脂肪酸などが不足している事なども、原因になります。もちろん病気や感染症、アレルギー、薬の副作用などが原因になる場合もありますが、これらは少数派です。

 対処法としては、目を過労に追い込まない事が重要です。定期的な休憩を心がけましょう。有名な方法は『20-20-20ルール』です。これは20分毎に20フィート(約6メートル)離れたものを20秒間見て、目の筋肉を弛緩させ、休めるというものです。

 ブルーライトカットの対策や、適切な照明も整えましょう。画面のナイトモードに関しては、良いという意見と、見えにくくなるとかえって疲れるという意見があるので、自分で確かめて使いましょう。蒼野の場合は、画面があまりに暗いと字が読めなくなります。

 時々目や周りに筋肉を動かしてストレッチするのも良い方法です。ウインクしたり、上下、左右、斜めに視線を動かしたり、眼球をゆっくり回し、最後に寄り目にしたりすると、スッキリして、リフレッシュするそうです(参照ページ:参天製薬)。

 ホットアイマスクなどの温湿布や、蒸しタオルなどで、目の血流を戻しましょう。食事や睡眠を整え、メガネやコンタクトを合わせることも忘れないで行いましょう。そして涙の蒸発を防ぎ、涙液の状態を保って目の乾燥を防ぐのに役立つのが、点眼薬です。

 皆様も点眼薬を愛用されている方がおられるかもしれませんね。お気に入りの目薬があるのでしょうか? 蒼野はこれまでたまにしか使ってこなかったので、どんな目薬を選べば良いのかを調べてみました。

 内服薬は、消化吸収された後に、血流に乗って体の様々な部位に運ばれます。もちろん目にも運ばれるのですが、有効な量を運ぶには、大量の飲み薬が必要になったりします。そこで目から直接薬効成分を吸収できる薬が、目薬になります。

 眼科医の著書を参考にさせて貰うと、疲れ目で我々の多くが使っているのは、市販薬です。蒼野も目薬を薬局で買った事があるのですが、なんとなくCMで宣伝してあるやつとか、高くて様々な効能が書かれているものを選んできました。しかし眼科医が決して選ばない市販薬というものが存在しているのです。

 まず防腐剤が入っているものは選ばない方が良いそうです。塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼントニウム等が含まれるものは避けましょう。全員ではありませんが、目にとって刺激になったり角膜上皮細胞を傷害したりする、可能性があるそうです2)。しかし防腐剤が入っていない目薬は、細菌が繁殖する可能性があります。ですから市販の目薬の80%に、防腐剤が入っているというのが現実です。

 防腐剤無しの目薬の扱いには、いくつか知っておく必要があります。まつ毛は目にとってゴミを除去するフィルターの役割があります。目薬の先端が、汚れたまつ毛や、目の周囲の皮膚に触れないように注意が必要です。ティッシュやタオルで拭くのもNGです。

 正しい目薬の挿し方は、まず頭を後ろに傾け、下まぶたを引き下げて、目とまぶたの間にポケットを作ります。次に、目薬の瓶を目の上に持っていき、先端が目やまつ毛に触れないように注意しながら、点眼します。最後に、目を閉じて、涙が流れ出ないように、涙管を親指と人差し指で軽く押さえるという方法です。

 また古い目薬は使わないというのもポイントです。期限切れの目薬は、効果が低下し、感染リスクが高まる可能性があります。開封した後は、1ヶ月程度で使い切るというのが鉄則だそうです。蒼野の目の前にある目薬はいつ開けたのか不明です……。

 市販薬によく入っている成分が、目の充血をとる成分です。αアドレナリン受容体作動薬という成分で、塩酸テトラヒドロゾリンや塩酸ナファゾリンなどが一般的です。これらは目の血管を収縮させてしまいます。逆に目の疲労を増してしまいます。炎症を抑える訳ではないのです。

 頻繁に使用していると、目の血流が悪化して、栄養不足になったり、老廃物の排出が滞ったりします。眼圧上昇の原因になることもあり、緑内障や視神経損傷のリスクを高める可能性があるということです。市販薬の成分に、塩酸~と書かれているものは選ばない方が良いようです。目の充血が気になる場合は眼科を受診しましょう。

 目がスーッとして、効いた気になるメントール入りの目薬は、蒼野も気持ちが良いので使っていました。これは疲れた時のエナジードリンクのようなもので、挿したときには気持ち良いのですが、疲れをとる成分はありません。挿しながら無理をすると、かえって疲れ目を悪くしてしまいます。

 抗生剤入りの点眼もあまり役に立ちません。目の感染で一番多いのは、ウイルスによるものだそうです。アデノウイルスの流行性角結膜炎や、ヘルペス角膜炎などです。抗生剤入りの点眼は、耐性菌の問題もあるため、使うのならば、ウイルスも殺してくれる、ヨード入りのサンヨード点眼が良いそうです。

 小分けになった人口涙液、ソフトサンティアは、防腐剤も血管収縮薬も入っていません。ドライアイに安心して使える目薬です。疲れ目があるときにはビタミンB6やB12、筋疲労の回復と目をリラックスする成分が入った『ソフトサンティアひとみストレッチ』が良いとのことです。通販でも購入可能です。

 そしてひどいドライアイには、角膜が若返るヒアルロン酸配合の『ヒアレインS』がお勧めです。2020年の9月に発売された製品で、薬剤師さんのいる薬局でしか買えない要指導医薬品です。低濃度の防腐剤は入っていますが、その分リスクは低いようです。普通の通販では買えませんが、e健康ショップで申し込むと、指定薬局で受け取れます。

 ということで、パソコン時間の長い蒼野は、まずは『ソフトサンティアひとみストレッチ』を使ってみようと思います。乾燥が気になる方は、『ヒアレインS』の併用も良いと思います。正しい目薬の挿し方も初めて知りましたので、是非習慣にしたいと思います。

 まだ半分あるけど、いつ開けたかわからない、スーッとして、塩酸~の表示のある、赤い目薬を思い切って捨てようと思っている蒼野でした。

参考文献:
1)Prevalence of dry eye disease and its risk factors in visual display terminal users: the Osaka study. American Journal of Ophthalmology, 156(4), 759-766. 2013

2)Preservatives in eyedrops: the good, the bad and the ugly. Progress in retinal and eye research, 29(4), 312-334. 2010

参照ページ: 参天製薬ホームページ: 目のストレッチの方法
https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/eyecare/stretch/

参考書籍: 眼科医は市販の目薬をささない  林田康隆、日比野 佐和子

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