昨日のテレビ「ザ!世界仰天ニュース」で、おいでやす小田さんが、カフェイン中毒になった、ダブルワークの実在のサラリーマンの役を演じていました。その後Twitterでも、カフェインがトレンド入りしていましたので、改めて、カフェイン摂取の注意点について書いてみたいと思います。
昨日の番組では、昼間の仕事が朝8時から夜8時、それから飲食店のバイトが終わるのが4時というサラリーマンが、常に眠いため、エナジードリンクにハマり、毎日3本以上のみ、追加でコーヒーを5本飲んでいました。それでも眠いため、さらに同僚に勧められたカフェインタブレットを、試し始めたそうです。
半年後くらいから急に食欲が低下、喉が渇き大量の水分を飲むようになりました。大事な試験の前日、大量のカフェインタブレットを飲んで勉強しようとした後に、全身の震え、腹痛、吐き気、ぐるぐる回る眩暈を感じ、救急要請した後に、意識消失しました。
救急搬送先の診断は「急性カフェイン中毒」でしたが、カフェイン中毒には特効薬がありません。炭を飲ませて、カフェインを吸着させ、それ以上、体内に吸収されないための治療を行ったところ、幸いにも10時間程度で回復する事ができたそうです。
蒼野もコーヒーが好きで、眠いと思った時には、夕方までの時間であれば、カフェインの効果も期待して飲む事が多いです。適量のカフェインは、眠気やだるさ解消、集中力向上といった効果を感じた事がある方が多いと思います。しかし過剰摂取では、中枢神経への刺激が過度となり、上記の症状が現れます。最悪の場合には交感神経の暴走によって、脈が速くなり、中には不整脈で亡くなる方がおられるのです。
カフェインには、致死量が存在します。もちろん個人差はありますが、1日5gから10g程度とされています。テレビのサラリーマンの場合は7g程度は摂取していることになり、死亡してもおかしくない量だったようです。ちなみにコンビニのコーヒーであれば、店によって量が違い、レギュラーが160~170mlで、Lサイズが250~300mlです。
そのカフェイン量は、レギュラーなら軽めから濃いめは80~94mg、アイスコーヒーは100~131mgと、淹れ方によって差があります。意外なのはエスプレッソコーヒーで、濃い味がするのでカフェインが多そうですが、抽出時間が短い上に、豆が深煎りであるためにカフェインが揮発していて、1杯あたり40mg程度になります。
蒼野は、いつも人が並んでいるスタバには、あまり行かないのですが、スタバコーヒーのカフェイン量は多めです。トールサイズで276mg、グランデは362mg、ベンティに至っては464mgもカフェインが入っています。ベンティを11杯飲めば(普通は飲みませんが…)致死量に到達します。
青少年で問題になるのは、コーヒーよりもエナジードリンクです。「Red Bull」の小さい缶250mlのカフェイン量は80mgです。MONSTER ENERGYはカフェインが増量してあり、1本あたり142mg入っています。甘いので飲みやすく、カフェイン中毒の知識が無いと飲みすぎる場合があるのが、問題となっています。
2012年、アメリカメリーランド州で、14歳の少女が、「MONSTER ENERGY」700ミリリットルを24時間以内に2本飲用し、死亡して訴訟になりました。病理解剖の結果では、「カフェインの毒性による心臓の不整脈」が死因とされています。先進国の多くはカフェインの摂取基準を設けています。しかし日本にはありません。
日本の2017年の報告では、急性カフェイン中毒で救急搬送された患者は、5年間で101人居ました。うち3人が死亡に至っています。搬送者の平均年齢は25歳!カフェインは致死量があると言うことを知らない人が多いのかもしれません。別の統計では、東京23区における5年間の死因不明患者の解剖結果で、36人の血液から高いカフェイン濃度が出た事が確認されています。
ただ5gを超えるカフェインを摂取して病院に搬送された患者では、飲み物だけではなく、9割以上がカフェインの錠剤などを摂取していました。しかし人によって感受性に差があるため、200mgで中毒になる人もいますので、過去にエナジードリンクなどで気分が悪くなった事がある人は要注意です。
身近な例では、うちの3女は、初めてエナジードリンクを飲んだ時に、気分不良と吐き気が起こりました。原因がカフェインだと自覚できたため、それ以来エナジードリンクもコーヒーも飲まないようにしています。
3月28日に、新発売となった「BOSS CAFFEINE」は、世界の様相とは逆張りで作られた商品のようです。カフェインを増量し、1本あたり200mgのカフェインが入っています。欧米のカフェイン基準値は一様ではありませんが、例えばカナダでは、18歳未満の子供のカフェイン摂取は1日に体重 1kgあたり2.5mgまでとしています。体重50kgの中学生では、125mgです。中学生が「BOSS CAFFEINE」を1本飲むのはアウトなのです。
個人差もあり、カフェイン中毒は滅多には起こりませんが、若者や子供のカフェイン中毒死をゼロにするために、基準値は守った方が良いと感じます。若い人は眠気覚まし、夜の勉強のお供としてカフェインを使っている事が多いようです。「BOSS CAFFEINE」は1本で目が覚めるコーヒーを狙ったのかもしれませんね!
2017年の学校の養護教諭へのアンケートでは、「エナジードリンクを習慣的に飲んでいる子どもがいる」中学校は24.4%、高校は48.4%でした。受験勉強や夜更かしに使われていて、中には体調不良や心身の異常を訴えるケースもあるようです。眠い時にはコレというアピールで、CMを打っている「BOSS CAFFEINE」は、「起きてる?」とか「目覚ましボス」と言ったダイレクトンなキャッチコピーを展開しています。
高カフェイン食品は、カフェインのリスクを「知らずに飲みすぎる人」につながる可能性は否定できません。カフェインは脳の報酬系に作用して、依存になる可能性がある成分です。タバコやアルコールと同じ構造です。飲めばドーパミンが出るので、やる気が出て仕事がはかどります。他の依存症よりは軽度であることや、カフェイン耐性の個人差が大きいことが、認識が進まない理由です。
結局はどんな物でも、過量に摂りすぎる事が問題なのです。特に若い人には、カフェインの摂りすぎの恐ろしさを理解してもらった上で、うまく利用して欲しいと思います。カフェインを摂取すると、30分~60分程度でやる気や覚醒作用が出てきて、4~6時間程度は血中濃度が高く維持されます。寝る6時間前以内に飲むと、睡眠の質が低下する可能性があります。
そのメカニズムは、一つ目が、睡眠を誘発するアデノシンが、アデノシン受容体に結合して活性化するのを防ぐ作用です。カフェインはアデノシン受容体に結合し、アデノシンが結合するのを妨げます。もう一つがドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどの分泌促進作用です。美味しいコーヒーはホッとして、豊かな気持ちになり、やる気を起こします。
カフェインの効果を最大化するのは、やはり朝だと思います。朝は脳のゴールデンタイムです。そこにカフェインを入れてブーストすれば、仕事の効率がさらに上昇するかもしれません。しっかり睡眠を取って朝勉強するのは、理にかなっています。本当に朝方の人なら最強です。夜型の人は、工夫が必要かもしれませんね!
砂糖のとりすぎになるので、エナジードリンクは避けたいですが、カフェインに弱くは無い蒼野としては、スタバや「BOSS CAFFEINE」を、朝限定で利用してみようと思ったりしています!
もし記事が良かったよ!と思われた方は蒼野健造公式ラインのボタンをポチッと押して、ご登録くださいね。ライン登録された方で希望される方は、オンライン面談での相談に乗りたいと思っております。