若々しい前頭葉の保ち方!

2023/04/21

 人生100年時代を、上手に生ききるには、定年以降の健康や生活を考える事が、とても重要だなあと思います。セカンドキャリアと言いますが、職場を変わっても、ストレスをコントロールして、若い人の中で上手に働くスキルが求められていると感じます。脳が老化してしまうと、これは上手く出来なくなります。今日は脳を老化させずに、一生過ごす方法について調べてみます。

 脳の老化と言うと、加齢で記憶力が悪くなったり、認知機能が低下して認知症になることを想像する人は多いかもしれません。しかし最も早く老化するのは、脳の部位で言うと前頭葉なのです。個人差はありますが、全員がメンテナンス無しに、良い脳の状態がキープできる年齢は30代までです。

 早い人では、40代くらいから前頭葉の萎縮が始まります。前頭葉は、意思決定、問題解決、計画立案、創造性、社会行動などの高次脳機能に関与している脳です。また感情の制御や感情に基づく、意思決定にも関与しています。思考や意欲、感情、理性など、人間らしい振る舞いを司っているのが前頭葉なのです。

 まだ40代では身体は元気な人がほとんどです。しかしこの頃から、考え方が凝り固まって、応用が効かなくなったり、素直に自分を変えられる人は少なくなってゆきます。逆に前頭葉が活発に機能していると、アクティブで若々しく活動出来るのです。今からは、終身雇用制、年功序列制が終わりを告げ、能力制に移行する企業が増える可能性が高いです。

 また、急速なAIの発達によって、仕事内容も、日進月歩で変化してゆく時代でもあります。前頭葉が老化してしまえば、新しい仕事にうまく対応することは難しくなってしまいます。蒼野もセカンドキャリアを考える年代ですが、今まで通りの働き方ではなく、自分が興味がある、新しい仕事にチャレンジしたいと思っています。

 蒼野は、多くの患者様の脳画像を見てきましたが、運動不足や、健康的な食事が摂れていない人、アルコールやタバコが多い人などは、前頭葉の萎縮が目立つ人が多かったです。前頭葉は脳の中でも、早くから萎縮が始まり、神経細胞の減少が起きやすい部位でもあるのです。

 前頭葉を老化させないためには、まずは生活を整えて、動脈硬化リスクを下げることが重要です。動脈硬化を起こしている人は、自発性に乏しく、感情コントロールが難しく、頑固で自分の考えを変更しにくくなります。こんな年上の人にはなりたくないですよね! 糖尿病や高血圧、脂質異常症や肥満、ストレス、多量飲酒や喫煙などのリスク因子を、減らしてゆく事が重要なのです。

 セロトニンやドーパミンの分泌を保つことも、前頭葉を保つために重要な要素になります。うつになったり、やる気がなくなったりすると、前頭葉は萎縮します。「新しい事がめんどくさい」「日々の生活で手一杯」「何があっても、まあいいや」と受け流す生活を続けていると、前頭葉の老化は進んでゆきます。心や感情から老け始めるのです。

 毎日同じ生活を送るのではなく、新しいものを食べたり、より良い生活習慣を取り入れてみて、自分に合うかどうか確かめたり、小さな楽しみを見つけたりすると、ドーパミンが分泌されます。どうなりたいのか目標を持って、そのためには何をするべきなのかを考えて、少しずつ進めてゆけば、前頭葉は鍛え続けられるのです。

 通勤ルートを変えてみたり、たまには遠回りをして新しい店を見つけたりしましょう。歩いて少し遠くの店を開拓して食事をしたり、楽しそうな趣味を始めてみたり、違う職種の人と話したりしましょう。新しいジャンルの本を読んだり、今までの自分とは違う意見、特に別の職種や、若い人の意見などを聞くのも勉強になります。前頭葉が刺激され、鍛えられるのです。

 そして新しいことを、自分からアウトプットしましょう。側頭葉や頭頂葉はインプットがメインの脳です。毎日の生活でもよく使うため、それほど早くからは衰えません。前頭葉はアウトプットの脳ですので、初めて見たことや聞いたこと、読んだことを積極的にアウトプットしていれば、前頭葉は老化しないのです。

 加齢と共に、セロトニンやドーパミンを始めとする脳内伝達物質や、男性ホルモンや女性ホルモンの変化が訪れます。男性の場合、男性ホルモンが減少すると、性欲だけでなく、意欲全般が落ちることがわかってきています。男性更年期とも言える時期ですが、やる気がなくなり、うつにもなりやすくなるのです。人づき合いが面倒になって、自宅に引き篭って「濡れ落ち葉」になったりするのです。

 一方女性は、女性ホルモンが減少した分、男性ホルモンの影響が強くなって意欲的になるため、かえって人づき合いが豊かになったり、みんなで集まったり、旅行したりすることは珍しくありません。頑固で人の言う事が聞けず、気難しいオヤジは、孤独になり、社会に適応できなくなり、前頭葉が衰えていくのです。

 つまり脳の老化の始まりは、前頭葉の老化であり、感情の老化なのです。あなたの意欲、自発性、創造性は大丈夫でしょうか? 前頭葉の若さを保ち、「感情の老化」を防ぎましょう! おしゃれもしたくなりますし、見た目や身体も若々しく保てるはずです。

 漠然としていても良いので、何歳になっても将来の目標を持ちましょう。欲望はドーパミンを分泌させます。意欲が出て前向きになれるのです。今までの自分にこだわらず、新しい環境では初心者として頭を切り替えましょう。きっと若い人と一緒に、うまく仕事がこなせるようになります。そして日々アウトプットを心がけるのが重要です。

 脳の老化と闘いながら、豊かなセカンドライフを送るには、前頭葉をフル回転させる、刺激的な毎日にするのがコツなのです。想定外のものや出来事は、歓迎すべきです。欲しいものは、道筋を考えて、手に入れましょう。褒められたら喜び、失敗を恐れず、トライする姿勢が、前頭葉を活性化するのです。

 ミケランジェロがサン・ピエトロ大聖堂の改築を手掛けたのは、70歳を過ぎてからです。88歳で亡くなるまで彫刻を彫り続けました。ゲーテが「ファウスト」第2部を完成させたのは、81歳。モネは、「睡蓮の池」を86歳まで描き続けました。チャーチルがイギリス首相に再選されたのは77歳です。ピカソも91歳まで制作を続け、杉田玄白は83歳で、「蘭学事始」を完成させました。

 蒼野は63歳! 今の歳からでも、何か出来そうな気がしてきました。本が書いてみたいという想いがあって始めたブログですが、重ねてゆくにつれて、自分の脳が少しずつですが、変わってきていることに気付いたりします。アウトプットは改めて重要だと感じます。人見知りでしたが、おかげで、新しい人にも、積極的に会いに行けるようになりました。

 毎日アウトプットを、思い切り楽しんでいる蒼野でした。皆様も、日々好きなことを積極的に楽しんでくださいね!

参考書籍: 40歳から一気に老化する人、しない人  和田 秀樹

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