短回旋筋矯正で「カチッとハマる」!

2023/07/17

 今日も蒼野が初めて知った事をお伝えしたいと思います。「加齢と共に背骨は歪む」という事実です。これが知らない間に悪い姿勢につながり、自分で治してゆかないと、日々の不調につながってゆくということが、改めて認識できたのです。きっかけは、それをどうやったら効果的に改善できるかについて書かれた、『悪い姿勢は天井を見つめて治しなさい』という本です。

 以前勤めていた頭痛クリニックでは、ほぼ全員に近い方が肩こりに悩んでおられました。また腰痛の方もとても多い印象でした。デスクワークの方が多く、座位時間、スマホ時間が長い方ほど、ひどい頭痛を抱えておられるのです。姿勢としては猫背や巻き肩、いわゆる頚椎の前弯が消えてまっすぐになるストレートネックの方が圧倒的に多く、姿勢改善と体操を説明していました。

 よく考えると当たり前なのですが、体は200余りの骨が組み合わさってできています。それぞれが適正な位置にあって、筋肉や腱、靭帯で結ばれた状態であれば、本来の機能が発揮できます。しかし長年同じ負荷が掛かり続けると、その関係性は変わってきます。今では少なくなりましたが、田植えや畑仕事が生活の中心であった時代には背骨が亀のように曲がってしまった高齢者が沢山おられました。

 抜歯すると歯並びも変わりますよね。抜歯された歯からの圧力が無くなると、ゆっくりと歯の位置も変わってしまいます。長期間の間に背骨が歪むのは、二つの理由があります。一つ目は4本足歩行から2本足歩行に変わった事です。どんどん発達して重くなった脳を守る頭部は、重すぎて4本足のままでは支えられなくなったのです。それを支えているのが背骨です。

 二つ目はその背骨は体を曲げたり、回したり出来るように、24個の脊椎骨が、間に椎間板というクッションを挟んで、積み木を積み上げる様に並んでいることです。上下の脊椎骨は、ある程度は靭帯で固定され、多くの筋肉によってその並びを保っています。しかし上下の椎体の形は平面です。骨の形としては、すぐにズレて、とても歪みやすいです。

 長年同じ姿勢をしていると、重い頭からの重力が背骨に作用し続けます。力が掛かった靭帯は少しずつ伸ばされ、加齢とともに上下の脊椎骨は歪み、ズレやすくなるのです。歪みがひどくなると、様々な症状が出てくることになります。スマホが生活基盤に入り込んでからは、誰もが下向きで生活する時間が圧倒的に増えています。

 重たい頭を下に向けることで、頚椎の前弯が徐々に消え、真っ直ぐになりストレートネックになります。頭を支えるために、肩と首の筋肉は常に頑張ることになります。筋肉には疲労物質が溜まり、血流も悪くなるため、しこりや痛みが生まれます。これが肩こりや頭痛に直結するのです。

 ですから頭痛クリニックの時のアドバイスは、時間毎に肩回し、身体回しの頭痛体操を行い、スマホを見る時でも、脇に反対の手を挟んで、下を向かずに真っ正面にスマホを持ち上げて見ることを指導していました。もちろん猫背や巻肩にならないように、姿勢を意識する様に、お話していました。でも特に姿勢が悪い人に対しては、なかなか改善が得られないことが多かったです。そんな時には整体をお勧めもしていました。

 背骨の歪みは、頭痛以外にも、様々な不調に大きく影響がある様です。肩関節周囲炎、いわゆる四十肩や五十肩も、背骨が歪むことで、肩甲骨の動きが悪くなって起こる様です。腰痛もそうですよね! 特に反り腰と言って、姿勢を良くしようと胸を張ると、お腹を突き出して、腰が反りやすくなります。背骨はほぼ真っ直ぐでありながら、弱いS字カーブを描いているのが理想です。これが頭の重力を背骨のクッションで受け止めることができる形だからです。

 反り腰や猫背、ストレートネックなどはこの形が崩れてしまっているのです。負担がかかりすぎると、椎間板ヘルニアなどの損傷が起こり、脊髄を圧迫して、痺れや坐骨神経痛、腰痛が生じてしまいます。脊椎狭窄症になると長い距離が歩けなくなります。

 また背骨が歪むと、バランスが取りにくくなります。すると膝や股関節を曲げることでバランスをとる様になります。その結果関節に大きな負担がかかり続け、すり減りやすくなるのです。高齢者の腰椎の変形や膝関節、股関節の変形は、脳外科の蒼野でも診る機会はとても多い病気です。変形性膝関節症で言えば、潜在的な患者を含めると3000万人もいるそうです。

 その他、背骨の歪みは顔の歪みや歯並びにも影響します。生活していれば誰もが歪んでくるため、中年期以降は特に、姿勢に気をつけたり、補正する体操を行ったり、背骨をつなぐ筋肉を鍛えたりすることが必要になります。蒼野も歳と共に身長が低下してきており、若い頃と比べると4cmも低くなりました。椎間板が薄くなった為と思っていましたが、背骨の曲がりが強くなることの影響もあることに気付きました。

 蒼野は事故の前には、ゴルフ気狂いだったので、週に3回練習場で、500球以上打ち、週末は必ずラウンドしていました。その頃から妻に歩いていても右肩が下がっていると言われる様になりました。そしてある日、頚椎椎間板ヘルニアを発症し、右手の指が痺れ始めました。練習を控えていると3か月くらいで改善はしましたが、練習後に脊椎の歪みをちゃんと戻せていなかったのが原因だと思います。

 『悪い姿勢は天井を見つめて治しなさい』の著者中村弘志先生は、特異な経歴の持ち主です。開脚は53歳の現在でも、200度のぐにゃぐにゃ先生ですし、元々は会社員だでした。ある日妹さんの外傷性脊髄損傷という不幸があり、医師に「一生車椅子」と言われてしまいます。一念発起され自分で治すと治療家に転身され、様々な勉強や試みを行なった結果、妹さんは歩けるようになったのです。

 その中のさまざまな気付きが今回の特許を取られた、脊椎の歪みを治す方法と機器の開発に繋がったとのことです。現在は日暮里駅前で中村接骨院を開業し、他ではなかなか改善しなかった多くの患者様の劇的な改善に尽力されておられます。病気の根本を考えて、それにアプローチする方法を考え、そのアイデアを駆使して発明してしまうという中村先生は、本当にすごい人だなあと思いました。

 長年の生活習慣で背骨の靱帯が緩んでしまうと、普通の整体で外からの力で歪みを整えても、長くは持ちません。中村メソッドは、天井を見て基準を作り視線を安定させた上で、脊椎骨の上下を繋ぐ短回旋筋を鍛え、脊椎の可動域を広げるトレーニングを積み重ねる方法です。徐々に歪みが減ってゆき、自分で整えることが出来る方法であることが、本を読んで分かりました。

 もし興味がある方は是非、本を読んでご確認下さい。必要な場合には世界中で特許をとっている「カチッとハマる®︎」の機器のレンタルも行われている様です。自分の背骨が歪んでいることに気づいた蒼野も、これから毎日体操をやってみたいと思います。その上で疑問が湧いてきたら、一度日暮里で先生の施術も受けてみたいなあ!

 肩こりや頭痛、腰痛や関節痛に対する新しいアプローチを会得したい、蒼野でした! 

参考書籍: 『悪い姿勢は天井を見つめて治しなさい』 中村 弘志

悪い姿勢は天井を見つめて治しなさい [ 中村弘志 ]
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