理想の睡眠習慣については、ブログに書いたことがあるのですが、63歳の蒼野が理想的な睡眠時間、睡眠の質を真似したいと思ってもなかなか出来ません。加齢とともに睡眠時間が短くなり、その質も変化することが分かっており、年齢相応の睡眠が何かを探していました。今日は中高年の睡眠にスポットを当てて、他の年代とは違う部分を書きたいと思います。
思春期までの平均睡眠時間は9時間、10代の半ばくらいから短くなり、20代では7時間前後、加齢と共に基礎代謝も下がってくるため、睡眠で回復しなければいけないエネルギーも低下してきます。80歳では6時間くらいが平均の睡眠時間だそうです。
しかし特に男性であれば、定年を境に、1日の自由な時間がグッと増えてしまいます。そして必要な睡眠時間は短くなるのに、ベッドの上にいる時間が増える事が分かっています。人間は必要な睡眠時間以上には眠れないのです。しかし一般的には8時間睡眠が推奨されているため、高齢になる程、実際の睡眠時間との差が、気になる人が増えてしまうようです。
ホルモン的にも、高齢になると大きく変化してきます。抗利尿ホルモン(ADH)は尿を濃縮し、尿量を減らす働きがありますが、50歳を超えると、ADHの分泌は減ってしまいます。若い間は膀胱に尿が溜まらないため、朝までトイレに行く事なく、ぐっすり眠れていたのが、中高年になると何回もトイレに起きるようになるのが普通なのです。
蒼野も眠りについてから、3時間もしくは4.5時間くらいで、1回トイレで目が覚めます。すると疲れていれば、すぐにまた眠れることもあるのですが、ついつい色々な事を考えてしまい、眠れなくなる時もあります。このぼーっとしている時間に、急にアイデアを思いついたりするので、これはこれで重要な時間なのですが、起床時間が近づいてくると、もう少し眠らないと!と焦ったりもします。
蒼野の睡眠時間は平均では6時間半くらいですが、夜中になかなか眠れない日が続くと、起きた時に目がしょぼしょぼして、睡眠不足かも?と考えてしまいます。でも数日に1回はそれを取り戻すように、7時間半眠れたりもするので、バランスは取れているのかもしれません。
睡眠クリニック3代目で、祖父の代から90年間睡眠を研究しておられる遠藤拓郎先生によると、高齢者の睡眠障害の多くは、8時間眠らなければいけないという思い込みと、布団の上にいる時間が長すぎることであると言われています。
平均睡眠時間が6時間の年代が、時間を持て余し、8時間布団の中にいれば、2時間は眠れずに悶々とすることになります。それが嫌で睡眠薬を飲み始める人も多いようです。65歳の人の睡眠薬の処方率は、55歳の2倍だそうです。寝過ぎて睡眠の質が悪くなり、自分が不眠症だと思い込む人が多いのです。
ダラダラ長く眠ると熟睡は出来なくなります。良質の睡眠が取れなければ、疲れの回復が遅れ、昼間に眠くなったりします。昼間にうとうとする時間が多くなり、長く寝てしまったりすると、さらに夜しっかり眠る力が落ちてしまいます。その悪循環にハマるお年寄りが多いのです。
重要なのは『睡眠力』です。起きている時間が長いと『睡眠力』が増えて、深い良質な睡眠が増えます。中高年では『睡眠力』が低下するのです。逆説的ですが、遠藤先生によれば、いかに睡眠時間を削るかが重要なのだそうです。加齢と共に睡眠時間は短くなり、個人差もありますから、時間にこだわらずに、昼間元気で活動できる睡眠時間が確保できれば良いと考えることが重要です。
遠藤先生の睡眠クリニックでは、コロナ禍で患者が爆増したそうです。リモートワークになり通勤時間が無くなって、睡眠時間が長く取れるようになると、睡眠障害を訴える中高年の患者様が急増したのです。そしてコロナが5類になって、患者数は大きく減少しました。布団にいる時間が長くなると睡眠障害が増えるというのは皮肉ですよね!
中高年の『睡眠力』を上げるための生活が提案されていますのでご紹介します。
1、中高年は7時間以上は、床にいないこと
2、昼間は活動的に過ごし、7000歩くらい歩くこと
3、7時間くらいは、読書や仕事などで、昼間に頭を使うこと
4、うたた寝や午後の長い昼寝はしないこと
5、夕方からは嫌なことを考えず、ストレスをやり過ごすこと
6、朝散歩と朝食を、毎日同じ時間に行ってリズムを整え、夜はブルーライトを浴びないこと
7、寝る前に体温を上げること(1〜1.5時間前の入浴、2時間前の軽い運動など) の7つです。
蒼野が知らなかったのは、7時間以上ベッドの上に居ないという事です。毎日ベッドの上で眠れない時間を過ごしていると、パブロフの犬のように、ベッドが眠れない場所として条件反射に記憶されてしまいます。眠くなるまで別の場所で読書したりするのが良いのです。
かといってテレビやパソコン、スマホを眺めるのはNGです。特にTikTokやNetflixは、ブルーライトだけでなく、興奮を誘うので眠れなくなります。蒼野も寝る前にスリルとサスペンス満載の漫画を読んだりすると、眠れなくなった記憶があります。TikTokやNetflixは次々に見てしまうので、気がつくと夜中になってしまい、眠ろうと思っても寝付けませんよね。
分厚い遺伝子の本を読んだりすると、15分もしないうちにたまらなく眠たくなるので、使っています。でもいつまでたっても読み終わらないのは、ちょっとしたジレンマです。上の7つ以外で要注意なのは、翌日が休みだからと、夜更かししない事ですね! 毎日1時間以上リズムがズレると体内時計がついてゆけなくなり、時差ボケが起こります。休みの日でもリズムを守るのが重要です。
休みの日は昼まで寝るのではなく、少し早起きして遊びに行く日にすると、アクティブレストにもなり、『睡眠力』も高まります。中高年は特に、日中精力的に仕事や趣味に取り組んで、6時間ちょっとぐっすり眠るのが理想です。中途覚醒は仕方がありません。睡眠力が高まっていれば、またすぐに眠れるので問題ありません。
これからしばらくは、暑い季節ですので、室温は朝まで25度くらいに保つのが理想です。電気代はケチらず、エアコンを使いましょう。中高年は睡眠が浅いため、温度や湿度が不快だと、すぐに目が覚めてしまいますし、睡眠の質が悪くなります。また早過ぎる朝日を、遮光カーテンやアイマスクで防ぐのも基本的なことになります。
冷房が嫌いだった蒼野も、去年から室温は25度にして、長袖長ズボンでアイマスクをして寝るようになりました。1週間前から、アプリのポケモンスリープを入れて、自分の睡眠を分析しています。トイレに起きてから、しばらく眠れない日もありますが、今日の知識を知って少し安心しました。中高年の皆様が勘違いから解放されて、安眠されることをお祈りいたします!!
参考書籍: 75歳までに身につけたいシニアのための7つの睡眠習慣 遠藤 拓郎
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