今日は蒼野が最近思うサプリメントについての考えを書いておきたいと思います。このところ、膝の痛みとか筋肉の増強に有利になると考えられるビタミンについて書きましたが、これらをサプリメントで摂るということについても、知っておかなければいけない事は沢山あると思っています。
健康オタクの蒼野は30代くらいからサプリメントのお世話になっています。サプリメントは医薬品では無いため即効性があったり、飲んだだけで健康になるものではありません。また飲まないからと言って不健康になる訳でもありません。それでも飲んでいるのは、「健康に対する保険を掛けておきたい」という考えからです。
我々は37兆個の細胞から出来ていて、細胞1個1個が健康で、それを維持するための身体の中の代謝や反応が正常であれば、全体の健康が保てると蒼野は思っています。細胞に影響する要素は多岐に渡り、食べ物やその中の栄養だけではなく、運動や睡眠、メンタルの持ちようや環境、毒を身体に入れないことやしっかり排出することなど、全てを考える必要があります。
栄養について考えると、例えば微量でも不足していれば、細胞の健康が保てないビタミンやミネラルなどの影響を判断するのはとても難しい事になります。最近では分子栄養学と言って、予防医学の中では積極的に不足している栄養素を調べて、その最適な量を補充すれば健康になりやすいという学問も盛んになりつつあります。
現在の栄養学で示されているビタミンやミネラルの所要量は、欠乏症にならないぎりぎりの量であり、個体差や環境によって、必要なビタミン、ミネラルの量が変化することが考慮されていません。また不足した場合も、身体は生命に影響がないところでのビタミン、ミネラルを節約し、影響があるところで使います。
ですからビタミンやミネラルが少し不足しただけであれば、生命に直接関係が無い皮膚のくすみや荒れで済んだりします。脳は影響を受けやすいので、感情の起伏、イライラ、落ち込み、パフォーマンスの低下などが出るだけなので、それが栄養不足であるとは認識できない事が多いのです。
「ちゃんとした食事」をしていれば、栄養が不足する事はないということもよく言われるのですが、この「ちゃんとした食事」が曲者です。現代の食生活はライフスタイルによって大きく異なることは皆様もご存知のことと思います。時間が無い事も、お金が無い事も、家族が居ない事も影響します。
これは蒼野の経験論になるのですが、頭痛が酷かったり、メンタルが不安定などの不調に苦しんでいても、検査で大きな異常がない若い人では、ファーストフードやジャンクフード、チェーン店の外食、コンビニやスーパーの惣菜、お菓子やパンなどの超加工食品ばかり食べている人がとても多いです。
中年になると、家庭料理を食べない単身赴任や独身の男性に、すぐの治療は必要ではないけれど、脳のMRIで小さな脳梗塞の卵が見つかることもとても多いのです。もちろん食生活が偏っていると20代でも出ている人がいるので、将来がとても心配になります。毎日それを見ている蒼野としては、栄養にはこだわりが出てしまいます。
毎日新鮮な野菜や果物を食べるよう心がけている蒼野ですが、その野菜や果物の中の栄養素までは分かりません。農作物も作り方によって大きく含まれる栄養素が変化すると聞いています。有機野菜などの栄養価抜群の食材ばかり選べれば良いのですが、コストの問題もありますし、時々見かける産地偽装の問題なども考えると、食事だけで大丈夫かどうかも自信が無くなります。
また時々はジャンクなものや、コンビニスイーツも食べたくなります。仕事でストレスを感じることや食欲が湧かないこともあるのです。そういう時には必要とする栄養の量も変化します。そこで使っているのがサプリメントです。歳をとっても、日々快適に穏やかに過ごしてゆきたい蒼野としては、毎日の食事に加えて、栄養の下駄を履かせて、不足になることは避けたいという為の保険なのです。
さて使うサプリメントなのですが、これは玉石混交です。コンビニで買える数百円のサプリメントから高価なものまで、薬のように基準も規制もないことから内容は様々です。一般的には安いサプリメントには、健康に良い影響が出るほどの栄養が入っていないことが多いです。材料や作られ方までこだわった方が安全です。
野菜から作られたものでも、農薬が混入していれば、濃縮されているはずですので、飲むメリットはなくなりそうです。また保存料やカプセルの素材なども気になります。値段で判断するのは乱暴ではありますが、マルチビタミンなどであれば、2000円以下で買えるような物は、躊躇しても良さそうです。
脳に良いと言われるDHA,EPAのサプリは、有効成分は30%程度、一方医薬品のEPA(エパデール)やEPA,DHAのロトリガなどは99%が有効成分です。これらの薬にはジェネリック薬も出ていますが、魚から抽出するため、キレイな海から獲れたイワシで作るエパデールとジェネリックでは効果や内容が違うと聞いた事があります。
その医薬品でも脳が良くなるという効能は無く、高脂血症の改善が効能です。これだけ見ても、サプリメントを飲み続けることの意味は、飲んでみて調子が変わらない場合には、あまり無いのかもしれませんね! ちなみに蒼野は家族性高コレステロール血症があるのでロトリガを飲んでいます。高脂血症のある方は、処方してもらえるので、サプリよりも良いと思います。
サプリメントと一口に言っても、決して内容は同じでは無いということです。研究でもサプリメント群と飲まない群で、死亡率や疾患との関係を調べた物はたくさん報告されていますが、サプリメントの内容まで揃えた物は無いようです。これでは結果が出なくても不思議はありません。
結果として、疾患を予防したり、死亡率を下げるという研究もありますが、有意差なしとするものも多く認められます。脂溶性のビタミン摂取を続けている人には、がんのリスクが増えるという報告もあったりするため、サプリメントで健康になるという結論は今の所存在しないのです。
ただサプリメントに頼りたくなるような生活をしている人の特徴として、日常の調子が悪いから飲み始める人が多いことから、元々小さながんができていた可能性もあります。特に女性のサプリメント摂取者では、肥満や喫煙、高血圧や糖尿病の割合が多いことなどから、サプリメントを飲むことで安心し、生活習慣が変わらない可能性が影響している可能性があります。
ただ蒼野の外来で大きな異常が無いのに様々な症状が改善しないという人に、血液を検査してみると、鉄や亜鉛、葉酸やビタミンB群などが不足している人が結構居られるのも事実です。明らかに低ければ医薬品で補うようにしていますが、保険の範囲内で全員にビタミンミネラルの検査をすることはできませんし、全てのビタミンについて調べる事もできません。またそういう方は生活習慣に無頓着な方がほとんどです。
結論としてサプリメントについては、不調がある時に最初に頼るのはお勧めできません。またある程度高価な、しっかりした物でないと飲む意味もないと思います。そのお金で様々な旬の野菜や果物などをしっかり食べ、科学的根拠に基づいて、食事や生活習慣の改善を目指す事が一番重要なのかもしれませんね。
口から食べる栄養だけで無く、腸内細菌が作る栄養も非常に重要です。不調がある時には、腸活、運動、睡眠、食事を整え、身体の細胞が過不足なく元気に活動できる環境を作ってゆくことが、今蒼野が考える健康長寿への道筋です。ということでサプリメントを使うならば良い物を、保険として使って欲しいと思っている蒼野でした!
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