コロナ禍となりこの3年間、一人暮らししていた母親の所をなかなか訪ねることができなかった蒼野です。母親の住むマンションの外壁の塗り替え工事の予定があり、ベランダの物の整理や撤去の必要があるため、月曜の夜から2泊3日で、片付け目的で妻と一緒に実家を訪れました。
火曜日、水曜日は片付けの為の時間と決めていたので、ブログの更新はお休みしました。母親は現在90歳、5月で91歳になります。ある程度しょうがない事とはいえ、物忘れも進み、3年前は稀だった、同じ質問の繰り返しも多くなりました。
行ってみて初めて知ったのですが、先週廊下で転倒し、顔をぶつけたそうで、唇が腫れ、歯が折れていました。手足の痛みは無く、骨折も無いようでしたので、胸を撫で下ろしましたが、足腰が弱っているサイン(フレイル)だろうと思いました。
コロナ禍でもあり、週2回パソコン教室に出かける以外は、ほとんど外を歩いては居ないようです。お正月にも軽い筋トレなどを教えたのですが、忘れて出来ていないとのことでした。3日間は一緒に片足立ちを左右1分ずつ行い、YouTubeでラジオ体操を見ながら、一緒に体操しました。
日本人は人生の最後に、男性で平均9年、女性で12年の介護期間が必要になる事を考えると、元気で、好奇心旺盛で、外出好きだった母も、土俵際まで来ているように感じてしまいました。去年までは自分で色々作って食べていましたが、億劫になっている様子ですし、オシャレだったのに毎日同じ服ばかり着ています。
3年前から生協の宅配で物が家中に溢れるようになっており、この年末に妹が片付けてくれて、あまり買わないようにと言ってくれたのですが、やはり冷蔵庫はいっぱいで、新たなコンテナが8つ置かれていました。要冷凍のものなども常温で放置してあります。
もともと片付けは得意では無かった母なので、仕方ないとは思いますが、やはり食中毒などは気になります。古いもので当たったことはないと豪語しますが、劣化した食べ物で認知機能に影響が出るのも心配なので、頑張って処分し、可燃物の袋で17袋のゴミを捨てました。
ベランダに放置してあった食材も、消費期限を確認して処分し、部屋や冷蔵庫に入れました。甘い飲み物は認知機能を下げるため、200本以上処分しました。まだ食べられる物をコンテナに入れて平積みし、新たに買わずに、そこで探すようお話ししました。
蒼野は認知症の専門医ですが、いざ身内となると、こうするのが絶対に良いという方法がなかなか見つかりません。お菓子などの注文も箱買いが多く、それも2セット頼むために、とても消費できる量ではありません。良い知恵が無いのでネットで調べてみることにしました。
同じ物を何度も買ってしまうのは、単純に買ったことを忘れて注文するからでもあるようです。母親曰く、カタログで見て、家に無いと思って買うとのことでした。それが積み重なって、同じ洗剤が10本あったりするのですが、品物の山に埋もれて見つけるのも一苦労だったりします。目の前になければ、不安になってまた注文してしまうとのことでした。また買う時は楽しいとも言っています。買い物依存も少し入っている印象です。
一人暮らしで、家計も独立しているため、母の気が休まるなら薬の代わりなのかもと考えています。買い物をしないでと頼むことで、ストレスが溜まったり、かえって認知症が進んだりするのはよくありません。買わないよう3年前から繰り返し行ってはいるのですが、全く変わらないので、自分で買う必要がないと認識できるように工夫したいと思いました。
しかし、食べ物は消費できないまま捨てることになります。良い方法がないか検索しましたが、根本的な解決策は見つかりませんでした。物を買いすぎることで本人が困っていないのであれば、こちら側の発想を変えるしかないようです。
『過去と他人は変えられませんが、自分と未来は変えられる』は蒼野が大事にしている言葉です。なるべく同じものは買わないように声かけしながら、買っていても、やきもきしない事に決めました。ストックしてある物の古いものから、定期的に整理して捨てて行こうと思いました。
目くじらを立てて「また同じものを!」「もったいない」と非難しするのは、残り少ない一緒に過ごせる時間を、母にとって楽しくない時間にしてしまうように思います。3年前初めてストックの多さに気づいた時には責めてしまいましたが、以来いくら言っても、何も変わらなかったので、こちらの考え方を変えることにしました。
自分が子供の頃の話などは、質問すると楽しそうにたくさん喋ってくれます。今出来る事を目一杯やってもらうことが、認知機能を低下させないためにも一番必要なことになります。認知機能、運動機能の低下に気付いてから、サプリメントも買って送っているので、こちらも毎日飲むよう言いました。
毎日声かけして、片足立ちとラジオ体操は行ってもらおうと思っています。先週転んだこともあり、少し不安があったのか、蒼野らの帰り際に、今まで言ったことがない「一人になるのが寂しい」と言う言葉も漏らしました。「また来るから!」と帰りましたが、今年は帰る回数を増やそうと思いました。
足の踏み場が無く、つまずいて転びそうな廊下が広くなり、ストックの食糧が一眼で見えるように並べ、曜日が違うので出しきれなかった分別ゴミを、応接間が半分埋まるくらい並べて、今回は帰りました。片付け上手な妻がいて本当に助かりました。
今日は私事を書かせて頂きましたが、超高齢化社会に突入している現代では、同じような問題を抱える人は多いのではないかと思います。認知症やフレイルの進行を防ぐ事が、鍵になることは分かっているのですが、実行出来るかどうかは、それぞれの事情によってケースバイケースになってしまうのだと感じます。
ウチの母親に対する対策としては、
1、食欲低下や意欲低下によって、多様な食事が摂れなくなっていることに対しては、サプリメントで補うことや、宅配弁当を検討すること。
2、運動に関してはなるべく用事を作って外出してもらうことや、歩いて買い物に行く(これは気が進まない様子)、1日3回の片足立ち1分ずつとラジオ体操を習慣にする。
3、電話やLINEでのコミュニケーションの回数を増やし、暇を見つけて掃除とお喋りに帰る事。
の3つを続けてみようと思っています。
次は2月末の父親の13回忌です。生協のコンテナが増えていない事を祈っています。さてどうなりますやら?
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