ワクチン秋接種は熟慮の上で!

2023/09/21

アフターコロナと言われる時代となりましたが、新しい変異株「XBB」対応のワクチン接種が、昨日から始まったみたいです。この秋接種に関しては、多くのメディアや識者の話では、接種した方が良いという論調ですので、「安心のために」打つ人も多いのかもしれませんね。

 一方、日本経済新聞の社説では、「ワクチン秋接種は熟慮の上で」と言う論調も見られます。コロナが「5類」になってから、マスクなどのコロナ対策やワクチンの判断は、個人に委ねられるとされています。判断するためには、メリットとデメリットについて知る必要があると思います。蒼野が集めてみた、メリットデメリットについて書いてみたいと思います。

 コロナ以前の恐ろしい感染症としては、インフルエンザが挙げられます。コロナ前には毎冬インフルエンザにかかる人は1000万人居て、インフルエンザによる年間死亡者数は、高齢者や基礎疾患がある人を中心に、約1万人と推計されています。これは結構な数字ですよね!

 一方コロナですが、2020年の初めに、国内初の感染者が確認されてから、2023年の初めまでの感染者数は3380万人、死亡者数は7万4千人を超えました1)。数で言えば80代が最多で、90代、70代と続き、特に70代以上で糖尿病などの持病がある人にとっては、怖い病気であると言えるようです。

 40代以下では、死亡数はとても少ないです2)。ワクチンのコロナ発症予防効果は、抗体の減少と共に薄れることが知られており、ワクチン後早期になくなるため、ワクチンを打っても、感染したと言う人が、蒼野の周りを見ても結構おられます。ですから発症予防のためにワクチンを打つと言うのは、あまり意味が無いように感じます。

 本来ワクチンというのは、全く新しい病原体に対して、あらかじめ準備を行う為のものです。コロナワクチンに関して言えば、mRNAワクチンは、細胞の中でコロナウイルスの一部であるスパイクタンパクを作り、身体の免疫系がそれを病原と認識することで、本物のコロナウイルスが入ってきた時に、素早く対応できるというメカニズムになっています。

 そういう意味では2回以上打っていたり、感染の既往があれば、免疫に記憶が残っているため、ある程度の重症化予防効果は残っているはずです。2020年に未知の感染症として恐れた時期には、他に有効な対策が無かったため、接種に突き進んだのはある程度仕方がなかったのかもしれませんし、特に高齢者の重症化や死亡については、メリットがあったように思います。

 しかし時間が経って、ある程度研究や報告も進んできています。あまりワクチンのデメリットについて、メディアで報じられることは少ないのですが、蒼野が論文を調べてみると、気になるものが出てきていたので、お知らせしておきたいと思います。

 コロナ感染による死亡のメカニズムに、免疫血栓症という病態が提案されています。コロナウイルスのスパイクタンパクが、細胞のACE2受容体に結合することで、ウイルスは細胞内に侵入し、増殖します。そして感染時に大幅にACE2受容体の発現が減少することが分かってきました。

 ACE2受容体というのは、体のあらゆる場所、特に心臓、血管、腸、肺、腎臓、睾丸、脳などに発現しています。もともと体内にあるアンジオテンシンIIという物質が、ACE2受容体に結合すると、分解されるという作用を持っています。アンジオテンシンIIには、血管収縮、炎症の増加、血栓形成などの作用があり、ACE2受容体が減るとその作用が強くなります。局所の炎症や血液の凝固が生じやすくなるのです。

 また、感染によって、血小板にあるACE2受容体に、ウイルスのスパイクタンパク質が結合することによっても、凝固が亢進し、血栓を作るリスクが指摘されています。アンジオテンシンIIの増加と血小板への作用によって、局所の炎症や血液の凝固が生じるのです。これが重症化につながる可能性が指摘されています3)。

 過去の157の参照論文からのレビュー論文によれば、ワクチンによって作られるスパイクタンパクでも、この反応が起こるのでは無いかと疑われているのです。ワクチンの1回目では、できてくるスパイクタンパク質は多くはありません。けれども2回目の接種では、スパイクタンパク質に対する抗体は10倍から45倍も高くなります4)。これはワクチンを重ねてゆくと、過剰な反応が起こる可能性を示唆しています。

 ワクチンが作るスパイクタンパク質が、ACE2受容体に結合することで、血栓ができる人は、少ないかもしれませんが、これはワクチンの副作用としても記載されています。強い反応が起これば、命を奪う可能性も否定はできないのです。

 医療はメリットとデメリットの天秤で考える事が重要です。コロナワクチンの感染予防効果は、本当に短期間で、あまり期待はできません。高齢者やリスクのある人では、重症予防効果に寄与する可能性はあると思いますが、ワクチンの原理から考えると、5回目、6回目とどんどん打つ事で得られる効果は、それほど増えないように感じます。

 最初に行われたコロナワクチンの有効性と安全性を検討した臨床試験は、SARS-CoV-2感染が陰性であった被験者を対象としています。感染後の人や、ワクチンを打った人に対する試験では無かったのです。これらの論文を読むと、既に免疫を持った人に対してワクチンを打つと、非常にまれかもしれませんが、予期しない強烈な炎症反応や血栓形成を引き起こす可能性がある事が分かります。もちろんまだ確定ではありませんが….。

 5類にもなった現在、少なくとも健康な若者や小児において、SARS-CoV-2は「感染してはいけないウイルス」ではないと考えます。だからこその5類だと思います。それゆえ何度もワクチン接種を繰り返すメリットがあるかどうかについては、それぞれが考える必要があるのでは無いでしょうか? 

 蒼野の患者様にも、ワクチン後に帯状疱疹ウイルスによる神経痛がひどくなった人がいます。まだ1人もワクチンとの因果関係は認められてはいませんが、ワクチン後遺症を疑われるような病歴の方は、確かに居られるように思うのです。しかし今までに分かっているデメリットや、今後判明するかもしれないリスクについての、情報はあまり出回っていないと感じます。

 コロナワクチンに関しては、経済的な問題や、国際的な問題、政治的な問題などが複雑に絡み合っているように思います。自分で情報を確認し、「ワクチン秋接種は熟慮の上で!」という事を、皆様それぞれが、よく考えて頂きたいなあと思います。

 一番大事なのは、自分の免疫力をキープする事です。ストレスは溜めない、しっかり眠る、体を動かし、栄養のあるものをしっかり食べる、疲れたら休む、お腹の調子を整える、などやる事はたくさんありますよ! 元気にアフターコロナを楽しんでゆきたい蒼野でした。

参照ページ、文献: 
1)新型コロナ(COVID-19)リアルタイム情報  https://coronaboard.kr/ja/

2)新型コロナウイルス感染症について  国立社会保障・人口問題研究所
  https://www.ipss.go.jp/projects/j/choju/covid19/index.asp

3)SARS-CoV-2 vaccines: Lights and shadows. ; European Journal of Internal Medicine 88, June 2021, Pages 1-8

4)Toxicity of SARS-CoV-2 Spike Protein from the Virus and Produced from COVID-19 mRNA or Adenoviral DNA Vaccines. ; fortune journals 2023  7 ( 3 ) 121-138

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