生活にスパイスを+しましょう!

2023/03/11

 今朝の散歩は朝8時なのに13℃、少し暑いくらいの暖かさです。暑くなってくると食べたくなるのはカレーです。蒼野はスパイスが好きで、外食の選択肢には、いつもスパイスカレーが挙がります。そこで夏バテ予防にもなる、カレーの健康効果について、深掘りしてみることにしました。

 カレーの健康効果の秘密は、何と言ってもスパイスです。今日はカレーに含まれる代表的なスパイスについて、論文を調べながら書いてみたいと思います。まずカレーの黄色の元になるウコン=ターメリックです。ウコンにはクルクミンという成分が含まれており、漢方の生薬にも使われています。

 インド人にアルツハイマー型認知症が少ない原因は、このクルクミンにあるとされています。古代インドで薬として使われてきたスパイスで、強力な抗酸化作用、抗炎症効果があるため、関節リウマチなどの炎症性疾患に使われます。また癌の予防やアンチエイジング効果も期待できる成分です。肝機能の改善作用、便秘の改善、動脈硬化改善作用もあります。

 インド人のアルツハイマー有病率は、アメリカよりも4.4倍も低いと言われており、60~93歳、1010人の研究では、ほとんどカレーを食べない人に比べ、月に1回以上食べるだけで、MMSE(認知機能検査)が有意に良かったのです1)。インド人が有能である一因はここにありそうです。

 様々な文献の研究結果から、クルクミンは脂溶性で、その摂取は脳内に大きな影響を持っています。体内の有害金属の排出に寄与し、脳の慢性炎症、酸化ストレス、活性酸素を抑えることにより、アミロイドβの蓄積を抑え、アルツハイマー患者の記憶力や認知機能を改善します2)。

 次はクミンです。名前がクルクミンと似ていますが、ウコンとは全く別物で、馬ゼリの実です。カレー独特の香りの素であり消化吸収促進作用があります。体を温めるため、風邪予防、免疫力向上作用、肝臓保護などの効果もあります。こちらも成分のクミンアルデヒド、リモネンに、抗酸化作用や血行促進、食欲増進、リラックス作用などがあります。多くの鉄分を含むビタミン・ミネラル豊富なスパイスです。

 クミンも、脂質代謝異常、癌、糖尿病などの様々な疾患の治療に、伝統医療で広く使用されてきました。その作用はクミンアルデヒド、リモネンなどのテルペン、それ以外のフラボノイドやフェノールなどの薬理作用によるものであろうと解説されています3)。

 シナモンは、最近蒼野が毎日コーヒーに入れています。甘く、スパイシーな香りがあり、カレーに奥行きを与えるスパイスです。漢方でも桂皮という名前で、よく使われている生薬になります。血糖値を下げ、糖尿病、肥満予防作用や、強い抗酸化作用があるため、アンチエイジング効果も期待できます。

 2型糖尿病患者44人のランダム化試験では、シナモン3g/日とプラセボで、8週間経過観察しています。シナモン群では、空腹時血糖、HbA1c、トリグリセリド、体重、BMI、体脂肪量が有意に改善し、プラセボ群では変化がありませんでした4)。

 その後のレビュー研究でも、1995年から2015年のシナモンについての論文から、メタボリックシンドロームに対する影響が検討されました。脂質異常症、高血糖症、高血圧、肥満などはシナモンによって改善され、心血管疾患による罹患率および死亡率を予防することができると結論づけられています5)。

 次はカルダモンです。「香の王様」と言われ、甘くエキゾチック、そして爽やかな香りが特長です。インドでは食後にこの粒を噛み、口腔の健康の改善と、香りのデザートとして楽しんでいるそうです。アロマとしても使われ、消化不良や胃腸障害、ストレス緩和、呼吸器系の疾患などに有効で、フェノールやフラボノイドによる、抗酸化作用、抗炎症作用が証明されています6)。

  コリアンダーはパクチーの実を乾燥して粉にしたものです。古代より消化を助ける胃薬として利用され、食欲増進に役に立ちます。解毒作用をもつ硫黄化合物を含み、重金属の排出も促します。抗微生物、抗酸化、血糖降下、脂質降下、抗不安、鎮痛、抗炎症、抗けいれん、抗癌作用など、様々な研究論文があります8)。

  最後はカイエンヌペッパーです。これは唐辛子で、有効成分はカプサイシノイドです。体重管理に対する研究が多く、20件の研究(563人)を集めたメタ解析では、カプサイシノイドの摂取により、エネルギー消費が約50 kcal/日増加し、腹部の脂肪組織を有意に減少し、食欲を低下させてエネルギー摂取を減少させることが観察されました9)。

 その他にも、蒼野があまり名前に馴染みのない、クローブやフェヌグリークなどのスパイスも、抗酸化作用、抗炎症作用、糖尿病改善作用などの文献がある様です。食べるなら市販のルーのカレーよりも、スパイスを沢山入れたカレーが食べたいですね。自分で作るとなると奥が深そうで、のめり込んでしまいそうです!

 以上の研究を見ると、特にメタボや物忘れが気になったり、アンチエイジングを望む人にとって、大きな武器になる食材が揃っている様に思われます。辛いものは苦手とか、カレーは好きではないと言う方もおられるかもしれませんね。そういう方はお茶やスムージー、料理に好みのスパイスをちょっとかけるだけでも、手軽に食生活に加えることができる様に思います。

 料理の味付けにも、ターメリックやコリアンダーは使いやすいと思います。辛い物好きなら、唐辛子系はマストですね。妊婦さんや授乳中の方は避けた方が良いものもある様なので、調べて使ってみて下さい。スパイスは漢方の生薬にも多く認められており、伝統医療で、長く使われてきたものが多いです。自分の好みのスパイスが見つかると良いですね。

 お汁には七味唐辛子をかけ、毎日コンビニコーヒーに、シナモンを入れて飲んでいる蒼野でした。もっとスパイスカレーの頻度を多くしたくなりました! 

参考文献:
1)Curry consumption and cognitive function in the elderly. Am J Epidemiol. 2006;164:898–906. 

2)The effect of curcumin (turmeric) on Alzheimer’s disease: An overview. ; Annals of Indian Academy of Neurology、14(2): 144-147 (2011)

3)Cumin (Cuminum cyminum L.) from traditional uses to potential biomedical applications. ; Chemistry Central Journal、6(1): 154 (2012)

4)Effects of Cinnamon Consumption on Glycemic Status, Lipid Profile and Body Composition in Type 2 Diabetic Patients. ; International Journal of Preventive Medicine、4(10): 1176-1182 (2013)

5)Cinnamon effects on metabolic syndrome: a review based on its mechanisms. ; Iran J Basic Med Sci. 2016 Dec; 19(12): 1258–1270.

6)Chemical Composition and Antioxidant Activities of Essential oil from Leaf and Stem of Elettaria cardamomum from Eastern India. ; Journal of Essential Oil Bearing Plants.  24 (3) : https://doi.org/10.1080/0972060X.2021.1937335

7)Effect of Coriander Seed (Coriandrum sativum L.) Ethanol Extract on Insulin Resistance and Inflammatory Parameters in Diabetic Rats. ; Iranian Journal of Medical Sciences、42(2): 127-133 (2017)

8)Coriander (Coriandrum sativum L.) and its bioactive constituents. ; Fitoterapia、103: 9-26 (2015)

9)Capsaicinoids and capsinoids. A potential role for weight management? A systematic review of the evidence. ; Appetite. 59 (2): 341-8. (2012)

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