飲酒しながらの筋トレは勿体無い!

2022/03/28

 ボディメイクをしている時に、お酒って飲んだらどうなるのでしょうか? 今日はまた左党には、ちょっと耳を塞ぎたくなるようなお話をしてみたいと思います。

 蒼野自身は、大学の体育会系の部活で、練習と、試合と飲みと言うのがセットになっていて、何も疑わずにそのまま社会人になったので、大体毎日飲んでいました。独身の時は漫画の『レモンハート』を読んで、お酒のウンチクにも興味を持ち、自宅に様々な種類の酒瓶を並べて悦に入っていたこともあります。

 気をつけて運動もしていたので、健康診断の数値が、脂肪肝や、肝障害にならなければ、止める必要もないと思っていたのです。でも徐々にふくよかになり、10年前から糖質制限は始めましたが、お腹周りの浮き輪が気になる様になりました。そこで5年前に思い切って、オンラインのパーソナルトレーニングに参加しました。

 3ヶ月筋トレを続け、5kgほど痩せて、筋肉も少しつきました。糖質のあるビールや日本酒は避けていましたが、ポリフェノールが身体に良いと思い、赤ワイン夕食に2~3杯はやめませんでした。また時々は焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は飲んでいました。筋トレを始めた時点の目標は、自分の腹筋を見る!だったのですが、横腹から背部にかけての浮き輪がどうしても取れず、年齢だから仕方がないのだろうと思っていました。

 その後も細々と筋トレは続け、体重が極端に増えることはありませんでした。有酸素運動を増やしたいと思い、自転車通勤を始めました。その結果、ご存じのような事故に遭ってしまいました。そして退院時に主治医の先生に、神経損傷を治したいのなら、飲んだらダメですよ!と言われたのです。退院したら、思い切り飲もうと思っていたのでショックでしたが、止めることにしました。

 しかし、お酒をやめて毎日歩く様になると、どうやっても取れなかったお腹の浮き輪がみるみる減っていき、腹筋が見え始めました。蒸留酒は太らないと書いてあったのになあ、と思い調べてみると、今まで思い違いをしていたことが幾つかありましたので、ご紹介します。

 アルコールを体内に入れると、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールが増加してしまう様です。コルチゾールには、余計についた筋肉を分解して糖新生する作用があります。血糖値を上げて、脂肪の蓄積を進め、脂肪の減少を抑えてしまいます。筋肉が、日常生活に影響するほど減ることはありませんが、筋肉が減少することで、代謝が低下し、太りやすくなるのです。

 また筋トレをすると、筋肉を成長させるための、男性ホルモンであるテストステロンが分泌されるのですが、アルコールはこのテストステロンの分泌を抑制します。筋トレをして、プロテインを飲んでも、夜お酒を飲んでしまえば、筋肉の合成は妨げられるのです。またアルコール量が多くなれば、肝臓でタンパク質を消費しながら代謝されることになります。せっかくタンパク質を摂取しても、筋肉の修復に回りにくくなります。

 苦しい筋トレをやり切って汗をかいたら、シュワーッとしたビールをぐびぐび飲んで、ストレス解消したくなる気持ちは分かります。しかしストレスで、コルチゾールが出ているのに、さらにアルコールでコルチゾールを出すと言うのは、全然、解決になっていません。

 「お酒はエンプティカロリー。飲んでもすぐにエネルギーになるから太らない」と言うのは、ある意味本当ですが、おつまみを一緒に食べると太ります。確かにアルコールは直接、脂肪に変わることはありませんが、カロリーはあります。ジョッキのハイボールで約200Kcal! ご飯小盛り1杯分です。美味しい居酒屋でおつまみと共に、杯が進んでいけば、馬鹿にならないカロリーです。

 アルコールが、エネルギーとして消費される分、食べたおつまみのカロリーは確実に、脂肪に変わってゆきます。アルコールには食欲増進作用もありますので、談笑しながら食べたり、2次会、3次会と進んでゆくと、せっかく運動して減らしたのが、一晩でチャラ、悪ければかえって太ってしまうことになりかねません。

 お酒を飲むと利尿作用があることと、脱水になることに加え、代謝の際に出てくるアセトアルデヒドが、交感神経を刺激するために、夜中に目が覚めてしまうことが多くなります。きちんとした睡眠サイクルが破壊されてしまうのです。筋肉を作るには良質な睡眠が不可欠ですが、それも障害されてしまいます。

 YouTubeなどで断酒した人の動画などを見ても、お酒を止めるだけで、食事や運動を変えなくても、2~3ヶ月で5kgくらいは、自然に減ってゆく様です。お酒は、依存性の強い化学物質ですので、止めることなんか考えられない、と言う人も多いと思いますので、ボディメイク中の飲酒の注意点を書いてみます。

 一番大事なのは飲みすぎないことです。目安としてはアルコール量で20g以下。ビール:ロング缶1本(500ml)、日本酒: 1合(180ml)、ワイン: 2杯弱(200ml)、ウイスキー:ジョッキなら1杯(40ml)以下に抑えましょう。

 脱水を防ぐためにも、同量~2倍くらいのチェイサー(水)を飲みましょう。おつまみはアルコール代謝に必要なタンパク質を中心にし、お酒のカロリーを考えて、鶏肉や魚類、サラダなどの、低カロリーで栄養素が豊富なものにしましょう。揚げ物などはNGです。食後のラーメンや、お好み焼き(蒼野は広島人!)には目もくれない様にしましょう!

 筋トレ直後は、アルコールの吸収スピードも高まっているため危険です。筋トレ直後に筋肉合成が行われるため、本当に勿体無いです。筋トレ直後はプロテイン+EAAの一択がオススメです。

 本気でボディメイクしている間に飲むのなら、せめて週1回、チートデーとして適量を飲むのがおすすめです。代謝が撹乱されて、刺激となるため、ボディメイクの停滞を防ぐ効果が得られる可能性があります。その楽しみのために、他の週6日は、しっかりと筋トレと食事コントロールを行えば、お酒を飲みながらのボディメイクは成功します。

 何度も言いますが、アルコールは依存性のある薬物です。酒税は貴重な収入源ですので、日本ではまだ禁止の方向性も見えてきません。メディアも大事なスポンサーである、アルコール企業にマイナスになるような情報は流しません。色々調べてみると、我々は若い時から、ずっとお酒は良いもの、楽しいもの、大人の楽しみで百薬の長、と洗脳され続けてきています。

 本当にアルコールって飲むだけで楽しくって、無くてはならないものなのでしょうか? 飲みましょうと言って、集まって色々話をすると楽しいですが、それはアルコールがなくても楽しめたりしないでしょうか? 蒼野は沢山飲むと、忘れてしまうので、楽しかったのだろうけど、ほとんど覚えていないことも多かったです。最近提案されている、ソーバーキュリアスという考え方を、みんなに知ってもらいたいと思います。

 蒼野は事故が無かったら、まだ毎日飲んでいたと思います。でも止めてみて、初めて分かった熟睡感や、朝の清々しさなどは、今では失いたくないものになっています。と言うことで、蒼野自身も、仕方なく断酒して、体脂肪率が9%台になり、自分でもびっくりするくらい、身体が変わったと言うことをお伝えしたいのです。

 最近『禁酒セラピー』という本を読んで感化され、脳が萎縮しているお酒飲みの患者さんに、しきりに断酒を勧めている蒼野でした。

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