昨日のブログで、肥満や病気に関する腸内細菌との関係を、書かせて頂いたのですが、具体的に生活に取り入れるにはどうしたら良いんだよー!と言うことで、デブ菌を減らして、痩せ菌を増やす生活習慣について、書いてみたいと思います。
参考書籍は、蒼野も沢山本を持っている、尊敬する藤田紘一郎先生の『ヤセたければ腸内「デブ菌」を減らしなさい!』です。寄生虫学の大家で、自分の身体の中で、サナダムシを飼って、名前まで付けていたと言う個性的な先生で、腸内研究の本もすごく面白いのです。
さて、ヤセ菌とデブ菌を移植したマウスの実験で、デブ菌の移植で、マウスの体脂肪が2割増加したと言う結果は昨日書きました。また便移植療法でも、肥満している人から移植を受けた痩せ型の人が、腸の病気は治ったけど太ってしまった、という報告は多く挙げられています。
「そんなに食べているつもりはないのに、痩せられない」と思っている人は、腸にデブ菌が多く住みついている可能性があると言うことです。同じ様にダイエットしても、痩せない。食べたらかえって太るのでは困りますよね。それではどうしたらデブ菌が退治できるのでしょうか?
我々の腸内にいる細菌は、健康な状態では、善玉菌である「アクチノバクテリア門」が2割、悪玉菌の「プロテオバクテリア門」が1割で、残り7割が日和見菌です。日和見菌の中に、デブ菌=「フィルミクテス門」とヤセ菌「バクテロイデス門」が属しています。日和見菌は腸内が善玉菌優位の時は、善玉菌を味方し、悪玉菌優位になると悪玉菌の味方になります。中でもデブ菌は悪玉菌、ヤセ菌は善玉菌に加担する傾向があるのです。
世界中の腸内細菌のデータでは、痩せ型の人が多いアフリカの原住民は、食物繊維が多く低カロリーな食生活を送り、善玉菌、ヤセ菌が優勢になっています。肥満体型の多い欧米人は、食物繊維が少なく、高カロリーな食生活を送り、悪玉菌、デブ菌が多くなっているのです。
アフリカの原住民の食事と欧米人の食生活を2週間交換すると、アフリカ人が太り、アメリカ人が痩せたという研究があるのです。デブ菌は脂肪や糖質の多い高カロリーの食事を好む傾向にあり、また添加物を多く摂取している人、規則正しい生活リズムでない人で優勢になりやすいとされています。
デブ菌を減らし、ヤセ菌を増やす食事として、藤田紘一郎先生が勧めておられるのが、『酢キャベツ』です。キャベツには水溶性と不溶性2種類の食物繊維がバランスよく含まれていて、善玉菌のエサになります。善玉菌が増えると、ヤセ菌「バクテロイデス門」が増え、脂肪の吸収を抑えながら同時に燃焼させる短鎖脂肪酸を作ります。
短鎖脂肪酸は腸内では、①弱酸性で腸内を弱酸性に保つことにより悪玉菌の増殖を抑えます。②大腸のバリア機能を高め大腸を保護します。③カルシウムやマグネシウムなどの重要なミネラル体内への吸収を高めます。④大腸粘膜を刺激して蠕動運動を促します。
短鎖脂肪酸の95%は大腸粘膜より吸収され、消化管の粘膜上皮細胞の大切なエネルギー源となります。また脂肪細胞に多く存在するGPR43という受容体に結合し、インスリンが脂肪細胞にブドウ糖を送り込んで、脂肪に変換して肥大させる働きをブロックします。つまり太りにくくなるのです。
また短鎖脂肪酸は、交感神経に多く存在しているGPR41と言う受容体に結合することで、交感神経を刺激し、エネルギー消費が増大することで、痩せやすくなることも分かっています。また腸管ホルモンや直接脳に作用して、食欲を抑える働きもあるのです
酢に含まれる酢酸は、短鎖脂肪酸の一つであり、腸内の悪玉菌を減らし、腸から速やかに吸収されることで、同様に肥満抑制や食欲抑制に関わります。値段もお手頃ですし、毎食、主食としても食べることができる『酢キャベツ』は最強の組み合わせかもしれませんね!
ダイエットだけではない『酢キャベツ』の効果としては、ビタミンCやビタミンB群、ビタミンUなども含まれていることから、便秘解消、美肌効果、疲労回復、冷え、不眠、イライラの解消などにも効果が期待できます。それでは『酢キャベツ』の作り方です。
【材料】キャベツ…大1/2玉(500~600g)、塩…小さじ2、酢…500ml、
粒マスタード…小さじ2(お好みで)、保存用袋…1枚
【作り方】 1. キャベツは洗って千切り 2. 保存袋に入れて塩をふり、空気を入れ閉じる
3. 袋を上下に振り、塩を全体にまぶす 4. 袋を開けて酢を注ぎ入れ、空気を抜いて袋を閉じる
【ポイント】冷蔵保存で2週間美味しく食べることができる。
酢は、お好みの醸造酢(穀物酢・米酢・果実酢・黒酢)を使ってください。
食べ方としては、食事の最初に100g食べるだけです。酢も合わせて飲みましょう。ダイエット時の食事の鉄則である、最初に食物繊維が摂れることになります。デブ菌を増やす、炭水化物や糖質は控えめにしましょう。酢が苦手なら味噌汁に入れたりしても良いです。続けやすい食べ方を工夫しましょう。作ってみると結構酸っぱいので、好みは分かれるかもしれませんね!
蒼野としては、これにサプリメントとしての食物繊維を加えるのも良いと思います。一つ目は難消化デキストリンです。ジャガイモや米、トウモロコシなどのデンプンに多く含まれている食物繊維成分を取り出したものです。水にも溶やすく、無味なのでコーヒーやお茶に入れて摂取できますし、直接食事に振りかけてもOKです。
もう一つ、短鎖脂肪酸のブログのところでも書いた、「グァー豆」から作られたグアーガム分解物は、最も酪酸(短鎖脂肪酸)を産生する比率が高い食物繊維になります。すごくお勧めです。やはり毎食、食物繊維は豊富に摂った方がベターですので、便利ではないかと思います。『酢キャベツ』にかけるのは、最強ではないでしょうか?
もちろん多様な食材を食べると、多様な腸内細菌が生育するため、プレバイオティクスとして、1週間に30種類以上の野菜や果物、きのこなどを食べることが理想です。しかしダイエット中は、難しかったりしますよね!
特に蒼野がお勧めする、ケトジェニックダイエットでは、摂取脂肪が多く、デブ菌の餌が多くなるため、ヤセ菌の育成の対策が必要だと思います。『酢キャベツ』+ケトジェニック、是非やってみて下さいね。
美味しい春キャベツを買いに行こうと思う蒼野でした。
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参考書籍:ヤセたければ腸内「デブ菌」を減らしなさい! 藤田 紘一郎
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