昨日は糖質依存症のお話を書いたのですが、それが良いと分かっても、なかなか自分の生活に取り入れることは難しい人が多いことと思います。蒼野も一気に変化できた訳では無く、少しずつ、習慣が変わって、その結果、健康状態や気分、体重などが変化し、体調が良くなったことでそれを続ける気持ちになったと言うのが正直なところです。
今日は習慣にするという事について、書いてみたいと思います。生活習慣病という言葉は皆さんご存知ですよね! 悪い習慣を続けることで、少しずつ健康が侵食されてゆき、ある日突然、病気を発症するということです。一番大事なのは、悪い習慣を続けないという事です。
しかしヒトは、習慣になったものは、簡単には変えられない習性があるようです。依存性があるものに対しては尚更です。麻薬、覚醒剤、アルコール、タバコなどは分かりやすいですよね。昨日から書いている、糖質やスマホ、ゲームなどもやめられない人を沢山、目にします。
逆に言えば、行動を変えて習慣にできれば、健康も人生も変わってゆきます。皆さんはこうやったら良いと言う知識は、十分に持っていると思います。しかし行動を変えるには、知識や情報だけでは不十分です。
行動が起きる3つの要素は、モチベーション、能力、きっかけです。例えば糖質依存をやめようと思うことについて書いてみましょう。「知らない間に、こんなに体重が増えて、お腹もぽっこりしてきて、持っていた服が着れなくなり、少し動いてもきつい。だから痩せなくっちゃ」と思ったとしましょう。これがきっかけです。
糖質制限を始めようというモチベーションが高い状態です。しかしモチベーションだけで始めると続きません。3日坊主と言う言葉がありますが、簡単にできるという能力が無ければ、続けてゆくことが出来ません。私は一度決めたことは、目標達成まではやりきりますよ、という意思が強い人も多くおられます。しかし目標達成後にも、続けなければ、リバウンドは確定です。
かくして糖質制限ダイエット生活がスタートします。それまで、美味しいお菓子や、ご飯、麺、パンを、満足するまで食べていた人にとっては、2週~4週くらいがきつい時期です。蒼野も経験がありますが、特に小麦や砂糖は禁断症状と言うか、食べたくてたまらなくなります。我慢する能力の限界を越えるとダイエット自体をやめてしまいます。
食欲を満足させるタンパク質と脂質を増やすことが重要です。脳の欲求に対しては、ラカントの甘み、糖質の少ない果物や、脂肪の多い美味しい食べ物で騙しましょう。我慢の限界を越えそうな時には、チートデーとして、1食だけ好きなものを、思う存分食べるのも良いですね!食べてしまったから、ダイエットは失敗と思って、やめてしまうのが一番勿体無いです。
全ての糖質依存を、短期間で解除するのは困難です。蒼野はまずは小麦からでした。パン、麺、餃子、美味しいですよね! やめようと思ったきっかけは、本を読んだことです。『いつものパンがあなたを殺す』とか「小麦は食べるな!』とかを読むと、食べたくないモチベーションがグーンと高まりました。
最初は我慢です。グルテンの依存性はとても強く、TVなどで美味しそうなパンや、麺、特に大好きだった餃子などを目にすると、めっちゃ食べたくなりました。我慢の限界で2週間ほどしてから、近くの美味しいパン屋さんに行って、久しぶりに食べると、胃がもたれ、気分が悪くなったのです。小麦アレルギーがある訳ではないのですが、身体に本当に悪いと実感出来た事で、ようやく食べる気が無くなりました。
クリニックで患者様にアドバイスしてみると、「パンをやめたら、片頭痛日数が半分になりました」とか、「気分が明るくなりました」と嬉しそうに話してくれる方がおられるので、皆様にも勧めたいと思うようになりました。看護師さんから付けられたあだ名が『グルテン先生』です(笑)。
少し横道に外れました。新しい習慣は、やりながらそれを毎日記録する事が必要です。糖質制限が少しでも出来た日には、「よし!」とか「やった!」と言って、祝福しましょう。うまくいったという感覚が、新たな習慣を取り入れてゆくエネルギー源になって、続けてゆこうと思うことができます。また小麦のように、今まで気づかなかったデメリットに気付ければ、大きく習慣に近づきます。
行動は繰り返すほど、簡単になってゆきます。簡単であればあるほど、その行動は習慣になる可能性が高まるのです。一般的に食事の習慣化には66日かかると言われています。運動に関しては91日かかると言われているので、これはまた別の日に書いてみたいと思います。簡単に習慣にできるものと、難しいものがあると言う事です。
映画館でポップコーンを食べるかどうかの研究実験があります。1週間放置して、不味くなったポップコーンと作りたてのポップコーンの両方を、映画を見る参加者に渡して食べてもらった時に、映画館でポップコーンを食べる習慣がない人は、つくりたてのポップコーンは平均して70パーセント、古くなったポップコーンは40パーセント食べられていました。
しかし映画館でポップコーンを食べる習慣がある参加者に食べてもらったところ、どちらの袋も60パーセント以上が食べられていたのです。味について訊くと、不味いポップコーンは最悪だったと答えているにも関わらず、習慣があると食べてしまうことが分かりました。習慣って恐ろしいなあと、蒼野は思います。
悪い習慣をやめたい時に一番有効なのは、きっかけを減らすことです。不味いポップコーンも目の前に無ければ、わざわざ買って食べません。糖質制限で言えば、グルメ番組は見ない。外食は控える。手の届くところに、減らしたいと思うお菓子や糖質は置かない。簡単に食べられる物として、糖質が少ないものを用意することです。意志の力、モチベーションだけではどうにもなりません。
現代において、簡単に食べられるものは、糖質が圧倒的に多く、健康的な食生活を習慣にするには、環境を変える以外にはありません。現実的には、自宅の冷蔵庫の中身を変えることが重要です。冷蔵庫の中に、簡単に食べられる野菜、肉、卵、チーズ、バター、生クリームなどを揃えましょう。週に1回作り置きして、お腹が減ったときに、取り出してすぐに食べれるようにしましょう。
昨日も書いたように、糖質に変わる美味しいものをメインに食べて、満足できれば、糖質は少量で満足できます。モチベーション、能力、きっかけがコントロール出来れば、行動が変わります。行動を続ければ習慣になります。良い習慣が身に付けば、健康になり、人生が満喫できて、幸せになります。
モチベーションは、悪い食べ物や習慣について、ちゃんと知って自分への影響を実感すること。能力は、野菜嫌いを克服したり、タンパク質を増やしたり出来るかどうか。環境が一番大事で、糖質を含むインスタントものやお菓子、超加工食品などを排除して、簡単に食べれないようにすることと、身体に良いものを簡単に、いつでも食べれるように用意しておくことになります。
出来る事、小さなステップから徐々に変えてゆきましょう。時々なら、外食したり、悪い物を食べるのも良いと思います。基本の食事習慣が出来れば、太り続けたり、病気になったりする確率は激減します。皆様が、現代の依存ビジネスに騙され続けないことを祈っております。
「身体に悪い食べ物が廃れ、身体に良い安全な野菜や果物、タンパク質が、市場に溢れているような社会になったら良いなあ」と本気で思っている蒼野でした。!
参考書籍: 習慣超大全 BJ・フォッグ
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