ギャップモチベーションは第3のやる気!

2022/02/07

 北京オリンピックが始まりましたね。4年に1回の大会、金メダルはこの上ない名誉でもあり、取った人の人生を変えてしまう大きなご褒美ですよね。金メダルに挑むトップアスリートは、どんなメンタルで、毎日、4年間も目標に向かって努力しているのでしょうか?

 我々にも応用可能な、溢れてくるモチベーションを作る方法についての話を読んだので、今日はそれについて書いてみたいと思います。心理学・脳科学に裏付けられた、誰でも目標達成のためのモチベーションを、高められる方法です。

 モチベーションには3つの種類があります。「ハイモチベーション」 、「アクションモチベーション」 、「ギャップモチベーション」の3種類です。

 「気合いだ! 気合いだ! 気合いだ!」新年の目標などはこれが多いですね。「今年は絶対痩せて、筋トレで筋肉をつけて、腹を6パックに割ってやる」と、無理やりテンションを高めて、やる気を出そうとするのが「ハイモチベーション」です。

 3日坊主という言葉があるように、急に高めたモチベーションは、すぐに下がってしまいます。気合い十分な状態というのは一種の興奮状態で、興奮したものを元に戻そうとする人間本来のシステムのために、長続きはしません。気合だけで、モチベーションはキープし続けるのは困難です。

 「何かをしようと思ったら、まずはベイビーステップから!」これもよく聞くアドバイスですよね。脳科学的にも正しい方法で、なるべく簡単な事を、まず始めてしまうことで、脳の中の扁桃体が刺激され、やる気ホルモンが出てきます。「6パックを作るために、毎日1回で良いので腹筋をする」などがこれにあたり、「アクションモチベーション」と呼ばれています。

 一度動き始めると、そのぶんの元を取ろうとする心理が働き、腹筋を1回行うと1回で終わらせるのは勿体ない。もう少し続けてみようと思えるようになり、腹筋の回数が自然と増えていくのが狙いです。同じ行動を繰り返すことができれば、人は66日で習慣にすることができるので、とても良い方法でもあります。

 しかし「毎日のその1回をする気にならない」という人も多いのではないでしょうか? やる気が出ない状態から、最初のアクションを起こすのには、実は強靭な意志の力が必要なのです。そういう意味では万人向けの方法ではありません。

 私たちが「最も簡単に」やる気になることができて、かつ長続きするのが、3番目のやる気である、「ギャップモチベーション」です。これは「理想」と「現実」を埋めようとする心の働きがもたらす、パワフルな「やる気」の源です。

 脳はそうなりたいと強く思った理想の姿が明確であれば、現実との差を埋めるように働くようにできているのです。例えば終電に乗り遅れるといった場面で、あなたは走り出しますよね。この時走るためのやる気があるから走れたのでしょうか? 「急がないと」と思うと、勝手に走ってしまったのです。これがあなたの中で勝手に生まれてしまう、“第3のやる気”ともいわれる「ギャップモチベーション」のメカニズムです。

 オリンピックに出るような超一流のアスリートは、この方法でモチベーションを保ち、当たり前のように毎日、厳しい練習を続けることができています。「オリンピックで金メダルを獲りたい」と強く思う理想の姿があって、「表彰台の真ん中に立っている自分の未来の姿」を明確にイメージすることで、何の成果も出ていない今の自分とのギャップを埋めるべく、1日も休まずに、モチベーションが続いていくのです。

 これは強靭な意志の力がなくても、誰にでもできるモチベーションを保つ方法です。そのために必要なのは、理想の立て方で、二つの方法があります。未来記憶と過去記憶です。

 未来記憶とは、未来の自分の姿を、強い感情とともに明確に想像して脳に刻む、未来の記憶です。「半年後にベストボディジャパン(BBJ)の舞台で、仲間の声援と拍手を受けながら、6パックの腹筋を披露する!」といった強い感情を持ちながら「こうなりたい!」「これを実現したい!」とイメージすると、それを脳が未来記憶として保存され、未来記憶と現実との間にギャップを感じることで、自動的にやる気がおこり、目標に向かって行動できます。 

 具体的には、自分の理想を実現させたときの場面を、五感を使ってイメージします。どこにいるか? どんな風景が見えるか? 誰にどんな声をかけられ、自分はどんなことを話しているか? どんな気持ちか? などの想像を膨らませ、感情を込めてイメージします。実現した場面であなたが発する言葉を実際に、感情を込めて、口に出して言ってみて強く記憶へ定着させましょう。

 これを毎日5回以上、繰り返すことで、五感、感情、反復、で未来記憶が定着します。わかっていてもこれを滅多にやる人はいないため、やった時点で差がついています。人間が得ている情報の割合は視覚が87%と圧倒的なので、自分の写真をBBJの舞台の上に貼って、グランプリを獲った合成写真を毎日見続けるだけで、ギャップモチベーションは最高のパワーを発揮するのです。

 過去記憶の場合は、自分の過去の記憶。過去の記憶と現実とのギャップを感じることで、ギャップモチベーションが生まれます。例えば、ボディメイクを半年頑張ってきたのに、お正月に飲み過ぎて体重やお腹周りがダイエット前に戻ってしまった時に、「マズイ!折角新調したオーダースーツが着れるように戻りたい!」など、過去の自分と今の自分を比較して、脳がギャップを感じると、自然とダイエットにつながる行動ができるようになります。

 過去記憶でも「マズイ!」「嫌だ!」など、強い感情が伴うと脳への刺激が強くなり、ギャップモチベーションを発揮しやすくなります。過去に様々な体験がある人ほど、モチベーションが自然に湧いてきやすいのです。

 蒼野の場合も、交通事故で複視が残り、車も運転できなくなり、大好きだったゴルフやスノーボードにも行けなくなった現実と、事故以前の楽しかった過去記憶とのギャップを埋めたくて、「何か他に出来る事を証明したい」「残された人生を人の役に立つことに使いたい」という強い感情が生まれたために、ブログを書くというモチベーション、毎日身体を鍛えることが続いているような気がします。

 皆様も、理想の自分の未来を、感情を込め、五感を使って想像し、声に出しましょう。毎日それを繰り返してゆけば、自動的にモチベーションが湧いてきて、未来が大きく変わってゆくはずです。是非やってみて下さいね!!

参考書籍: 神モチベーション 「やる気」しだいで人生は思い通り   星 渉

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