沖縄のおばあの長寿の秘密!

2023/02/02

 人生100年時代と言われだしてしばらく経ちますが、なかなか身近の「百歳人(センテナリアン)」にはお目にかかりませんよね。当ブログのタイトルにある「Blue Zone」は世界の長寿地域を指す言葉です。またペンネームの蒼野もブルーゾーンからの名前にしています。健康長寿をテーマにしている自分としてはピッタリだと思っています。

 現在、健康情報は氾濫と言っても良いくらい、様々なことが発信されています。蒼野自身も、どんな生活習慣がベストであるのかはまだ確信が持てておりません。人類の元々のDNAを考えれば、食事は原始時代に近づけるのが自然であるとも思えますが、調べてみると人類は、住んでいる地域によって驚くほど違う食生活を送っています。

 健康長寿を目指すには、健康長寿の人から学ぶのが最も合理的です。100歳を超えても実際に元気で暮らしている人の生活には、大きなヒントが隠されていると思います。今日は「百歳人(センテナリアン)」の生活について報告している本『BLUE ZONES 2ND EDITION』から、沖縄の長寿者について紹介したいと思います。

 沖縄は2000年までは間違いなく世界一の長寿地域でした。平均寿命は2000年時点で男性78歳、女性86歳です。最も重要な健康寿命は男性72.3歳、女性が77.7歳で、その差は5.7年と8.3年です。2021年の日本の平均寿命は男性 81.47歳、女性87.57歳で、健康寿命との差は男8.79年、女12.19年と、沖縄は3~4年も介護が必要な年数が短かったのです。

 平均寿命と健康寿命が近づき、ピンピンコロリでこの世を去るというのは、誰もが理想とする健康な生き方だと思います。そのヒントがかつての沖縄の生活に隠されているという事になります。残念ながら現在の沖縄は、急激な欧米型の食習慣の普及と、自動車生活による運動不足などから、肥満や糖尿病が激増し、かつての長寿地域は消滅しかかっています。

 しかし、2015年時点で75歳以上の割合は男女共に日本一です。65歳以上の人の平均余命も男性は第6位ですが、女性はいまだに第1位をキープしています。それでは現存する沖縄の長寿者の生活から、健康長寿のヒントを探してみましょう!

 長寿には遺伝が関係しますが、その影響は25%程度と言われています。75%は生活習慣、ライフスタイルによるものということになります。一人目は大宜味村に住む104歳の奥島ウシおばあです。畳敷きの典型的な沖縄木造住宅に住み、毎日自分の畑で働き、時には近くのマーケットで果物を袋詰めする仕事をしています。

 1日の大半は孫たちや、幼い頃からの3人のお婆さん仲間と過ごし、野菜だけの夕食を食べて寝る前によもぎ酒を1杯だけ飲んでぐっすり眠ります。自分の畑から採れた野菜を毎日たくさん食べ、周りの人を思いやり、気持ち良くさせ、将来を少しも心配せず、歳をとるのが楽しみという生活を送っています。

 二人目は本部半島に住む102歳の中里カマダさんです。村で女性の神官=ノロを務める血筋で、毎日森で、先祖に祈りを捧げています。第二次対戦前の沖縄の生活は厳しく、飢饉でたくさんの人が亡くなりました。年に何回も台風に襲われるため、農作物も被害を受けます。

 カマダおばあも、慢性的な栄養不良の中懸命に働き続け、カロリーの8割は、台風でやられにくいサツマイモから得ていました。高齢になってからは、朝6時に起床、味噌汁と野菜で朝食を摂り神聖な森で祈りを捧げます。ご飯にはよもぎを混ぜ、味噌汁にはウコンを入れますゴーヤチャンプルーには時々豆腐を加え、肉は旧正月のお祝いの時しか食べません。

 近くにあるファストフード店の物を食べることはありません。自分の畑で採れた大根、ゴーヤ、ニンニク、玉ねぎ、唐辛子、トマトとわずかな魚と豆腐を食べて生きています。一日中熱いさんぴん茶(ジャスミン茶)を飲みます。食事の量は腹八分を守ります。さつまいもは50年間食べ続けて飽きてしまい、今は食べていないそうです。

 長寿の秘訣を聞かれたカマダおばあは、「他人に親切にして、笑顔を絶やさないこと。物事をくよくよ考えず、自分が作った野菜を食べること。」と答えています。毎日夕方になると、近所の友人がカマダおばあを訪ねます。賑やかにおしゃべりし、笑い合います。

 沖縄の伝統的なソーシャルネットワークは、「模合」(モアイ)と言われるもので、共通の目標のために集まることです。かつては金銭的に助け合うことが目的の組織でしたが、現在は不幸があったり困っている人を助けたり、落ち込んでいる人を励ましたりする集まりになっています。

 これを読んで蒼野も、人間が健康長寿に必要とする要素が揃っているなあと感じました。まずは食べ物です。健康に寿命を延ばすためには常に細胞がきちんと新生されてゆく必要があります。そのメカニズムの一つがオートファジーです。栄養が不足した時に活性化し、細胞内の毒物や病原体、壊れたDNAなどを新しくし、それらから新たに栄養を作り出す仕組みです。

 これはカロリー制限で活性化することが証明されています。沖縄のおばあは若い頃は、食糧不足の中で、常にオートファジーが働いていたことが伺われます。歳を取ってからも、採れたての野菜中心に、抗酸化物質などの栄養たっぷりの食材を腹八分目で食べています。つまり毎日細胞が若返っているということになるのです。

 老化には、酸化や糖化が大きく影響し、体内の慢性炎症の程度が老化スピードを左右します。消化管の表面積はテニスコート1面分もあり、食べ物などでここに炎症が起これば、体内にも炎症が波及します。加工食品中の添加物や砂糖、グルテン、赤身肉などは、腸内細菌を変化させ、腸に炎症を起こします。

 逆によもぎやウコン、ニンニク、ゴーヤなどは天然の薬草とも言える食材で、炎症を抑え、腸内細菌を善玉菌に変え、長寿に有利となる善玉菌が作り出す物質の恩恵を受けることができるのです。センテナリアンは体内炎症の程度が低いことが証明されています。

 よもぎやゴーヤは苦いのですが、沖縄の人は好んで食べます。唐辛子を好む人は沢山おられますが、進化の過程で、天然の消毒、殺菌剤である唐辛子を食べる人が生き残りやすかったからこそ、食べる人の遺伝子が残ったと考えられています。沖縄のよもぎやゴーヤも、沖縄の長寿を支えてきたことで、それを食べる人の遺伝子が多く残っているのでしょう。

 おばあたちは体もよく動かします。畳の家で、日に何十回も立ち上がります。畑仕事も毎日行います。毎日強い太陽を浴びることで、ビタミンD不足とも無縁です。肉は滅多に食べなくても、筋肉が落ちにくい生活でもあるのです。体を動かすことでストレスにも強くなります。

 そして毎日の祈りと、周囲の人との強い絆が、圧倒的に精神的ストレスによる炎症を減らしてくれています。厳しかった若い頃の苦労が、何があっても動ぜず、穏やかな毎日の感謝につながります。日が登れば目覚め、日が暮れれば眠る、心穏やかなウチナータイム(沖縄時間)を過ごして暮らしている人が多いのだと思います。

 さらに沖縄は温暖で、呼吸器系の伝染病は少ない土地柄です。1年中新鮮な野菜が採れ、保存食である塩分の多い食べ物は食べません。日本一ファストフード店が多い沖縄ですが、最長の平均余命をもつ沖縄のおばあたちは、昔からの生活を守っているのです。

 本を読んでいて、全部真似は出来ないにしても、憧れる部分がありました。美味しいもの、新しい物には目が無い蒼野ですが、ベースの部分での食事は、新鮮な植物性の物を中心にしたいです。カロリー制限については、腹八分目が我慢できないので、しばらくは16時間断食を続け、毎日歩く生活を続けてゆきたいと思います。

 皆様にも参考になる部分がありましたでしょうか? 一つでも二つでも自分の生活習慣に取り入れてもらえれば幸いです。沖縄の若い人の健康が心配になった蒼野でした。

参考書籍: BLUE ZONES 2ND EDITION  ダン・ビュイトナー

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