物忘れを減らす幸せな時間!?

2023/12/12

 先週末も、実家の母を訪ね、家の片付けや料理をしながら、91歳の観察をしている蒼野です。コロナ禍に、帰ってくるなと言われ、3年帰らなかったツケを今一生懸命返しているところです。今年の始めに月1で帰ることを決めてから、母の物忘れが結構改善してきていると感じられることについて、報告してみたいと思います。

 帰る回数が重なる事で、確実に91歳の脳に対する刺激は増えていると思います。帰るたびに言うので、足が衰えたら寝たきりになると言うことについての自覚も出てきていて、以前ほど、一緒に出かけるのを嫌がらなくなりました。1日に1回は外に出たり、天気が悪かったら、踵上げや片足立ちをやったりしています。

 毎朝起きたらすぐに歯を磨いて、夜中に増えた口内細菌を減らすという習慣も、言われなくてもできるようになりました。今年になって通い始めたばかりの頃は、さっき聞いたことを何度も繰り返していましたが、最近の会話では、1時間前に聞いたことは聞き直しますが、さっきの事は聞かなくなりました。

 以前は料理好きでしたが、一人の時は億劫であまり料理はしないようで、徐々に痩せてきていました。買い置きのインスタントラーメンや、レトルトカレー、インスタントスープや味噌汁が山積みになっていました。お菓子や甘い飲み物も箱買いして散乱していました。通う様になってから、脳に悪そうな食材はもったいないですが、結構処分しました。

 行った時は、朝食は様々な果物と目玉焼き、昼は野菜一杯の料理を作り、夜はネットで探したヘルシーで美味しそうな店に出かけたりしています。もともと好奇心が旺盛な人なので、今まで食べたことのない様な物を、とても喜びます。家ではほとんど料理をしない蒼野ですが、回を重ねるごとに、料理も楽しくなってきました。体重も少しずつ戻ってきた様です。

 楽しかったことや、初めて食べたものは、よく覚えているので、そういう刺激が大事だということも分かってきました。先月福岡に来た時に脳MRIも撮ったのですが、海馬はそれなりに萎縮していましたが、前頭葉はまだ元気だったので、もう少し頑張れそうです。採血でも糖尿の傾向は無いことも分かりました。

 最初頃は、甘いコーヒー牛乳や、乳酸菌飲料を買っているのを、怒っていたのですが、「もうこの年まで生きたんだから、好きなものを食べさせて!」と言われました。確かに一理あると思ったことで、あまり言わない様にすると、逆に素直になったので、生活習慣の改善は、結構ゆるゆるの方が上手くいくことも、分かってきました。

 寝床でスマホゲームをするのも、強く非難していたのですが、今回帰った時に自分のスマートリングを付けさせて眠らせると、夜中に目が覚めた時に、スマホを見ていたにも関わらず、結構しっかり寝ていたのには驚きました。ただ深睡眠(ノンレム睡眠)の時間は少ない傾向はある様です。

 面白がって、自分もスマートリングが欲しいと言うのですが、「スマホを見ない様に改善できなければ、意味がないよ!」と言うと、「スマホを見ても寝れるから大丈夫」と言われてしまいました。と言うことで、スマートリングは必要ないと言う結論に落ち着きました。

 性格は人それぞれなので、全員が母の様ではないとは思いますが、月に3日ほど行って、いろんな話をし、いろんな料理を食べて、一緒に運動するというのは、思った以上の効果があることを感じています。介護申請をして、要支援1はもらいましたが、本人が嫌がるので、今のところデイサービスの利用には至っていません。

 人間嫌なことはしたくないし、ストレスも嫌ですよね。最初は同じものばかり沢山買ったり、冷蔵庫の中で、忘れられて、腐っている食べ物ばかりだったりするのを、ついつい非難していたのですが、こっちが慣れたこともあり、言ってもストレスになることは、言わずに済む様になってきました。

 すると最初は来るなと言っていましたが、最近ではまた来てねと言う様に変わってきています。年齢から言えば、母は人生の最終コーナーを曲がっている途中です。最近読んだ樺沢先生の「幸せの授業」にもあるように、楽しい1日だったと感じられる事が、幸せの始まりです。

 一緒にいる間だけでも、なるべくストレスをかけないようにして、楽しいこと、美味しいこと、身体を動かすことを繰り返す事ができれば、月に1度だったとしても、それを覚えてくれて、他は忘れるので、幸せな1ヶ月にする事ができると思います。ピークエンドの法則と言いますが、人生の最後に楽しい思い出が多ければ、幸せな人生だったと思ってもらえるのではないかなと感じています。

 ちょうど自分の仕事も週4日とスローダウンし、自由に有給も使わせてもらえる職場にもなっているのは、運命の必然なのでしょう。東京の妹もまた、今月職場を退職し、母と過ごせる時間が増える様です。実家に通い始めた頃は、施設入所や、介護サービスの利用を考えていたのですが、帰った時に喜ぶ顔を見ると、一人暮らしできる間は、まだ頑張らせてあげたいなと思っています。

 蒼野のケースは、一般的では無いとは思いますが、自分が後悔しないためにも、今まで帰らずに放っておいた分、一緒に楽しい時間を過ごしたいと思っています(美味しい外食は奢ってもらいます!)。年末年始は、妹が東京に連れて帰る予定です。いっぱい良い刺激があると良いなあと思っています。

 認知症予備軍の91歳でも、月に1回、楽しい刺激があると、結構蘇ったと言う体験談でした。幸せの脳内物質は、認知症にも効く様に思います。この年になると、厳しいばかりではダメで、楽しく幸せ!というのが一番大事な事なのかもしれないなと気づいた蒼野でした。

参考書籍:精神科医が教える幸せの授業    樺沢 紫苑

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