健康習慣を手に入れる方法!

2023/06/09

 昨日は『生活習慣を変えるのは、本当に難しい』という事を書いたのですが、今日は習慣を変えてゆくテクニックについて、書いておきたいと思います。皆様は毎日を過ごすのに、次はこれをしよう、といちいち考えている人は少ないと思います。毎日考えなくてもできる事が、本当の生活習慣です。

 人間は特に考えずに、毎日のルーチンをこなしています。朝起きて顔を洗い、歯を磨いて、朝ごはんを食べ、着替えて出かける。何も考えずにできる事は、生活の中では40%くらいあるそうです。脳のエネルギーも使いませんし、繰り返すのが苦痛でもありません。病気にならず、死ぬまで元気で動けるためには、健康的な習慣を、このレベルに落とし込む事が必要なのです。

 毎日適度な運動をしたり、健康的な食事をしたり、十分な睡眠時間を取ったりすることを、習慣にしてしまえば、気合を入れなくても、自動的に毎日繰り返す事ができます。むしろやらないと気持ち悪かったりするのです。禁煙したり、減酒したりするのも習慣化できれば、苦痛ではなくなります。その積み重ねがあなたの健康を支えます。

 習慣にするには、どうすれば良いのでしょうか? 無意識にできる状態にするには、毎日繰り返してゆくしかありません。しかしそれが難しいのです。例えば、体重が増えてきて服が着れなくなったり、健康診断の数値が糖尿病予備軍と言われたりすると、ダイエットしなくては、と思い立ちます。まずそう決意して、行動に移せる人は47%程度だそうです1)。

 食事のカロリーを減らして、運動を増やそうとする人が多いと思います。最初はモチベーションが高いため、続けれられますが、毎日同じようには行きません。会食に参加したり、忙しくて時間が無くなったり、お土産にスイーツをもらったりと、状況によって出来たり出来なかったりするのが普通です。やろうと思っても出来ない状況は、誰にでも起こります。

 それを失敗と受け止めてしまうと、モチベーションは徐々に削られてゆきます。人間の決意は長時間は続きません。次々に邪魔が入っても続けて行ける根性のある人はなかなか居ません。取り組むものによって違いはあるのですが、新しい習慣が、無意識に行えるようになるために必要な時間は、平均で66日。簡単な事なら18日で身につきますが、難しい事なら8ヶ月半もかかると言う研究があります2)。

 習慣化する前に、結果が出ずに心が折れる場合は多いのです。辛い習慣なら3日坊主は普通です。また、うまく結果が出ても、それから続けられなかったりすれば、簡単にリバウンドが起こります。食事だけのダイエットを行うと、筋肉も落ちてしまいます。せっかく頑張ったのに、さらに太りやすくなり、健康習慣からはさらに遠ざかってしまう結果になりやすいのです。

 現代のように誘惑の多い環境に、無意識で対抗できるようになるには、習慣にしてしまうテクニックが必須なのです。物事は何事もトライアンドエラーです。環境や状況は常に変化するので、1日くらい出来ない事があるのは、気にしなくても大丈夫です。1週間まるまるやめてしまうと、最初からになってしまうので、もったいないです。上手くいかなかった時には、何がその原因なのかを考え、次はその状況に陥らないようにしましょう。

 忙しい毎日の中で、無意識にできるように、環境をセッティングしてゆきましょう。ダイエットの場合には、甘いお菓子やポテチは家の中から排除し、ゆで卵やナッツ、野菜スティックなどをいつでも食べれるように用意しておくのが重要です。仕事でストレスが溜まった日には、コンビニには入らないと決めておくのもポイントです。料理は時間のある休みなどに、下ごしらえをして、冷蔵庫にストックし、簡単な調理で食べれるようにしておけば、加工食品に頼って、食欲が増すことも避けられます。

 食べた後15分以内に、何回かスロースクワットや1分ずつの片足立ち、散歩するなどと言うのを決めておくのも効果的です。血糖値が上がりにくくなり、脂肪が付きにくくなります。糖尿病の予防にも、とても効果的です。毎日やっている行動に、新しい行動をくっつけると言うのが、大事なテクニックです。最初は小さなステップから始めましょう。気合を入れないといけない事は、習慣になりにくいのです。

 人類には、自分で決めたい、と言う本能と、それが少しずつ身を結んでいっている、自分が成長しているというのを感じたい本能が備わっています。それは自分への報酬と感じられるのです。ですから医者や家族に言われた習慣は、自分から本当にやりたいと思わなければ、続けられません。まず自分がやろうと決める事が大事です。毎日取り組んだことを記録したりすれば、楽しくなり、それがモチベーションを維持してくれるのです。

 喫煙や飲酒など、やめたい習慣の場合にも環境作りが大事です。これらは脳が大なり小なり依存を起こしているので、かなり手強いです。タバコで言えば、自宅では我慢できても、周りの人が吸っている飲み会などで我慢するのは、耐えられないストレスです。この場合は、吸わない習慣ができるまでは、飲み会の参加を控えたり、禁煙の店を選んだりするのが有効です。

 人間の行動は、想像以上に周囲の状況に左右されます。薬などを使わない禁煙の場合には、6ヶ月後に禁煙できている人は、3~5%に過ぎないそうです。そう考えると、禁煙できた人は偉いですね! 悪い習慣をやめるよりは、新しい習慣を身につける方が簡単だとも言われています。昼食後に一服したくなったら、散歩すると言うのはお勧めです。

 「やめよう、やめよう」と思うと、意識がタバコに向いてしまい、意思力やモチベーションが削られてしまいます。どこかで1本吸ったりすると、『タバコを止める方が、ストレスが掛かって健康に悪い』と自分の認知自体を変えてしまう方が楽になります。吸いたくなる状況を避け、その時にガムを噛んだり、スクワットしたりと新しい習慣に変えてしまうと案外上手く行ったりします。

 ストレスだらけだったり、睡眠不足だったりの時期には、新しい健康習慣は身につきません。習慣を変えるベストタイミングは、心に余裕がある、環境が変わる時期です。就職や入学、引っ越しや結婚、子供の誕生など、人生の変化は、何か新しい事がしたくなるタイミングですよね!まずは自分で決める事からです。そしてそれができやすい環境を選ぶのが大事です。同じ目標を持った人のコミュニティに入ったり、アプリのミンチャレを使ったりするのもオススメです。

 身体を動かしやすい環境や、新鮮な食材がすぐに手に入る環境が選べると良いですね! 今までの習慣がトリガーになるよう、新しい習慣をくっつけると、続けやすくなります。もちろんベイビーステップで、気合なしに、毎日出来ることが大事です。そして毎日出来ている自分を褒めて、本能を満足させましょう。3ヶ月続けられれば、無意識で行うレベルに近づいているはずです。

 毎日の健康的な、食事、運動、睡眠、ストレスのコントロールが、生活習慣に落とし込めれば、我々の遺伝子の健康スイッチはONになってゆきます。毎日不調が無く、気持ちよく、エネルギッシュに過ごすことが出来るのです。生活習慣病とは無縁の一生を送ることができます。

 人間の意思は、それほど強い物ではありません。体調や環境、状況や周囲の人に大きく左右されます。現代社会は、不健康な生活習慣への誘惑が溢れていますし、年々状況も変化してきています。医療自体はものすごく進歩しているのに、生活習慣病はむしろ増えているのです。

 蒼野はシンプルに、生活習慣病を治せるのは、生活習慣だと思っています。自分の生活の中に、自分でやってみようと思う健康習慣を、無理なく取り入れてゆくのが鍵になると思うのです。事故というキッカケのおかげで、蒼野の生活は本当に変わったと思います。やってみて分かったのは、新しい習慣を手に入れるのは、結構楽しいという事です。

 健康生活は短期的な物では、効果は限定的です。それぞれが一生続けて行ける健康習慣を、一つづつ手に入れて行きましょうね! 蒼野も全力で応援します。

参考文献:
1)Intention―Behavior Relations: A Conceptual and Empirical Review. ; European Review of Social Psychology 2011 12 (1): 1-36

2)How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. ; Eur. J. of Social  Psychology 2010 40 (6) : 998-1009

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