蜂蜜の健康パワーの正解は!?

2023/12/01

 先日の喉風邪で、結構マヌカハニーを多用したので、ハチミツの健康効果について知りたくなり、『ハチミツの教科書』という本を読みました。この本の内容で、蒼野が知らなかったことを中心にお伝えしたいと思います。健康オタクとして、知らなければいけない内容も多かったです。

 まずショッキングだったのは、「マヌカハニーは使わなくて良い」という考え方です。一般的に『蜂蜜は抗菌力があり、抗ウイルス力もあり、保湿力があり、栄養豊富』というのが、今までの蒼野の印象でした。古くはミイラの保存に蜂蜜が使われたというのは有名な話です。

 蜂蜜の中でも、抗菌力抜群と言われるのがマヌカハニーです。ですから高いなあと思いながらも、楽天でポチって買っていました。マヌカハニーの抗菌力は、含まれているMGO(メチルグリオキサール)によるものです。MGOは細菌の細胞膜と細胞内のタンパク質に結合することで、細菌の成長と増殖が抑制します。

 しかしこのMGOは、非常に反応しやすいアルデヒドの一種です。肝臓で糖新生が起こる時や糖化反応(グリケーション)の時には、特に多く作られます。通常は体内ですぐに処理されて無害な代謝産物に変化しますが、高血糖や高血圧などの状態では、MGOの生成が増加し、それが糖尿病や糖尿病合併症、動脈硬化などの疾患に関与する可能性があるとされています。

 健康な腸では、MGOの吸収は多くはない様なのですが、普段の食生活が乱れ、リーキーガットの状態になっていると、MGOが吸収されて反応を起こします。糖と蛋白が結合してAGEs(進行末期糖化産物)を作ったり、脂質とタンパクが結合してALEs(進行末期脂質酸化産物)を生成することになるのです。

 AGEsとALEsは、糖尿病、心血管疾患、神経変性疾患、老化など多くの健康問題と関連しています。これらは体内での酸化ストレスの増加、炎症反応の促進、細胞通信の障害などを引き起こす可能性があるという事なのです。つまり敢えてマヌカハニーを選ぶべきでは無いということが書かれていて、常識が覆りました。

 これを元に考えると、日常的にマヌカハニーを食べるのは、普通の蜂蜜を食べるよりもリスクが大きいという事なのかもしれません。ただ蒼野としては、風邪の引き始めなどには、ウイルスタンパクと結合して、増殖や細胞への侵入を抑制したり、ウイルス自体を弱めたりするMGOの効果を利用するのは、有効だと考えます。

 もう一つ蒼野が今まで知らなかった事は、先ほど出てきたALEs(進行末期脂質酸化産物)です。不飽和脂肪酸(オメガ6やオメガ3)は不安定なため、タンパクと結合してALEsを作りやすいのだそうです。ALEsという言葉自体は、Googleで調べてもほとんど出てきません。やはりあまり一般的では無い言葉の様です。

 もちろん賢いチャットGPT君は知っていて、いろいろ教えてもらいました。本に書いてあった「体内ではAGEsと比較して、ALEsが生成される速さは23倍である」ということについて質問すると、AGEsとALEsの形成速度は、多くの要因によって異なり、個人差が大きいため、特定の研究の結果であって、一般化するのは困難であると出てきました。

 蒼野が今までALEsについての報道を目にする事がなかったことについては、科学的にとても複雑であることや、ALEsに関する研究はまだ進行中でよく分かっていないことなどが挙げられるということです。もちろん今後ALEsが慢性病の原因の一つとして、注目される様になる可能性があることも確かな様です。

 ALEsの研究について調べてみると、次の様なことが分かります。我々の細胞膜の構成成分である不飽和脂肪酸(PUFA)は容易に酸化され酸化脂質となります。身近なところでは、食べ物(特に揚げ物など)の劣化や日焼け、加齢臭なども、この脂質の酸化の結果です。しかしこの酸化脂質が細胞死や炎症反応、さらに疾患誘発の原因となることが分かりつつある様なのです。

 酸化脂質は、炎症症反応やアレルギー促進、さらには酸化脂質とタンパク質の複合体が血管新生に関与するなど、多彩な機能が報告されているのです。この本によれば、糖化反応を気にする前に、現代生活で摂り過ぎているPUFAや酸化脂質を減らせば、それを処理するマクロファージが起こす炎症や、多くのマクロファージ自体が傷んで炎症の原因となることが防げると書かれていました。

 PUFAの中にはオメガ3が含まれます。今までの多くの研究結果を見ると、炎症を抑える作用や脳の材料となるオメガ3は、必要な物質だという認識については、蒼野的には覆されるだけの証拠は無い様に思いました。確かに酸化したオメガ3が身体に悪いということは同意できます。酸化した脂質でできた細胞膜は、糖質を取り込みにくくなり、インスリン抵抗性を起こします。しかししっかりと抗酸化物質も一緒に取り込んだオメガ3は、体内炎症を抑えてくれるというデータは多く上がっています。

 ただオメガ3のサプリメントなどでは、酸化に対する対策がちゃんととられていないものが多いのも事実です。古くなった魚は食べられないですよね! 新鮮な魚や新鮮なナッツなどからのオメガ3の補給を、蒼野はお勧めしたいです。そういう意味ではオメガ3入りのオイル(エゴマ油や亜麻仁油など)も古くなったら食べない方が良いですね!

 健康のために、揚げたスナックやお菓子、インスタント麺などの加工食品を控えるというのは、諸手を挙げて賛成です。ファーストフードの揚げ物や、外食でもなるべく揚げ物は避けたいところです。確かに慢性病の大きな原因と考えて間違い無いと思うからです。

 最後に、蒼野が知らなかった事としては「蜂蜜は、花の蜜が蜂の体内で、ブドウ糖と果糖に変化したものが主成分である」という事です。それらの単糖類は素早く吸収されます。ブドウ糖が吸収されれば、そのまま細胞のエネルギーとなります。果糖は肝臓で代謝されてからエネルギーとなるのです。二つ入っているので、血糖スパイクも起こりにくいのです(食べ過ぎはもちろんNGですが…)。

 すぐに使えるエネルギーと、長持ちするエネルギーがバランスよく入っているというのが、蜂蜜の健康効果のキモだというのは初めて知った事です。糖は最も早く使える、使いやすいエネルギーなので、エネルギー不足の時には威力を発揮します。糖がエネルギーとして使われるためには、ビタミンB群やクロム、マグネシウム、亜鉛などが必要です。蜂蜜には少量ではあります、これらも含まれています。

 ということで、「元気がない、寝付けない、起きられない。冷え、生理痛がひどい、不妊、いつも調子が悪い、イライラや不安、焦燥感がある、慢性疲労症候群や副腎疲労といわれた。糖質制限をして調子が悪い」といったエネルギー不足が考えられる様な時には、スプーン1杯の蜂蜜が効果があると感じられる人が多いと考えられます。

 これを読んで蒼野は、糖質代謝がメインで、遺伝子的に合っている人にとって、蜂蜜はスーパーフードになるのだろうなと思いました。しかし人間の個人差は大きく、蒼野自身は、かなり脂質寄りで、糖質制限、間欠断食が身体に合っていると感じる人間なので、今は「蜂蜜全面推し」という気持ちにはなれません。

 甘いものが大好きで、絶対やめられないという人にとっては、合っている健康法の一つになりそうな気がしました。朝昼晩とおやつに蜂蜜を食べて、不飽和脂肪酸を徹底的に排除してみるという健康法を試してみたい方は、ぜひご一読下さい。知らない事も多く、実りの多い読書でしたよ!

 筆者のショップで、良いとされている蜂蜜を買って、自ら試してみようと考えている蒼野でした!

参考書籍: 世界一やさしい はちみつの教科書

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