最近食材の物価高も目立ちますね!収入が変わらなければ、安い加工食品や、インスタント物を食べる頻度が増えそうで蒼野はとても心配です。昨日も書いたように、毎日栄養の偏った食事をすることが、生活習慣病発症に繋がります。少し高くてもちゃんとした食材を食べることで、将来の医療費が減らせると考える事が大事だと思うのです。
食事の影響が大きい、高血圧や糖尿病、高脂血症、肥満などの生活習慣病は、それ自体では特に症状がある訳ではありません。長年それが続くことによって生活に支障が出る様な病気になって初めて、何とかしなければ、と思いやすい病気です。
蒼野が診てきた患者様では、ある日突然脳卒中を発症し、片麻痺や言語障害などが出現して運ばれて来るのですが、健康診断で、血圧が高いとか、血糖が高いと指摘されていても放っている人がとても多いです。食事、運動、睡眠など生活習慣を整えていたらこんなことにはならなかったのではないかと思うことが多いのです。
日々の生活に忙しく、自覚症状で困っていなければ、健康の優先順位が上がらないというのは本当にありがちです。一旦身につけた生活習慣を変えるというのは、かなり意識しないとできませんよね! 若い頃から同じ様な生活をしていて、昨日まで大丈夫だったので、明日も大丈夫だろうと思ってしまうのは、誰もが持っている日常性バイアスなのです。
健康に意識がある人は、健診で血圧が高いことを指摘されたら真面目に病院に行く人もいると思います。そして病院では血圧を下げる治療を受けることになります。診察料や処方料、3か月に1回の血液検査、薬代(薬の種類にもよりますが)など、高血圧だけで年間かかる費用は12万円前後となります。実際に払うお金はその3割負担であれば36000円前後でしょうか?
生活習慣を変えないかぎり、高血圧が治ることは無いはずです。そのまま一生払い続けるとなると、結構な損失だと思いませんか? 同じ様に計算すると、高脂血症なら13万円前後、糖尿病で内服のみの場合で26万5000円前後、インスリン注射まで入れば年間70万円かかる計算になります。実際に支払うのはその3割だとしても、辛い負担ではないでしょうか?
どれもが生活習慣から起こりやすい病気です。もちろん遺伝などで仕方がない場合もありますが、食べる物を超加工食品から自炊に変え、毎日意識して体を動かし、睡眠時間を確保してゆくことで改善出来るとすれば、元気なうちから美味しくて新鮮な食材を買うお金に充てておく方が良くないでしょうか?
癌についても、生活習慣病であることが分かっています。医療がこれだけ進歩していても、癌に罹る人は年々増加し、今や国民の50%が一生の間に1回は罹る疾患となっています。食事が欧米型になるにつれて、欧米に多い大腸癌や乳癌、前立腺癌などが増えています。肥満や喫煙、アルコールも当然ながら癌の発症を増やします。
大腸癌の治療について考えてみると、前癌病変である大腸ポリープを切除するのに、約7万円かかります。早期大腸癌の入院内視鏡手術なら約25万円。進行癌の外科手術は約160万円+抗がん剤治療が年間約70万円掛かります。もちろん実際に払うのは、高額療養費支給制度があるため、収入に応じて、月に低所得者の24,600円から、高額所得者の14万円程度までにはなりますが、闘病中に仕事が出来ないことも考えると、その大変さが分かるのではないでしょうか?
乳がんの場合には、早期乳癌の術前補助化学療法で約190万円、外科手術で150万円、その後の抗がん剤治療で約350万円掛かります。人口が高齢化するにつれて、癌の人数も増えてゆきます。他の癌でも、手術や抗がん剤治療で、何百万円もかかるのが当たり前です。
免疫療法はもっと掛かります。肺癌に使うノーベル賞の本庶先生のオプジーボ(免疫チェックポイント阻害剤)は副作用も少なく素晴らしい薬ですが、奏功する人は25%前後です。体重60kgの人の年間薬剤費は3500万円、高額療養費制度を使っても年間150万円~200万円くらい掛かります。
医療の発展で薬剤費も高騰しています。高齢化で病気も増えています。国家予算は100兆円余りですが、年間の医療費は40兆円を超えており、国民皆保険での自己負担3割とか、高齢者で1割とかに対する補助の医療費、高額医療費の限度額以上の医療費は全て我々の税金から支払われています。
今後の少子高齢化は決定事項であり、急に日本の景気が良くなることは考えにくいです。働く人が減ってくれば税収も減ります。社会保障費というのは、基本的には元気な人がそうでない人を助けるシステムです。高齢化の影響もあり、今後ますます病気の人は増えてゆくことが予想されるのです。
すぐに国民皆保険や、高額療養費支給制度が無くなるということは考えにくいとは思いますが、例えば限度額が少しずつ上がったり、住民税が上がったりという風に、我々の負担が増える圧力は高まっていると思います。生活習慣病は、生活習慣を変えれば改善する病気です。メタボリックドミノと言いますが、ドミノ倒しのように、生活に支障が出る病気が出て来る前に、予防の意識を持って毎日過ごす事が、将来に払わなければいけない医療費を節約することになると思います。
日本全体を考えても、予防の意識が出てきている企業(健康経営優良法人)や自治体などもありますが、まだまだ少数の様です。病気になったら病院に行けば良いというのは間違いです。生活習慣病は対症療法では治らない病気ですので、ずっと医療費を払い続けながら、次の重大な病気を起こさない治療が一生続きます。
人生100年時代を楽しく生きるためには、今日から自分の生活をコントロールしてみることが重要です。生活習慣はすぐには変わりませんし、辛いことは続きません。出来る範囲から少しずつ変えてゆきましょう。現在予防についてのエビデンス、生活習慣病のコントロールについてのエビデンスがたくさん出てきています。
それを理解して、自分の生活の中に取り入れてみてくださいね! 取り入れたことで体調が良くなれば続ければ良いし、しばらく続けてもそうでなければ、次の方法を試してみましょう。病気になってからお金を使うのではなく、元気なうちに自分の健康に投資してみてください。
そういう日本人が増えてゆけば、高齢になっても元気に働いて、若い人の負担を減らすことができると思います。蒼野の場合は怪我でしたが、今まで出来ていたことが出来なくなって、慣れるまでは人生がとてもつまらなく思えましたし、本当は辛かったです。でもまた働ける様になり、もっと身体を大事にしようと思える様になりました。
病気で日常生活に支障が出るような状態になると、人生が激変します。健康診断で指摘されるところがあっても、自分は病気にならないと思うのは本当に危ないです。今出来ることを少しずつ習慣にして、自分の身体と対話をしてゆきましょう。身体を壊してまでお金を儲けるよりも、健康に長く働く方が絶対に得であることは間違いないと思います。
今日はお金の面から生活習慣病を見てみました。将来の医療費を、現在の健康増進のために使ってみませんか?
参考サイト: 2020年度 国民医療費の概況 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/20/dl/data.pdf
ライザップの29.8万円は(全16回、2ヶ月コース)果たして高いのか?! 安いのか?!
https://www.tamapla-ichounaika.com/rizap/iryouhi/
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