蒼野は常々、高齢化してゆくこれからの日本を存続させるためには、歳を取っても病気にならずに、元気で働ける人が増えて欲しいと思っています。そのためには予防医学が重要で、特に加齢と共に増えてくる病気のほとんどに、老化が関係していると思うので、抗老化がポイントだと考えます。
老化には様々な誘因や原因があるため、これさえやっておけば大丈夫ということはありません。抗老化と聞くと、酸化を防ぐ栄養素が重要で、日頃からサプリメントも大いに利用していますという人もおられると思います。健康オタクの蒼野もそのひとりなのです。
最近の知見で、抗酸化物質の摂取は、タイミングによって、老化を促進する場合があるということを目にしました。ちょっとビックリしたので、これからのサプリメントの飲み方も含めて、どうすれば良いのかを考えてみます。
先日のブログに、エネルギーが沢山必要で、沢山のミトコンドリアが存在する、腎臓と腸は、最初に老化が始まるということを書かせて頂きました。体内の90%のエネルギーを産生する、ミトコンドリアが、疲弊し、老化し、機能不全を起こすと、活性酸素が漏れ出すため、細胞を傷害してしまいます。
傷んだミトコンドリアを、処理して再生する方法がオートファジーです。オートファジーは活性酸素が漏れ始めたミトコンドリアを分解し、リサイクルすることで、細胞内環境を常に改善し、正常に保つのです。ミトコンドリアによる酸化ストレスが減ることが、アンチエイジングに繋がります。
マウスの腎臓の研究でも、オートファジーが起きない様に遺伝子改変したノックアウトマウスでは、傷害ミトコンドリアが活性酸素を産生し、腎機能が低下していました。マウスの腎尿細管細胞では、新たなミトコンドリアの減少や、ミトコンドリア機能低下、ミトコンドリアDNA損傷などの老化様所見の進行が認められました1)。
つまりオートファジーを活性化する生活を送ることは、抗老化に繋がり、老化に関係した病気の発症を抑えてくれる可能性があるということです。現在最も効果的な老化抑制法として知られているのは、カロリー制限や断食です。これは何度も書いているので皆様ご存知ですよね!
蒼野も、これを知ってから、積極的に16時間ファスティングをする様になりました。事故でやられてしまった右の外転神経が少しでも良くなるかもしれないという、淡い期待もあり続けているのです。おかげで体重キープはめっちゃ楽になっています。
一方、抗酸化物質=ビタミンA(ベータカロテン)、C、Eや、各種ポリフェノール、フラボノイドなどは、活性酸素に対抗する物質です。細胞を傷害する活性酸素をやっつける物質を、摂り続けることで、アンチエイジングになるのでは?ということも、誰もが思い付く抗老化の健康法ですよね!
しかしここで大事なのは、オートファジーと抗酸化物質摂取のタイミングなんだそうです。調子が悪くなったミトコンドリアから、活性酸素が少し漏れる様になったときに、強力な抗酸化物質で、活性酸素が処理されてしまうと、オートファジーが働かず、ミトコンドリアが処理されなくなる可能性があるということです。
ということは、断食中に沢山抗酸化サプリなどを飲むのはNGということです。サプリを飲む人は少ないかもしれませんが、断食中にダイエット酵素ドリンクなどを飲む人はいますよね。酵素ドリンクには沢山抗酸化物質が含まれていることが多いので、オートファジーを邪魔する可能性があるということです。
抗酸化物質は、活性酸素が多く出来るタイミングでの摂取が望ましく、例えば沢山食べてしまった時とか、激しい運動をした時などが、その効果が最大化するタイミングになります。蒼野は昼食の時に、ビタミンサプリメントを飲むことが多かったのですが、一番沢山食べてしまう夕食時に変更してみようと思いました。
16時間ファスティングをしている時間、つまり蒼野で言えば朝食の時に摂ると、オートファジーを促進してくれるのは水分です。身体の栄養が不足した時に活性化するのが、オートファジーなので、水分を多く摂取し、血中のアミノ酸濃度を薄めてやると、オートファジーが活性化するのです。
ちょっと逆説的なのですが、抗酸化物質を含む、コーヒーやレスベラトロールはオートファジーを邪魔せず、むしろ活性化することが知られています。またオメガ3脂肪酸は、オートファジーを活性化するので、朝食を抜くとお腹が空いて耐えられないという様な人は、オメガ3の豊富なグラスフェッドバター入りコーヒーを飲むのは、とても良い方法です。
インスリン濃度が高くなると、オートファジーは止まるため、インスリンを分泌する糖質、炭水化物やタンパク質は、ファスティング中は控える必要があります。カロリーゼロでも甘い人工甘味料はインスリンを上昇させるのでNGです。
女性はエストロゲンが活性酸素を除去してくれるので、閉経するまでは、積極的に抗酸化物質をサプリメントで補充しなくても大丈夫だそうです。身体の中で作られるエストロゲンのような抗酸化物質も、オートファジーには影響しないことが分かっています。女性が長生きなのは、エストロゲンの抗酸化作用が大きい様です。
様々な病気がエストロゲンが低下する閉経後に増えるのはその裏返しだと言うことです。日本ではまだ認知もされておらず、遅れていますが、欧米では閉経後の健康管理についての研究が進んでいる様です。また調べて書いてみたいと思います。食べ物で言えば、エストロゲン様作用につながる大豆摂取を増やすことは有用の様です。
老化にはミトコンドリアの健康が密接に関わっています。加齢とともにミトコンドリアは数も機能も低下しやすいため、数を増やし、機能を上げる生活をすることが、健康長寿に繋がります。ミトコンドリアを元気にする生活は次の通りです。
1、糖質、炭水化物を控える、特にブドウ糖果糖液糖は毒なので、甘い飲み物は飲まないこと。
2、炭水化物を控える分は、良質な脂肪で補う。アボガドやオリーブオイル、ナッツ、グラスフェッドバター、グラスフェッドの畜肉や天然魚、有機卵が望ましい(お金はかかりますが…!)。
3、適量のポリフェノール、サプリよりもブルーベリーやコーヒー、緑茶や高カカオチョコレート、ココアパウダーなどがオススメ。
4、食べすぎない事、食べすぎないためには早食いしない事、よく噛んで一口一口味わって美味しく食べましょう。
5、少し脈が上がる様な運動、速歩やHIIT、お腹が空いてから食べることや寒冷刺激はミトコンドリアを増やします。
今日は断食中のサプリは摂りすぎないことと、サプリよりも食べ物が良いこと、ミトコンドリアを大事にすることなどが勉強になりました。これから寒くなるので、久しぶりにグラスフェッドバターを買っておこうと思った蒼野でした!
1)加齢によるオートファジー活性の変化がミトコンドリア機能低下を介して腎老化を引き起こす 日腎会誌 2016;58(8):1238‒1242.
参考動画: 抗酸化物質がオートファジーを狂わせる!! 本要約チャンネル
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