IQ4000に負けない方法!

2022/09/24

 蒼野も何度か書いているのですが、AIって本当に凄いですね! 学びが進んだAIのIQは4000に達するのだそうです。これはアインシュタインのIQ180の20倍以上です。我々がどんなに勉強しても越えられない領域に達しています。

 それが証拠にトッププロでも、チェス、将棋、囲碁まで人間はAIには勝てなくなってきています。英オックスフォード大学の2015年の研究では、10年~20年(3年後??)のうちにアメリカの職業の47%がAIやロボットに代替される可能性が有るとの推計結果が示されています。

 日本でも同様の方法で推計したところ、労働人口の約49%は人工知能やロボット等によ り代替できるようになる可能性が高いことが分かりました。実際に変わってゆくかどうかはコストの問題です。AIの方が安ければ、AIに変わり、人の方が安ければ人が行い続けるといいうことになりそうです。当然その業種では高い給料は望めない事になります。

 少子高齢化が進む日本社会では、確かに重要な事かもしれませんが、働く側としては、不安がよぎりますよね! AIによって業務は効率化され、人為的ミスは激減します。グローバルな社会で生き残ってゆく企業になるには、今までのやり方を大きく変えて、業務を効率化し、コストを削減して行くことが必要条件となりそうです。

 AIによって消える職業は、どの様なものがあるのでしょうか? 現在予想されているものとしては、一般事務、銀行員、警備員、スーパー・コンビニ店員、タクシー運転手、ウェイトレスなどです。ぼちぼち自動レジも増えていますし、ロボットが料理を運ぶ店もできてきています。事務作業への導入も進んできていますし、ロボットが対応するホテルなんかも、すでにありますよね!

 となると、AIに出来ない仕事が残りやすいといいう事になります。AIは抽象的な思考はできませんし、共感したり、感情を持って接することも苦手です。文章や芸術など「人の感情を動かす」という人格や個性に関連する作業も、人で無ければ難しいでしょう。決められた手順から外れて思い付いたり、閃いたりすることも無いのです。

 オックスフォード大学の予測から、現在ある職業で、まだしばらく大丈夫そうなのは、医師・看護師などの医療関係。弁護士・裁判官などの法律関係。スポーツ選手・芸術家・ライター・研究者などのクリエイティブ関係。教師・保育士・コンサルディング業などの教育・相談関係の仕事です。人格や個性、感情、創造性などはこれからも人が担ってゆく職業なのです。

 しかし医療現場にいる蒼野としては、ヒューマンエラーとしての誤診はつきものなので、画像解析や検査解析、予後予測などに関しては、AIと共存すべき分野があると考えます。ただAI診断では責任の所在が無くなってしまうため、法整備が進まない限り、IQ4000を使うことが出来ないようです。先進国と歩調を合わせて、うまく導入する方向に進んで欲しいものです。

 これからAIがどんどん生活、社会に入ってくることはもう止められません。ある意味、今までの生活を根底から覆さないといけない時代が直ぐそこにあるのです。AIとうまく共存して生きてゆくことが必須です。うまく共存するには、人間が持つ脳の不思議な能力を引き出す訓練、生活が鍵になります!

 AIとの共存のモデルケースは、以前も書いたことのある藤井聡太棋聖です。日頃から人工知能を搭載した将棋ソフトで指し手の研究をしている藤井さんですが、彼の世代は人工知能のネイティブです。AIが導き出す将棋の定跡を学ぶのはもちろんですが、ゼロから考えて最善の手を導き出す鍛錬も徹底的に行なっているのです。

 AIは全体を統合する様な発想は苦手です。AIには人が持ち得ないほどのデータはあっても、意識が無いからなのです。将棋で言えば計算できる手はAIが得意です。しかし藤井さんが指す注目の差し手(棋聖戦第2局、後手3一銀)は最強将棋ソフトが4億手を読んでも出なかった差し手だそうです。

 AIが6億手に拡大して読んだ時に、やっと候補の1つとして出てくる差し手を、藤井さんは直感で指すことが出来、そして勝利しています。人の脳はIQ4000が出来ないことが出来るということの様です。全体の流れや、全面的、総合的な判断を、直感に変える能力があるのです。

 イスラエルの大学の研究によると人間の直観の的中率は90%だそうです。直観とは、脳が過去にインプットしてきた経験や学習のデータベースから、無意識に答えを引き出してくる超高速の脳の意思決定プロセスです。これはどんなに計算が早いAIにも負けない能力です。ただ過去のインプットが少なければ間違うことが多くなります。

 AIに負けない仕事をするためには、脳全体を鍛えるインプットを増やし、アウトプットすることで脳に定着させることが必要になります。今までの日本の教育は、「正しい答えをいかに早く導けるか」を重視してきましたが、これはAIの方が得意です。待ったなしの改革が必要となっているのです。脳科学を元に、脳の性質を利用して、脳全体の機能を高めて行きましょう!

 脳は新しいことが好きです。そして自分が興味があることに集中して取り組みます。ここで大事なのは「問いを作る能力」です。自分で興味がある、面白いと思ったことの中の疑問を、自分で調べてゆくと、脳細胞同士のシナプスが活性化し、次々に繋がって行きます。その過程でドーパミンが分泌されるため、集中力は増し、気分も良くなって、達成感と共に知識が定着します。

 親が熱心に教育しようとして、提案や指示を沢山与えられた子供は、自分で問いを立てて動くことがなくなってしまいます。見守りながら放置し、その子が興味があることに自主的に取り組み、自分で疑問を見つけ出し、自分で調べてゆくことが重要です。東大王の水上 颯さんや伊沢 拓司さんもこんな少年時代でしたよね!(過去ブログ参照)

 エジソンは、幼い頃から「なぜ、なぜ」と疑問を持つ好奇心旺盛な少年で、小学校でも先生を質問攻めにするため、授業を妨害したという理由で、わずか3ヵ月で退学させられたそうです。その後は元教師の母親が勉強を教えたそうですが、「なぜ?」をとても重要視し、一緒に調べたそうです。

 やがてエジソンは科学に興味を持つようになり、母親が教えられない化学や物理学の知識は、図書館に通って独学で学びました。こうしてエジソンは、疑問を持ったら、自分で調べ、学べる子どもへと変わっていったのです。その結果は皆様ご存知の通りですよね! エジソンはどんなAIも敵わない人間のお手本の1人だと思います。

 脳は何歳からでも発達するそうです。興味がある事に、疑問を見つけて調べてゆくことで、脳は全体的に発達して行きます。やらされているのではなく、やりたいからやるのがポイントです。ドーパミンサイクルが回り、楽しく幸せを感じながら続けてゆくことが出来るのですね!

 以前から健康についての興味はありましたが、ブログを書き始めてから、時々疑問が頭をよぎったり、ぼーっとしている時に、なるほどこういう意味だったんだと閃いたりすることを経験する様になった蒼野です。これからも健康以外の本も読み、色んな人に話を聞いたりして、脳全体を鍛え、閃きや直感力を上げたいなあ、と思っています!

参考書籍: 眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話        茂木 健一郎

      本当に頭のいい子を育てる 世界標準の勉強法     茂木 健一郎

過去ブログ: 

https://blue-zone-life.com/aiと医療/

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