前回、片頭痛持ちの人は、感じやすい繊細な脳の持ち主という話をしました。どんな場面で脳が刺激されて、頭痛が誘発されるのかを知るとこれからの頭痛への対処法が分かります。一言で言えば、片頭痛の人の脳はとても敏感で、色々な変化に反応してしまう脳なのです。
それではどのような刺激に誘発されるのか見てみましょう。
1、ストレスの増減
ストレスは強くなった時だけでなく、週末など急に気が緩んだ時などにも頭痛が起こりやすくなります。
2、ホルモンの増減
生理前後や排卵日、更年期などホルモンが上下すると頭痛につながります。ピルもホルモン値を変動させるため、片頭痛を起こしやすくなったりします。
3、睡眠
睡眠不足はもちろん、寝過ぎた時も片頭痛が起きやすくなります。特に夜ふかし、昼夜逆転は、子供さんの頭痛に多く、フクロウ頭痛と言って、自律神経の不調から学校に行けない頭痛になりやすいです。
4、天気
特に気圧の下がる雨の前、台風が近づいている時などに頭痛が起こります。片頭痛持ちの人の天気予報は正しいことが多いです。気圧が急に上昇する時にも誘発される人がいます。
5、首こり
パソコン、スマホ、ゲームなど、下を向いたまま長時間過ごすことで、必ず首は凝ります。猫背姿勢だと、頭痛がとても治りにくくなります。
6、血糖スパイク
血糖が急上昇するとインスリンが沢山分泌され、その後血糖が急降下します。その時に血管が拡張してしまうことで片頭痛が誘発されます。なるべく血糖が乱高下しない食べ方、食べ物をチョイスすることが重要です。
7、強い匂い
香水やタバコなどで頭痛が誘発される人も多いです。柔軟剤や芳香剤などにも注意しましょう
8、眩しさ
光が眩しいと頭痛が誘発されるので、頭痛持ちの人はサングラスが必携です。ブルーライトも頭痛を誘発するので、ブルーライトカットも重要です。
9、温度変化
季節の変わり目、急に寒くなったり、暑くなったりすると頭痛を誘発します。春先と秋口は要注意です
10、気圧変化
飛行機の離陸や着陸時には頭痛が起こりやすいです。うっかりマンションの高層階に住んだりすることも頭痛につながるので気をつけましょう。
11、頭頸部の牽引や圧迫
ポニーテールや三つ編み、マスクなどは頭頸部の三叉神経や後頭神経を刺激して頭痛を誘発します。
12、アルコール
特に赤ワインで誘発されるのが有名ですが、血管が拡張するのでアルコールは飲み過ぎ注意です。
13、運動
太陽の元、ボールを目で追う運動、テニスやゴルフなどをすると、終わった後、緊張が緩むと頭痛になりやすいです。
14、乗り物
車や新幹線など、昼間の明るい窓の外や、夜対向車のライトによる視覚刺激で頭痛が誘発されたり、揺れや、列車のトンネルに入る時の気圧変化などにも注意が必要です。
15、食べ物
チーズ、チョコレート、ココア、柑橘系に含まれるチラミンという物質は血管収縮作用があり、それがなくなると血管が拡張して片頭痛を誘発させると言われています。
以上沢山あげてしまいましたが、沢山の片頭痛患者様に問診していると、人によって反応するものは異なるんだなあというのが感想です。誘発する場面を避けてゆくというのが片頭痛コントロールの第一歩だと思います。後日それぞれの対処法をお話ししていきますね!