「水を飲んでも太るのよねー!」と感じておられる方は、結構居られるのではないでしょうか?そんなに食べていないはずなのに、お肉がついてしまう。ダイエットしているはずなのに、一向に痩せない。こういう状態は『モナリザ症候群』と呼ばれているのだそうです。今日はこの困った状態について書いてみたいと思います。
『モナリザ症候群』という言葉が生まれたのは、1990年の国際肥満学会です。米国ルイジアナ州立大学のジョージ・ブレイ医師が「肥満の人の7割がモナリザ症候群」という発表を行ったことからです。ちなみに絵画のモナリザとは全く関係は無く、「Most Obesity kNown Are Low In Sympathetic Activity=大部分の肥満は交感神経の活動低下による」という英文の頭文字をつないだ言葉からだそうです。
これはストレスを溜めやすい日本人の肥満には特に多いとされていて、海外のように暴飲暴食していないのに、太ってしまうメカニズムを示しています。一言で言えば、自律神経のバランスが崩れて、脂肪燃焼効率が悪化し、太りやすくなっている状態のことを『モナリザ症候群』と呼ぶのです。
『モナリザ症候群』の主な原因は二つあります。一つ目は生活リズムの乱れです。コロナ禍の、コロナ太りに関与しています。在宅ワークが続くと、夜更かしになりやすく、一日中身体を動かさない人も出てきます。メリハリが無い生活になると、自律神経の切り替えも上手くいかなくなります。
我々は、交感神経と副交感神経を上手く切り替えながら、毎日を元気に過ごしています。朝起きると交感神経が活発になって、活動的に動ける状態になります。仕事での緊張も良い刺激です。仕事が終わると、休息モードとなり、副交感神経が優位となり、リラックスすることで眠たくなり、熟睡するといったリズムです。
在宅ワークになると、朝寝坊したり、通勤もない為に、身体も動かさず、日中はずっと座って仕事をします。ダラダラスマホを眺める時間が増えたり、夜更かししたりもしやすくなります。朝切り替わるはずの、交感神経モードが、1日中低調となり、代謝が低下するため、消費カロリーが低下するのです。
二つ目の原因は、ストレスです。コロナでやりたいこともできず、外出も自粛、リクリエーションや旅行も自粛していると、ストレスも溜まりやすくなります。慣れない自宅仕事もストレスです。ヒトはストレスを感じると、抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンが分泌されます。
副腎皮質ホルモンは、人類の生命の危機を乗り越えるためのホルモンで、食欲増進、血糖値を上昇させ、できるだけエネルギーを蓄えるために、脂肪が分解しないように働き、脂肪を溜め込みます。つまり痩せにくく、太りやすい状態が続くということにつながるのです。
ストレス社会、コロナ禍の肥満問題は、ジョージ・ブレイ医師に言う通り、『モナリザ症候群』の要素が大きく関与しているようです。それでは具体的な症状をみてゆきましょう。『モナリザ症候群』のチェックリストは下記になります。5つ以上当てはまるようなら要注意です!
・食べすぎていないのに太る
・目覚めが悪い
・朝食は食べない
・運動はほとんどしない
・家でゴロゴロするのが好き
・日中は座りっぱなし
・お風呂はシャワーだけ
・ずっとスマホをいじっている(特に寝る前)
・睡眠時間が6時間以下
・深夜1時以降に寝ることが多い
その他にも、便秘気味、昼夜逆転、ファーストフード、コンビニご飯が多い、いつもエアコンを使う、冷え性、湯船に浸からない、肩凝り・頭痛・腰痛のどれかがある、水分摂取が少ない、などが特徴になります。
それでは『モナリザ症候群』から抜け出すための生活習慣を、お伝えします。一言で言えば、ストレスコントロールし、規則正しい生活リズムを守って、メリハリのある時間を過ごすということです。
まず午前中は交感神経のアクセルを踏みましょう! 起床後、冷たい水で顔を洗い、ストレッチをしたり、朝日を浴びて、気持ちよく散歩しましょう。帰ったらゆっくり咀嚼して朝ごはんを食べることで、交感神経のスイッチが入り、代謝が上がってきます。毎朝、1分間だけプランクをするようにしたら代謝が上がり、それ以外の食事や運動は一切変えていないのに、数週間で6kgもやせた、という例もあるようです。
杏林大学と森永乳業の共同研究によると、交感神経のスイッチを入れるのに、おすすめの朝食はなんと、バニラアイスクリームにコーヒーをかけた「アフォガート」だというのは、驚きです。朝食にアイスクリームを食べることで、脳が活性化して、イライラしにくくなり、カフェインの覚醒作用で交感神経が優位になる上、コーヒーの香りがストレスを落ち着かせてくれます。
日中は、可能なかぎり、運動ではない身体活動=NEAT運動で消費カロリーをアップしましょう。運動をするよりも家事や買い物や通勤でもカロリーを消費できるため、時間の無い人にもお勧めです。運動効率を考えると、身体の筋肉の約70%を占める下半身を動かす運動がおすすめです。
夜は交感神経から副交感神経に切り替え、心身をきちんとオフにすることが大切です。寝る2~3時間前にヨガ・ストレッチなどで軽く体を動かすと切り替えやすくなります。寝る前の筋トレは、交感神経が高ぶってしまうため避けましょう。
入浴はシャワーで済ませず、39~40℃のぬるめのお湯に15分ほどつかることで、副交感神経が優位になります。画面のブルーライトで、メラトニン分泌が止まり、脳が昼間と勘違いするため睡眠が悪くなります。少なくとも寝る1時間前からは、テレビ、スマホ、パソコンなどの光を見ないようにしましょう。
睡眠は始めの3時間が重要です。3時間続けて眠ることで、成長ホルモンがしっかり分泌されます。成長ホルモンが出ると一晩で300kcalも消費するため、肥満予防に効果的です。自然に触れるとリラックスしやすくなるため、スマホアプリで、海や川、雨の音、虫の鳴き声などを流しながら眠るのもお勧めです。蒼野も毎晩聞いています! 睡眠時間は7時間(6.5~7.4時間)が最も長生きであることがわかっています。メリハリをつけてしっかり良い睡眠をとりましょう。
『モナリザ症候群』が気になり、調べてみた蒼野でした。個人的には、アフォガートよりも、キンと冷えたアイスコーヒーの方がローカロリーではないか?と思ってしまいます。そのほかのアドバイスは、いつも書いている当たり前のことになってしまいました。「真実はいつもひとつ!!」なのだと思います。
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