正月明けには身体の大掃除を!

2022/12/29

 年の瀬も押し迫り、皆様いかがお過ごしでしょうか? 年末は大掃除ということで、今日は身体のお掃除、デトックスについて復習しておきたいと思います。健康に年を重ねるには、体内の毒物はなるべく溜めずに排出してゆくことが必要になります。いわゆる体内の大掃除です。

 体内で毒を処理して排出してくれる臓器が3つあります。肝臓と腎臓、それから腸です。我々の身体は、これらの臓器も健康であれば、毒は自然に排出されるように造られています。しかし加齢や生活習慣によって、これらが疲れ果ててしまうと、毒が溜まってゆき、様々な部位の細胞が傷害されることで、病気につながりやすくなるのです。

 デトックスのためにはこれらの臓器を、一生大切に守ってゆくことが重要です。まずは肝臓です。肝臓を疲れさせるものとしては、第一に過量な飲酒です。アルコールは肝臓で代謝され、まず毒物であるアセトアルデヒドに変化します。アセトアルデヒドは、我々を老化させ、睡眠を破壊し、肝臓を疲弊させます。アルコールを絶ち、休ませてあげることがとても重要です。

 また最近増えている肝障害として、糖質や脂質の摂取過多による非アルコール性脂肪性肝疾患があります。特に甘い飲み物に含まれる果糖が原因になりやすいため、ジュースやスポーツ飲料などは飲まないようにしましょう。脂肪肝の治療には、昨日書いた1975年の日本食(白米は少なめ)や地中海食が有効と言われています。

 肝臓を元気にするには、良質のタンパク質やビタミン、ミネラルが必要です。具体的には、枝豆や豆腐、納豆、もやしや胡麻、味噌、アサリ、しじみ、牡蠣、タコやえび、かぼちゃ、ニンニク、梅干し、キャベツなどを積極的に摂ると良いでしょう。薬やサプリメントの摂りすぎも要注意です。禁煙し、睡眠不足にならない規則正しい生活と、有酸素運動を心がけましょう。

 次は腎臓です。腎機能低下の主な原因も食生活と生活習慣です。加齢と共に機能が低下しやすい腎臓ですが、腎臓に大きな負担をかけるのが、糖質の摂りすぎです。透析が必要になる腎不全の約40%が、糖尿病によるものです。腎臓は人類の飢餓の歴史を耐え抜くための『貪欲な臓器』です。

 おしっこに糖が捨てられないように、出来るだけ再吸収しようとするため、血糖が高いと多大な負荷が掛かってしまいます。ミトコンドリアが疲弊し、活性酸素も発生するため、腎臓が疲れてしまいます。糖と一緒に塩分も再吸収するため、血圧も上昇し、さらに腎臓に負荷がかかります。この悪循環を繰り返してゆくと、腎臓は悪くなってゆくのです。

 加齢と共に必要な糖質、炭水化物量は減ってゆきます。若い頃と同じように食べずに、主食や甘い物は減らしてゆく必要があります。野菜の分量を多くすると、カリウムが、腎臓からの塩分排出を助けてくれるため、血圧が下がりやすくなります。脱水も腎臓を悪くするため、適度な水分摂取が重要です。平均的には1日1.5L程度は必要です。なるべく化学物質が入っていない、きれいな水を選びましょう。

 もちろん腎臓にとっても、運動や睡眠、規則正しい生活は重要です。腎臓は糸球体~尿細管という血管成分でできています。動脈硬化を起こしやすくする、メタボになるような生活が、腎臓を悪くし、老廃物や毒が排出できなくなります。腎臓でもアルコールは適量、禁煙も重要です。

 最後は腸です。腸はうんちとして老廃物を排出してくれるだけではなく、腸内細菌叢がデトックスとも密接に関係しています。腸内細菌叢自体も食べた物の中の毒を処理してくれます。腸粘膜細胞の結合が緩み、リーキーガットの状態になると、腸内の食べ物や病原菌の毒が体内に流入し、慢性炎症の原因となり、血流に乗って全身の細胞に溜まってゆきます。

 腸も人類が飢餓の歴史を耐え抜くための『貪欲な臓器』です。沢山食べたり、四六時中食べている状態だと、吸収するための負荷が大きくなり、加齢と共に疲労しやすくなります。時代と共に環境の汚染も進み、食べ物への毒の混入が増加しています。添加物などの化学物質の摂取量も、食品加工技術が進むのと同時に多くなっています。腸が悪くなると、毒を吸収してしまいやすくなり、デトックス機能が低下するのです。

 腸にも休む時間が必要です。1日のうち何も食べない時間を最低12時間は作るようにしましょう。お腹の調子が悪くなったときには、16時間以上のプチ断食が重要です。大事な腸を休み無しに酷使するのは、ブラック企業で働かせているのと似ています。腸が疲れてしまえば、デトックス機能も当然低下します。夜遅く食べるのは特にNGです。寝る前3時間は食べないことです。

 腸の状態には腸内細菌の役割が大きいです。善玉菌が作る短鎖脂肪酸は、腸粘膜細胞のエネルギーにもなって、リーキーガットをふせいてくれます。腸を疲れから回復させてくれます。また腸内細菌は小麦のグルテンや牛乳のカゼイン、農薬やホルモン撹乱物質であるビスフェノールAなどの、腸内の毒を排出するのをサポートしてくれる作用も持っています。

 水溶性食物繊維やフラクトオリゴ糖などのプレバイオティックスや、出来れば日本人に馴染みのある発酵食品を少しずつ摂取する生活習慣が大事になります。それぞれが持っている腸内細菌叢は簡単には変わらないので、一度に大量に食べたりせずに、毎食少しずつ取り入れてゆくことが大事です。お通じが良くなることで、デトックスは加速します。

 もちろん毒の少ない食べ物をチョイスすることも大事です。添加物が沢山入った超加工食品は避けて、素材から料理を自炊することが重要です。外食やお惣菜も、油が劣化して毒が増えていたり、添加物が入っていることが多いため、食べ続けないことが重要です。

 石油からできた化粧品や制汗剤や日焼け止めなども、皮膚から毒になる物質が吸収されてしまいます。レシートのインクにもビスフェノールAが含まれているので、あまり触らない方が良いのです。自然由来の良い製品を選ぶことが大切です。

 食べて欲しいのはデトックス効果のあるスパイスや野菜です。ニンニクが体内の鉛を排出することが分かってきました。コーヒーやリンゴの皮のペクチン、ウコンや生姜、葡萄の皮などにもデトックスに有用な成分が含まれています。

 体内に入ってしまっている毒をデトックスするには、血流やリンパの流れを良くする必要があります。血の巡りが悪い細胞からは、毒物はなかなか排出されません。リンパは筋肉の動きによって流されるため、運動が絶対に必要となるのです。少し脈が早くなるような運動は有効ですし、筋トレでリンパを押し流すことも必要です。運動で汗をかけば、少量ですが重金属や化学物質がデトックスができます。チリツモなので、汗が出るような運動も重ねてゆきましょう。

 脳の毒排出は特に重要です。身体に慢性炎症が起こった状態では、脳血液関門が緩んでしまい、認知症の原因となる毒が脳に入ってしまいます。これらを除去するのが、深睡眠状態で活性化するグリンパティックシステムです。睡眠時間が短いと、お掃除の時間が十分に取れなくなります。認知症やパーキンソン病などの神経変性疾患を遠ざけるためにも、毎日の十分な睡眠は絶対に必要なのです。

 蒼野も年末年始は里帰りして、いっぱい飲んで、いっぱい食べて、毒を溜めると思いますが、お正月過ぎには反省して、デトックス期間に入りたいと思っています。七草がゆは平安の昔からのデトックスのための知恵だったんだ!と気づかされた蒼野でした。

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