本日は、蒼野が健康長寿に必要だと思っている、進化医学の基本となる、原始人、狩猟採集生活についての話をもう一度書きたいと思います。
何度も繰り返しになりますが、農業開始以前の旧石器時代の食う、寝る、動くの生活習慣を取り戻せば、人間本来の遺伝子に適合した身体能力、体重、免疫力が取り戻せると言う考え方は、とても理に適っていると思います。
今回は食について書いてみたいと思います。人類が何を食べてきたかについては、いろいろな研究があるのですが、蒼野が可能性が高いと思っているのは、2本足で歩くことで、動物の骨や頭を拾って、手に持って帰り、石器で壊して中にある骨髄や脳を食べていたのではないかという説です。
旧石器時代、火はまだ扱えず、赤身肉は消化が難しいため、消化がしやすい生の骨髄、脳、臓器などを好んで食べていたと考えられています。他の動物が食べられない骨髄や脳は、毎回狩りで獲物を獲るよりも、手に入りやすかったのではないかと想像されます。もちろん植物も一緒に食べていて、雑食性の動物でした。
40年前に火をおこして使えるようになり、赤身肉も食べれるようになり、寒冷な気候の土地にも住めるようになりました。様々な物が食べれる人間は、どのような環境にも適応することが出来、環境に合わせて様々な物を食べてきたことで、生き残ってきました。
各地の人類の食の共通点としては、高品質のタンパク質と脂質が豊富な食べ物(いつも食べれた訳ではなく、獲物が取れた時だけ)、魚介類、旬の野菜、豆類、果物、ナッツなどでした。砂糖や乳製品はほとんど食べていませんでした。
一般的に原始人の食事(パレオダイエット)は肉ばかり食べていたようなイメージですが、基本的には飢餓の歴史であり、獲物が取れるまでは、空腹のまま(断食しながら)過ごしていたと考えられます。その点からすると、糖質制限して、肉ばかりお腹いっぱい食べるダイエットは、健康になるための、遺伝子にあった食べ方では無いのです。(パレオダイエットの落とし穴)
人類の遺伝子は、100万年で0.5%しか変異は起こらず、旧石器時代の終わりからは、ほとんど変化していません。化石の分析からは、旧石器時代の人類の祖先は背が高く、健康で、がん、心臓病、関節炎や虫歯などはほとんど見られませんでした。
しかし1万年前に農耕生活に入ってから、肉食の割合は大幅に減って、植物性の食べ物が食事の90%を占めるようになり、激変したのです。タンパク不足になることで、身長は15cmも低くなり、平均寿命も10年短くなりました。
食事内容の変化はここ100年で、さらに激変し、精製糖質、穀物飼料で育てられた家畜、食物繊維の除去、高加工食品、人工的な甘味料や添加物など、人類が口にしたことがない食べ物を、高頻度に沢山食べるようになり、人類の健康に深刻な影響を及ぼすようになっています。
その結果がメタボリックシンドロームを始めとする、文明病と呼ばれる、現代の慢性疾患です。蒼野は、現代の西洋医学で治癒の難しい慢性疾患も、人類の遺伝子に残る適切な食生活を取り戻すことで、改善、治癒も目指せるものであると考えています。
具体的な食生活に関しては、また書いてゆきたいと思います。
参考書籍: SWITCH ジェームス・W・クレメント
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