認知症を防ぐ食べ物ベスト10!

2023/10/26

 今日は脳に良い食べ物について、蒼野の私見を描かせていただきます。というのも先日の外来に、認知症の相談に来られた70代のご夫婦がおられ、改めて食事の大切さを感じたからです。74歳の奥様の物忘れが進んでいるので調べて欲しいとの事でした。

 ここ数年で物忘れが進んでいます。長谷川式簡易知能評価(HDS-R)の点数も、30点満点中、一昨年21点、去年16点、今回は8点と、ここ数年で物忘れがかなり進んでいます。。見当識や遅延再生(覚えて貰った単語を、いくつかの質問を挟んでもう一度思い出してもらう)は0点で、アルツハイマー型認知症の物忘れパターンを示しています。

 画像的にも、MRIにて海馬だけが高度に萎縮しており、アルツハイマーを強く疑わせます。全脳の萎縮はまだ始まっておらず、治療が間に合うかもしれないギリギリのタイミングのように思われました。慢性虚血性変化は若干ある程度でしたので、血管性認知症の要素は少なく、初期アルツハイマー型認知症と診断し、魚の油の薬と、認知症薬を処方しました。

 結構痩せておられて、旦那様に生活パターンをお伺いすると、料理も作らなくなり、食欲低下し、毎日アイスクリームを食べています。足が痛いと言ってほとんど外出はせず、一日中横になっているような生活との事でした。救いは、自分でもいろいろなことが思い出せないと言われるので、やはり初期段階であるようです。生活習慣に関して、できそうなこともアドバイスしました。

 認知症が進んでしまうと、忘れたことを忘れてしまうので、私は忘れることなどないと言い始める方がほとんどです。自覚がないため、生活を変えるモチベーションが生まれないため、家族が頑張っても、食事を変えたり、運動を始めたりは出来ない人が多いのです。しかしこの方は、診察室では、これからは夫と歩いたり、毎日のアイスは果物に変えてみると言って頂きました。

 長年、認知症を見てきて思うのは、認知症は老化の一つのパターンであるということです。その根拠は、85~89歳では約40%、90歳以上では約60%の方が認知症であるという事実です。人生100年時代と言いますが、100歳を超えた健康エリートの方々においても、認知症は60~70%にのぼるのです。

 ただ70代では早すぎますよね! 若くしてアルツハイマーが進んでゆく人の特徴を、蒼野は診てきています。毎日アイスを食べたり、お饅頭を食べたり、菓子パンを食べていたりする人が目立つのです。もちろん運動しないのは共通事項です。脳の老化の一つとして認知症が発症するのは仕方ないことかもしれませんが、認知症になるのを遅らせるためには、食事は大きな要素なのです。

 そこで今日は、認知症になりにくくなる食材、ベスト10を、蒼野の独断でお伝えしたいと思います。これは老化しにくくなる食材! とも言い換えることができます。中年期から意識して、これらの食材を中心に食事を組み立ててゆけば、認知症になる確率を遅くすることができると考えます。

 理論的には、老化を防ぐ食べ物が、認知症も防いでくれるのです。老化をおこす3大要因は、錆びる(酸化)、焦げる(糖化)、火事になる(慢性炎症)です。これらを防ぐ作用のある食べ物が、老化を進めず、認知症を予防する食べ物だと言えます。

1、青魚  サーモンやサバ、アジなどに含まれるEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸は、体内の炎症を抑え、脂肪が豊富な神経組織の良質な材料となります。血管の老化も防いでくれるため、年をとっても脳に新鮮な血液が届けられ続けることにも、寄与します。特にサーモンにはアスタキサンチンという強力な抗酸化物質も含まれているため、認知症予防の魚のキングです。手軽なものとしては、良質のオリーブオイル漬けになった魚の缶詰を取り入れましょう。

2、ナッツ類  アーモンドやクルミなどのナッツは脳に良いです。食物繊維も豊富で、良質な腸内フローラを育てることで、善玉菌が作る短鎖脂肪酸が、体内の炎症を抑えてくれます。抗酸化作用のあるビタミンEやポリフェノールも豊富に含んでいます。糖質は少なく糖化のリスクも低い食べ物です。1日に一握りのナッツを食べる習慣は、認知症を遠ざけてくれます。蒼野も30gずつ小分けになったクルミが職場の机に入っています。もちろんピスタチオやブラジルナッツ、マカダミアナッツなども素晴らしい選択肢です。

3、緑黄色野菜、葉物野菜  新鮮な野菜が老化を防ぐ食べ物であることは、皆様もよくご存知だと思います。食物繊維が豊富で、腸内細菌を整え、慢性炎症を防ぎます。食物繊維は血糖スパイクを防いでくれるので、ベジファーストで食べると、糖化も抑えやすくなります。抗酸化ビタミンやポリフェノールも豊富なため、酸化による障害も防御してくれます。葉酸やマグネシウムも豊富で、解毒反応や、さまざまな代謝を助けてくれます。

4、ブロッコリー  中でもアブラナ科の野菜の代表であるブロッコリーは優秀です。含まれるスルフォラファンが、脳や腸の炎症を抑え、強い抗酸化効果を持っています。特にブロッコリースプラウトには沢山のスルフォラファンが含まれています。蒼野はブロッコリースプラウトの種と栽培キットを夏前に買ったのですが、妻に腐るからやめてと言われてそのままになっています。そろそろ作りたいと思っています。

5、アボカド  脂肪を含む組織である脳を、アボカドは酸化から守ってくれます。抗酸化作用のあるビタミンEやカロテノイドを豊富に含み、カリウムも補充して高血圧も予防してくれます。食物繊維も豊富です。蒼野はエクストラバージンオリーブオイルに少量の岩塩やバルサミコ酢をかけて食べるのが好きです。

6、納豆  大豆製品は長寿食には欠かせない食材ですが、特に納豆はオートファジーを活性化するスペルミジンを豊富に含んでいます。脳細胞の掃除をしてくれるのです。また長寿遺伝子の活性化作用もあります。善玉菌である納豆菌と豊富な食物繊維は、腸内フローラを強くしてくれ、全身の慢性炎症を抑えます。納豆キナーゼが血をサラサラにしてくれるため、血流の点でも脳をサポートしてくれるのです。なるべく登場回数を多くしたい食材です。

7、緑茶 紅茶  緑茶のカテキンや紅茶ポリフェノールは強力な抗酸化物質です。体内炎症を抑え、細胞を活性酸素から守り、認知機能低下を防ぎます。蒼野は仕事の時には毎朝レモン緑茶を作って、朝食代わりにしています。水筒で持っていき、仕事中に飲んでいます。休みの日には香りの良いちょっと高級な紅茶を淹れます。定番ですが、マリアージュフレールのマルコポーロは大好きです。

8、エクストラバージンオリーブオイル  体内の炎症を強力に抑えてくれるオレオカンタールを豊富に含みます。アミロイドβを除去する作用もあるようです。オリーブオイル消費量が多い国では、統計的に認知症が少ないのです。酸化しにくい健康的なオイルですので、神経組織の良質な材料としても、摂取するべきものです。蒼野の家では、炒め物も揚げ物も、エクストラバージンオリーブオイルを使っています。偽物も多く出回っているので、コンテスト受賞オイルを選ぶと良いと思います。

9、クルクミンなどのスパイス  インド人のアルツハイマーの発症率は、欧米人よりも低いという報告が多いです。抗酸化作用、抗炎症作用を持つスパイスの常食がその一つの原因だろうと考えられています。特にウコンに含まれるクルクミンは、積極的に摂りたい食材の一つです。食べるとエンドルフィンが出て気持ちが良くなるため、蒼野もスパイス料理が大好きです。

10、ダークチョコレート  カカオ豆は奇跡の食材です。1887年までメキシコでは通貨として使われていたほどです。マグネシウムも豊富で、カカオポリフェノールの強力な作用もあり、インスリン抵抗性を改善し、糖化も酸化も防ぎます。週1回食べると認知機能や記憶力が高くなるというデータもあります。出来ればカカオが80%を超えるものを選びましょう。蒼野は甘いのが欲しい時には95%、コーヒーには100%のチョコを入れて毎日摂っています。

 他にも脳組織の材料となるコリンを含む卵や、グラスフェッドビーフ、ブルーベリーなどもお勧めの食材です。人生100年時代、脳機能をできるだけ保つことに投資すれば、2000万円貯めなくても、働いて人の役に立ちながら人生を送れるはずです。炭水化物やお菓子ばかり食べると、認知症が早く訪れる可能性が高くなります。

 食事は抗老化の基本です。健康的な食材が、手に入りやすい世の中になってほしいものです。食材にはなるべくお金を惜しまないようにしている、健康オタクの蒼野でした。

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