薬指が示すあなたの健康と才能!

2023/08/06

 今日は右手の薬指の長さの話を書きたいと思います。皆様はこの指の長さが、胎児の時の性ホルモンの暴露量と相関していることをご存知でしょうか? 蒼野は知りませんでした。人差し指と薬指の長さの比率は、2D:4D比率と呼ばれ、様々な性格や能力、病気のなりやすさなどにも影響しているようなのです。今日は2D:4D比率について深堀りしてみたいと思います。

 胎児は子宮内で、6~13週目に性の分化が始まります。この期間中に、テストステロン(男性ホルモン)の暴露が多いと、薬指が相対的に長く(つまり、2D:4D比率が低く)、テストステロンの暴露が少ないと人差し指が相対的に長く(つまり、2D:4D比率が高く)なるとされています。確かに蒼野の右手は薬指が人差し指より長いです。

 逆に女性の場合、この時期のエストラジオール(女性ホルモン、エストロゲンの一種)レベルが高いと、人差し指が薬指より長くなり、2D:4D比率が高くなるとされています。もちろん同じ性であっても、個体差は大きいのですが、性ホルモンの暴露は脳の発達にも影響します。男性脳になるのか、女性脳になるのかとの相関が見られるのです。

 これには面白い研究がいくつかあります。ロンドンの金融街シティで働く高頻度トレーディングの株トレーダーの年収と2D:4D比率の関係を調べたところ、2D:4D比率の低い(薬指の長い)群のトレーダー(平均0.93)は、2D:4D比率の高い(薬指の短い)トレーダー(平均0.99)に比べて、平均年収が7800万円も高かったそうです1)。

 またスポーツの世界でも、イングランドのアマチュアサッカー選手と、プロサッカー選手、イングランド代表選手の3群で、2D:4D比率を測定したところ、アマチュアよりもプロ、そして代表選手になるにつれて、薬指の長さが有意に長く、国際試合への出場回数も多かったのです2)。勝負の世界では、女性脳よりも男性脳が向いていることが多いようです。

 トレーダーのようにリスクを意識しながらも、一瞬の決定力を試されたり、強い闘争心が必要で攻撃性が要求されるプロスポーツの世界などでは、人差し指よりも、薬指の長い人が多いのです。意思決定や遂行力が求められる他の仕事(棋士や起業家、政治家やリーダーシップが求められる管理職など)も、2D:4D比率が低い人が向いています。世界で活躍する女性政治家も、概ね2D:4D比率が低い傾向にあることが知られています。

 しかし健康に関しては、2D:4D比率が高い人の方が、癌やメタボリックシンドロームのリスクが低いのです。ナイジェリアの健康な地域住民801人(18~44歳)の研究によると、男性は女性よりも有意に低い2D:4Dを示し、メタボリック・シンドロームのマーカーと2D:4Dに有意な正相関が認められました。特に男女共にウエスト/身長比との相関が強いという結果でした3)。

 こちらは男性に内臓脂肪が溜まりやすく、女性に皮下脂肪が溜まりやすいことを考えると納得がいきます。テストステロンレベルが高いと、内臓脂肪として蓄積されやすく、お腹がぽこんと出たリンゴ型の肥満になりやすいです。男性に薬指が長い人が多いのは、胎児の時にもテストステロンの影響を受けやすいからです。

 女性の場合、閉経まではエストロゲンの影響が大きいため、内臓脂肪よりも皮下脂肪が多く貯まる傾向にあり、いわゆる洋梨型の下半身肥満になりやすいです。しかし2D:4D比率が低い女性では、内臓脂肪も溜まりやすい可能性があるため、より生活習慣病へのケアが重要となります。閉経後は女性全員がテストステロンとエストロゲンの比率が高くなりやすいため、メタボリスクが高まります。

 基本的な皮下脂肪と内臓脂肪の違いを解説します。皮下脂肪は緊急時のエネルギー貯蔵庫であり、体温維持を助け、体の内部を保護するクッションの役割があります。ビタミンAやDを貯蔵しています。レプチン(満腹ホルモン)やアディポネクチンを分泌し、インスリン感受性を向上し、抗炎症に働きます。しかし過度に貯蔵されるとレプチン抵抗性が出て、過食が加速し、健康リスクに繋がります。

 一方内臓脂肪は、臓器の周囲や肝臓に蓄積されます。内臓脂肪が問題なのは、炎症性のホルモンやサイトカイン(アディポカイン)などを放出し、体内炎症を惹起するため、インスリン抵抗性が高まり、糖尿病へと移行しやすくなります。高血圧の合併や、高LDL血症、高中性脂肪血症に直結し、動脈硬化を進行させるため、心臓病や腎臓病、脳卒中などの全身の血管病リスク、癌のリスクを高めます。

 現代で問題になっている生活習慣病の源流には、この内臓脂肪の蓄積があるのです。そのリスクが右手の薬指の長さで推測できるというのは、とても面白いと思いました。男性ばかりではなく、閉経後は女性もテストステロンのバランスが高まるため、内臓脂肪が溜まりやすくなります。薬指が長い人は特に、内臓脂肪を溜めない生活習慣が重要になるのです。

 それでは内臓脂肪が溜まりやすい生活習慣についておさらいしておきます。

1、糖質過多の食事、加工食品のバランスが高い(添加物が多い)食事、飽和脂肪が多い食事は、内臓脂肪を増やします。特に男性の食べ過ぎは、内臓脂肪に直結します。夜遅く食べたり、ドカ食いしたりすると、同じ摂取カロリーであっても、増えやすくなります。

2、過度のアルコール摂取は、脂肪肝(内臓脂肪)の大きな原因です。肝臓で分解される際に内臓脂肪が増えやすいのです。

3、運動不足、有酸素運動で皮下脂肪は減りにくいですが、内臓脂肪は減りやすいのです。ストレスレベルも下がり、食欲が落ち着きます。しかし過度の運動では、エストロゲンレベルが下がり月経が狂い、逆に健康リスクは上昇します。

4、ストレスは体内炎症を増加させ、内臓脂肪を増やします。コルチゾールが食欲を増加させ脂肪を溜め込む働きが強まります。

5、睡眠不足は、レプチンを減らし、グレリンを増すため食事量が増え、内臓脂肪が溜まりやすくなります。634,511人のメタ解析の結果でも、睡眠時間が短くなるほど、大人も子供も肥満リスクが高まることが報告されています4)。

6、喫煙はエストロゲンレベルを低下させ、閉経を早めます。相対的にテストステロンレベルを上げやすく、内臓脂肪を増やしやすくなります。ニコチンはインスリン抵抗性を増加させ、細胞に取り込まれないエネルギーが脂肪に変わります。 

 短期で怒りっぽいけど、ワイルドで前向きで男っぽい人は、テストステロンレベルが高く、薬指が長い傾向にあります。リスクを恐れず、リーダーシップを取って、仕事の成功や、スポーツが出来るなど魅力がいっぱいですが、内臓脂肪型肥満を避ける必要があるという事です。

 女性でも薬指が長い人は、サバサバした男前の性格の人が多いのかもしれません(明らかな研究はありませんが、ウチの妻がそうです!)。こういう女性は、特に閉経後、不摂生で太らないように注意が必要ですね! 野菜中心の和食と、適度な運動、十分な睡眠を大事にしましょう。

 人差し指が長く、テストステロン/エストロゲン比率が低い人は、温和で優しい人が多く、接客業や医療、家庭を守る仕事に向いています。蒼野の経験でも、皮下脂肪でちょっとぽちゃっとした、可愛いおじいちゃんやおばあちゃんは長生きしている人が多い印象です。

 これから蒼野に会う人は、是非右手を見せてくださいね! メタボには十分気をつけて生活している、薬指の長い蒼野でした。

参考文献:
1)Second-to-fourth digit ratio predicts success among high-frequency financial traders. ; PNAS 2009 106 (2) 623-628

2)Second to fourth digit ratio and male ability in sport: implications for sexual selection in humans. ; Evolution and Human Behavior. 2001 22 (1) 61-89

3)Sexual dimorphism in ratio of second and fourth digits and its relationship with metabolic syndrome indices and cardiovascular risk factors. ; J Res Med Sci. 2014 ;19(3) :234-9.

4)Meta-Analysis of Short Sleep Duration and Obesity in Children and Adults. ; Sleep, 31, (5), 2008, 619–626

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