牛乳のリスクをご存知ですか?

2021/12/06

昨日の続きを書いていきたいと思います。

 牛乳は次の3つの点から、積極的に摂るべき食品ではない様です。
1、ホルモン依存性の癌を増やす可能性、
2、リーキーガットを起こし、アレルギー疾患を増やし、全身炎症の原因になる可能性、
3、骨粗鬆症を進行させる可能性です。

 日本人は、元々牛乳を飲む習慣はありませんでした。そのため牛乳の乳糖を分解する酵素を持たない人が多く、3人に2人は、乳糖不耐症です。そんな日本で、どうして牛乳が飲まれる様になったのでしょうか?

 昭和30年(1955年)に牛乳が給食で出る様になりました。偶然かもしれませんが、それまで日本にはほとんど見られ無かった、アトピー性皮膚炎やクローン病が見られる様になったのもその時期からです。

 これには、アメリカの脱脂粉乳を日本で消費する、という目的があった様です。蒼野は小学校5年生までは、脱脂粉乳を飲んでいた世代です。アルミのヤカンで注がれる、暖かいミルクの不味さはまだ覚えています。6年生の時に牛乳パックに変わったのは、ずいぶん嬉しかったです。

 1964年に『タンパク質が足らないよ~』というCMソングが流行り、『タンパク質をとりましょう運動』が起こりました。1965年にアメリカの著名な小児科医師、ベンジャミン・スポック博士の著書『スポック博士の育児書』が暮しの手帖という雑誌に連載され始めました。

 この本は世界的にベストセラーとなり、世界に牛乳ブームが起こりました。第7版まで出版されており『母乳よりも牛乳を摂るべき』との牛乳礼賛の立場が、主張されていました。乳脂製品業界の思惑もあり、これを信じた母親は断乳を早め、赤ちゃんに牛乳の粉ミルクを飲ませる様になりました。

 ところがスポック博士は、1998年、死ぬ間際の第8版では「今まで書いた内容は全て間違いだった、牛乳は摂るべきではない」と主張を翻し、かつ菜食主義を推奨する内容に変わったため、弟子たちは驚き、しばらくは出版されませんでした。最近になって出版されましたが、日本語訳にはなっていない様です。

1、まず癌を増やす可能性についてです。

 牛乳に含まれるα型カゼインというタンパク質は、牛乳タンパクの87%を占めています。人の母乳にはほとんど含まれていません。海外のネズミの実験で、カゼインタンパクを20%、植物性食品を80%混ぜた餌を与えて飼育したところ、全て肝臓がんで死亡した様です。5%混ぜた餌では、がんはできなかったそうです。

 カゼインを多量に摂取すると、人間の場合には、ホルモン依存性の癌が増える様です。2008年厚生労働省研究班の報告では、45~74歳の男性43000人を対象に、乳製品を1日330g摂取したグループと、1日12g以下のグループを比べると摂取の多いグループが約1.6倍前立腺がんが多かったとのことです。

 これは、オートファジーの点からも納得できます。牛乳を飲むとIGF-1(インスリン様成長因子)が、沢山産生されます。これは子牛が、断乳するまでの2ヶ月で40⇨60kgになるのを助けます。しかしIGF-1があると、オートファジーが働かなくなるため、DNAの損傷が処理されにくくなるため、癌が出来やすくなります。

 牛乳と癌の研究には、他の要素も沢山絡んでくるため、まだはっきりと証明された訳ではありません。現時点で、乳がん、肺腺がん、卵巣がん、子宮がん、大腸がん、精巣がん、甲状腺がん、前立腺がん、膀胱がんなどのリスクが疑われている様ですが、まだ今後の研究が必要です。

2、次にアレルギー疾患を増やす可能性です。

 カゼインは種類により、消化するための酵素が違います。牛乳に含まれるカゼインは、主にα型なのに対し、人が消化できるのはβ型です(母乳のカゼインは主にβ型)。生の牛乳ならα型を分解する酵素もいっしょにとれるので、問題はありませんが、現在の牛乳は殺菌のために、加熱してあり、酵素は壊れて働きません。今我々が飲んでいる牛乳は、搾りたてのものとは異なるものになっています。

 消化できないカゼインは、腸の中に未消化物なまま、くっつきやすく、腸内に炎症が起こりやすくなります。すると、小麦のところでも書いた、リーキーガットが起こるのです。便秘・下痢など、腸の症状も起こります。身体の炎症は、様々な慢性疾患や老化にも、影響が出るのです。

 人間が消化できないα型カゼインはアレルゲンとなりやすいため、遅延型アレルギーの原因にもなります。最近になって、アトピーや花粉症が、国民病と言われるまでに増え、蒼野の鼻水が乳製品と摂ると増える一因となっているのも納得できます。

3、最後は骨粗鬆症を進行させる可能性です。

 また、腸の中のカゼインの残留物である窒素残留物が、吸収されて血液中にふえると、血液が酸性に傾くため、元来の弱アルカリ性に戻す必要があります。体は血液中に必要なカルシウムを、骨から溶かし出して、増やさなくてはいけません。 

 ハーバード大学では、ナースヘルススタディーにおいて、7万8千人の女性を12年間調査し、骨折は乳製品を摂取するほど多く、大腿骨頸部骨折の増加リスクは乳製品摂取に関係していると結論づけました。

 また米国国立乳牛議会では、1日1杯の牛乳を2年間摂取した女性は、全く摂取しなかった女性に比べて、骨量が2倍の速さで減少し、牛乳によるタンパク質のとり過ぎが原因と結論づけたそうです。

 2000年になると、アメリカでは、マクガバンレポート(食事と慢性疾患の因果関係についての研究結果、1977年報告)やチャイナスタディで、ネズミが全滅した報告などが、周知されたこともあって、牛乳消費量は、2000年は1970年の70%まで減っています。

 イギリスではポールマッカートニーさんが中心になって、子供たちにミルクを飲ませない様にする運動を支援しています。アメリカだけでなく、カナダでも牛乳の消費が減り、ソイミルクやアーモンドミルク、ライスミルク、オーツミルクなどが、人気が出てきている様です。

 世界では『ノースモーキング運動』が根付き、次の『ノーミルク運動』が始まっている様ですね。牛乳関連企業の方、本当にごめんなさい! 医療費を上げないためにも、健康長寿を増やすためにも、酪農農家が、野菜農家に変わって行けるよう、支援してゆきたいものです。

 カゼインの含有量は、チーズではさらに高くなるため、チーズ好きの蒼野としては、とても残念です。チーズ、ヨーグルト、生クリームは、時々は食べても、大量には食べないように気を付けようと思います。バターはカゼイン含有は少ないですよ。できればグラスフェッドのものがお勧めです。またヤギのチーズなどは、α型カゼインが少ないため大丈夫ですよ。

 ちなみに蒼野は、頭痛がなかなか改善しない患者様には、『身体に炎症を起こす食べ物である、お砂糖と小麦と乳製品を減らしてね!』と、口を酸っぱくしてお話ししています。

参考書籍: 最高の食養生 『食』による病気治療と予防の効果     鶴見 隆史

世界の医師が注目する最高の食養生 「食」による病気治療と予防の効果
価格:1540円(税込、送料別) (2023/3/8時点)楽天で購入