明日から日本列島は最強寒波に襲われるとの予報ですね。今日は寒さと健康をテーマに、気をつけることをおさらいしておきたいと思います。対策がわかれば、いくら最強とはいえ、健康を守ることが出来ると思うからです。
先週末、蒼野は東京に出かけていました。スマホで気温をチェックし、寒くなりそうだったので、分厚い上着も用意して行ったのですが、東京は想像以上に暑かったです。地下鉄やJRも暑かったですし、地下街を歩くとヒートテックに汗をかくことで、さらに暑くなってしまいました。都会の暖房は想像以上でした。
ひとつ良かったのは、下着が綿でなかったことです。綿に汗をかくとあと寒くなってしまいます。雪山で遭難した時も、下着のチョイスが生きるか死ぬかに直結すると聞いたことがあります。吸汗速乾のインナーを選ぶのが、風邪を引きにくくするためにも重要な事だと改めて感じました。店や交通機関内の温度は自分では選べないので、吸湿性の良い、汗冷えしない素材をインナーにしておくと良いと思います。
確かにダウンは暖かいのですが、外出中に様々な温度の場所を移動する場合には、重ね着を基本とし、アウターを透湿性があって風を通さない物にしておくと、調節が効きやすく快適だと思いました。今回は失敗だったので、次から工夫してみます! 寒い時は首元や手先などを寒さから守ることが重要です。手袋やマフラーは必ずカバンに忍ばせておきましょう。
外が冷えると、寒暖差はとても大きくなります。身体はホメオスタシスを保つために様々な反応を起こす必要があります。これは肉体的にも精神的にもストレスになるため疲れてしまうことになります。これが寒暖差疲労です。
例えば頭痛やめまい、肩こりなどにつながります。いつも以上にエネルギーが使われるため、だるさや冷え性、食欲不振などに繋がるのです。自律神経の使い過ぎになるため、自律神経が乱れてしまうとイライラや不安、落ち込みなども出やすくなります。
寒暖差疲労に負けないためには、衣類の工夫の他には、身体を温めるタンパク質をしっかり摂り、体内の代謝を邪魔しないように、ビタミンBを筆頭に、様々な食材でビタミンミネラルを補給しましょう。野菜が沢山取れ、バランスが取りやすい鍋料理はやはり鉄板です。生姜やニンニク、七味などもうまく活用しましょう。
疲れた時はやはり睡眠です。入眠の90分前に、しっかり湯船で温まり脚に冷水をかけて上がりましょう。自律神経を整えるために、温冷浴はおすすめです。心臓に問題がなければ温まった後、全身に30秒ほど冷水シャワーを浴びましょう。蒼野も毎日やっていますが、頭がすっきりする感じがして、浴びた後身体が芯から温まる感じがします。冷水シャワーでオートファジーも活性化するので、若返りたい方は続けて下さい。
優先順位を上げて、眠る時間をしっかり確保しましょう。睡眠時間には個人差がありますが、最低でも6時間は必要な人が多いです。できれば7時間眠れるようにスケジュールを組みましょう。寒暖差疲労がひどくなりやすい人は、ベースの体力が低い人が多いです。隙間時間に踵上げや片足立ち、スクワットなどの運動をちょこちょこ入れて、鍛えてゆきましょう。
寒い日に特に注意しなければいけないのが、ヒートショックです。アメリカの研究でも極端に寒い日には、心疾患患者が突然死するリスクが高まることが判明しています。心疾患の患者の死亡リスクは、極端に暑い日は最適な気温の日と比べて12%上昇し、極端に寒い日では37%上昇していました。
蒼野が長年診てきた脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)も1年のうちで一番忙しいのが12月から2月にかけて、ちょうど今が最盛期とも言える時期です。急な寒さが血管を急に収縮させることで一気に血圧が上がることが引き金になるのです。基礎疾患がある人は極端な温度差が命取りになり得ます。
寒い時には外に出ずに、屋内で一定の温度の中で過ごすというのが、最強寒波に対抗する最強の方法かもしれません。ここで重要なのは自宅内の温度差です。最近ようやく住宅建築の断熱基準が見直されました。1999年に設けられた最高断熱基準は等級4まででしたが、2022年になって5~7の断熱等級が新しく設けられることになったのです。
断熱等級4と比べると、等級6では熱の漏れにくさは倍近くになりますが、世界的にみると等級6でやっと欧州各国の住宅基準と並ぶといわれています。しかし現在日本国内にある約5,000万戸の既存住宅では、その87%が新たに決まった省エネの断熱基準を満たしていません。明日からの寒波のために家を建てる訳にはいかないので、簡易な方法を紹介しておきますね!
家の中で最も熱が逃げる場所は窓です。まず窓の断熱を強化しましょう。1、窓のガラス面に断熱シートやフィルムを貼る。2、サッシの隙間に隙間テープを貼る。3、カーテンを、厚手で断熱効果の高い、窓をしっかり覆う充分な大きさのものに変える。の三つです。
寒い地域の住宅はもう既に対策されていることが多いため、暖かい地域の古い家で、窓から隙間風を感じているような場合には、是非対策してみて下さい。断熱によって健康だけでなく、省エネや節電にもつながりますし、結露も出にくくなるためカビやダニ対策にもなるはずです。
あとはトイレ、脱衣所、浴室の温度を18℃以上に保つよう、小さなパネルヒーターなどを使ったり、風呂の蓋を開けておいて、蒸気で温めたりして下さい。室温が10℃低いと血圧は平均で7.3mmHg高くなり、動脈硬化の強い人や高齢者になるともっと上昇します。寒さで命を落とさないように、対策を立てましょう。
家が暖かいと、人は活動的になります。断熱改修をする前と後では、居住者の身体的な活動時間が1日に平均で22~34分増えています。身体を動かすことが認知症予防にもなりますし、以前も書きましたが、室温が1℃高くなると、脳MRIの所見が2歳若がえるという報告もあります。
特に寒波が強い時期には、布団やこたつだけで暖かくするのでは、家の中の温度差によって、健康リスクが高まるということを知っておいてほしいと思います。イギリス保健省の勧告によれば、人が健康でいられる温度は21℃前後です。湿度は40~60%を目指してほしいと思います。16℃以下になると健康リスクが高まりますので、自宅に一つは温度湿度計を置いて意識して欲しいです。
明日の最低気温は、福岡なのに-4℃。雪になるのかなあ? ケチらずにエアコンは付けておこうと思っている蒼野でした。
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