糖質依存症という現代病!

2022/04/22

 今日は糖質依存症の問題について書きたいと思います。同じ依存症でも、煙草はヒトが生きていくのに必須の物ではありませんが、糖質、炭水化物については必要な物であり、誰もが食べる物という大きな違いがあります。ある程度は身体に必要な物ゆえに、その強い依存性が、我々の健康長寿に大きな影を落としかねないのです。

 『依存症とはやめたくてもやめられない状態に陥ること』です。『糖質がやめられないことによって、本人の健康が脅かされている』のであれば、治療の必要があります。甘いものや、ご飯やパン、麺が全部嫌いというヒトには、蒼野は会った事がありません。

 糖質、炭水化物は、誰もが日々の食事で食べているものでもあり、全てやめる必要は無いものです。しかし食べ過ぎる事で、肥満が起こり、糖化、酸化が進むため、病的老化に繋がり、なりたくないメタボリックシンドロームを発症します。そして高血圧、糖尿病、高脂血症をはじめとする、様々な病気を抱えて生きてゆかねばならない人が多いのです。

 やめられずに食べ続けてしまう、その依存のメカニズムは、ニコチンやアルコール、怖い話ですが、ヘロインや覚醒剤と何も変わりません。糖質や小麦のグルテンなどには強い依存性があり、食べると脳内でドパミンを始めとする幸せホルモンが、それこそドパっと分泌され、我々は気持ちよく、幸せな気分になります。皆様も経験がありますよね!

 幸せな気分になるスイーツや、美味しい主食は、少量なら大丈夫ですが、毎日沢山食べていると、ドパミン感受性が低下し、もっと食べたくなるようにできています。また糖質でインスリンが分泌されると、血糖スパイクが生じて、食後に低血糖状態が訪れます。低血糖になると、脳が糖質を摂るように命令するため、お腹が空いてまた食べることになります。

 我々を太らせているのは、インスリンの分泌過剰です。インスリンは肥満ホルモンとも呼ばれ、糖質に最も反応します。糖質はエネルギーに変わる大事な栄養素ですが、沢山摂取すると、肝臓と筋肉に貯蔵できる量は決まっているため、余った分が、中性脂肪となって脂肪細胞まで運ばれ、インスリンの働きで、皮下脂肪や内臓脂肪に変わってしまうのです。

 人類は農耕生活に入るまでは、滅多に糖質や炭水化物を口にすることはありませんでした。飢餓の歴史を乗り切るために、貴重な栄養分である糖質は、人類が好んで食べるように、食べると幸せホルモンが分泌されます。もし果物の樹などに巡り合えた時には、できるだけ沢山食べるように、遺伝子がチューニングされているのです。

 糖質が滅多に摂取できなかった、狩猟採集時代には、肥満や、メタボリックシンドロームは皆無でした。400万年前からの人類史のうちで、農耕生活に入ったのが1万年前。誰もがふんだんに、精製した穀物や糖質が摂れるようになったのは、ここ百年のことです。人類の遺伝子は、まだ糖質過多の生活には対応出来ていません。

 現代では、ご飯もパンも麺も、そして砂糖も、とてもリーゾナブルで、毎日、どこでも手に入ります。幸せになる食べ物が食べ放題なのです。しかもストレス社会。疲れたり、イライラしたりすると思わず食べたくなるのが糖質です。食べるとドーパミンが出て、少しの間、元気に、幸せになれるからです。

 WHOが提唱している、1日の砂糖摂取の上限はたった20gです。砂糖の量の目安としては、コーラ500mlで約56.5g、スポーツドリンク 約24g、アイスクリーム一個 約32g ショートケーキ1つ 約30g、チョコレート1枚 約22gです。毎日過剰摂取していると、身体が壊れてゆきます。

 ご飯やパンや麺は炭水化物ですが、消化されると糖質に変化します。ご飯茶碗軽く1杯で 55g、食パン6枚切り 1枚で30g、麺1玉 64gとたっぷり糖質が入っており、若い頃と同じように食べている人では、1日の平均糖質摂取量は300gを超えています。中高年になって、代謝が落ち、運動不足になると、太る人が多いのは当たり前ですよね!

 糖質の代謝で使われるビタミンB1は、不足気味の人が多いです。また1食で糖質を40g以上摂ると、血糖スパイクによる低血糖状態となります。自覚的に、疲れやすく、めまいや頭痛、集中できない、気分が落ち込む、怒りっぽくなる、手足が冷える、朝起きれない、などの原因のわからない症状が出やすくなります。

 周囲を見渡すと、糖質依存症は、現代において、最も多くの人が落ち入っている病態では無いかと思います。かつての蒼野もそうでした。糖質依存は、ほかの依存症よりも、長い時間をかけて脳に刷り込まれることと、全部断つことが不可能であることなどから、治すのがとても難しい依存症になっています。

 「糖質制限すれば良いんでしょ」と考える人は多いかも知れません。確かにその通りなのですが、夏に向けて、モチベーションが続く間は続けられても、ずっと続けられる人はほんの一握りです。カロリー制限で代謝まで落とす人も多く、元の食事に戻すと、必ず元の体重以上にリバウンドします。

 蒼野がお勧めする糖質依存の治療法は、他の依存への転換です。幸い脂肪や、カカオ、カプサイシンなどの辛いスパイスは、摂取すると、脳内のエンドルフィンなどの幸せホルモンの分泌を促します。美味しくて、身体に良い脂肪依存で脳を満足させれば、血糖スパイクも起こらず、低血糖による空腹にもなりません。糖化も酸化も防げて、病的老化も予防してくれるのです。

 脂肪によって満腹ホルモンであるレプチンの分泌も起こることから、空腹を感じにくくなります。空腹を感じなければ、朝食でバターコーヒーとか、ボーンブロススープなどを1杯飲むだけで、楽に16時間ファスティングに移行する事ができます。蒼野は慣れたためか、ガッツリ3食食べると胃がもたれます。

 16時間ファスティングを行うと、インスリン抵抗性などの、糖質依存症で併発していたホルモン異常が改善してきます。昼と夜の食事は、ベジファースト、カーボラストの食事の順番を守って食べてください。脳の集中力を保つためにも、糖質は40g以下とし、最後に食べて満足しましょう。

 糖質依存の脳を、少量の甘いものを最後に食べて騙しましょう。チョコレートや、高脂肪のアイスクリームを少量食べても大丈夫です。蒼野はバターに粒あんを乗せて食べたりもしています。もちろん、最後に適量の主食を食べるのも大丈夫です。

 「思いっきり、カレーライスやカツ丼が食べたいんだよ!」と言う気持ちは、蒼野も痛い程、よくわかります。週1回、1食だけチートデイとして、好きなものを食べても大丈夫です! 健康を守る食事は、とにかく無理せずに、満足しながら一生続けてゆく事が大事なのです。

 チートって言う言葉も騙すと言う意味です。飽食の現代に生まれた我々としては、本能に逆らわずに、糖質依存を脂肪依存に置き換えることで、適正体重を維持し、健康長寿に繋げていきましょう。蒼野はこの方法で、大学生の時の体重に、35年ぶりに戻り、現在半年以上、我慢する事もリバウンドもなく過ごせています。

 これから、夏までに絞ろうと思っている方や生活習慣病が心配な方は、是非自分の脳を騙して、ずっと続けられるダイエットを習慣にしてくださいね!

もし記事が良かったよ!と思われた方は蒼野健造公式ラインのボタンをポチッと押して、ご登録くださいね。ライン登録された方で希望される方は、オンライン面談での相談に乗りたいと思っております。