夏の蚊との付き合い方!

2023/07/29

 汗をかく季節になりましたね。蒼野の通勤は、必ず徒歩です。夕方汗だくで帰ってから、愛犬の散歩に出かけるのですが、虫除けをスプレーして、キンチョウのカトリスを身に付けていても、公園で蚊に刺されまくります。何とかしたいので、今日は蚊に関して調べてみることにしました。

 まず知っておきたいのは蚊の習性です。蚊は高温多湿が大好きです。日本の夏とは相性バッチリです。少しの水があれば、そこに卵を産んで増殖できます。卵は乾燥に強く、池や下水溝、浄化槽、水田のみならず、古タイヤ、墓地の花立、空き缶であっても、雨で少し水が溜まれば、卵から羽化し、ボウフラとして成長できるのです。

 気温が高ければ、10~15日程度で成虫になり、成虫のメスは20~40日、個体によってはそれ以上生きています。蚊の食べ物は糖分で、通常花の蜜を吸って生きています。しかしメスは100個から200個も産卵するため、動物の血を吸って、エネルギーを蓄える必要があります。ですから血を吸う迷惑な蚊はメスだけなのです。気温が25~30度になると活発に吸血します。

 ジェラシックパークで蚊が吸った恐竜の血から、DNAを取り出して恐竜を再生したという表現がありましたが、蚊が地球上に出現したのは、中世代から新生代にかけての、1億4000万年前くらいだそうです。人間と比べると大先輩ですね。確かに恐竜とも、時期が被っています。しかし実際の吸血の対象は、恐竜では無く、哺乳類や鳥類だったようです。

 現在世界に3500種、日本では112種類の蚊が生息しています。人を吸血する蚊は、現在の日本では約10種類くらいで、決して多くはありません。人が出す炭酸ガスや汗や皮膚のニオイ・温度を感知して吸血源を同定しています。汗臭いまま散歩に行ってはいけなかったようです。

 蚊の腸内にある、吸った血液型を調べるとO型、B型、AB型、A型の順に多かったそうです。蚊に刺される頻度の研究では、O型で83.3%、A型で46.5%でした。O型の方はお気の毒です。どうしてA型の蒼野はこんなに刺されるのでしょう?? 汗かきだからかもしれません。

 子供は体温が高く、動き回って汗もかきやすいため、刺されやすいです。大人でも運動後や、飲酒後で体温が上がっていると刺されやすくなります。太っていると汗が出やすく刺されやすいです。妊婦さんもお腹の圧迫で呼吸数が多くなり、二酸化炭素を検知されて刺されます。汗はこまめに拭き取りましょう。

 日本で多く生息する吸血する蚊は、ヒトスジシマカ(通称ヤブ蚊)とアカイエカです。ヤブ蚊は4月下旬くらいから10月くらい、アカイエカは越冬し、春になって気温が上がってくると活動し始め、11月くらいまで、吸血を繰り返します。気温が25~30度になると活発に吸血するのです。

 蚊で一番問題なのは、媒介される感染症がある事です。1960年代までの日本では、日本脳炎(コガタアカイエカ)が、多く見られました。毎年2000人くらいが発症し、死亡率は20~40%程度と、とても恐ろしい病気です。生き残った人の45-70%に脳の障害が見られます。

 日本ではワクチン接種が進み、毎年5人程度の発症となっています。ワクチンはとても有効で日本脳炎のリスクを75~95%減らすことができます。古いワクチンで重篤な副作用が報告され、2005年から2009年までは、積極的な接種は見合わせれていましたが、新しい安全なワクチンが出てきて、さらに安全になっているようです。

 現在でも豚が日本脳炎ウイルスを持っているため、蚊に刺されるとウイルスが体内に入る可能性が残っています。ウイルス感染した人の1000人に一人が日本脳炎を発症するとされています。確かに低い確率ではありますが、一旦発症すると、その時点ですでに脳細胞の障害は進んでいるため、発症しやすい子供やお年寄りは、ワクチン接種を考えて良いと思います。

 日本脳炎の蚊は、夜間吸血するので、日本農園が流行っていた昭和の時代には、夜は蚊取り線香を焚いて、蚊帳の寝ていました。蒼野も小さい頃、夏休みになると、ばあちゃんの家で、窓を開け放って、蚊帳の中で寝た記憶があります。秘密基地みたいで嬉しかったのですが、蚊だけでなく、あまり風も通さなかったので、かなり暑かった記憶があります。

 そして2014年には、代々木公園で蚊に刺された人が、デング熱(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)に感染し、問題になりました。デング熱の蚊は昼吸血するので、昼に刺されないように気をつける必要があります。日本では治まりましたが、東南アジアや中南米では、流行っているので旅行の際の対策は必要です。

 その他にも、世界三大感染症であるマラリアをはじめ、ジカ熱、黄熱病、フィラリア、アメリカで流行しているウエストナイル熱などが、蚊に刺されて感染する恐ろしい感染症です。蚊は人について飛行機で長距離を移動しますし、輸入したタイヤについていた卵が雨で孵化したりすることもあるそうです。

 昨今の地球温暖化によって、日本の気候が熱帯に近くなってゆくと、マラリアを媒介するハマダラカや、デング熱やジカ熱のネッタイシマカが、繁殖しやすくなると言われています。実際に生息地域の北上が観察されており、気候変動によって、ネッタイシマカが北上して、ヨーロッパ全土やロシアの半分でも、蚊によるウイルス感染症が、流行することを予想する論文も出ています1)。

 それでは蚊に刺されない対策を書いてみます。

1、肌を出さない(長袖、長ズボン)。 これは物理的にとても有効ですが暑いです。でも蒼野は半パンで酷い目にあってからは必ず長ズボンで散歩に行くようにしています。

2、汗を一旦拭き取る。 ウェットタオルで拭くのも良いですが、水シャワーを浴びてから散歩するようになって、少し刺されなくなりました。制汗スプレーも一つの方法です。

3、足をアルコール消毒して出かける。 足についている皮膚の常在菌の匂いも蚊を惹きつけるため、足をアルコールで消毒すると除菌されて、数時間ですが、刺されにくくなります。

4、蚊の嫌いなオイルを露出部分にムラなく塗り込むようにすると、刺されにくいです。ペパーミントオイルはすーっとするので気に入っています。蚊が嫌うオイルは色々あり、シトロネラオイルやレモングラスオイル、ユーカリやラベンダー、ティートリーなども効果があるそうです。

5、虫除けスプレーは、ムラができないようにしないと刺されます。虫除けによく使われる成分は、DEET(ジエチルトルアミド)やピカリジンが有名です。大人には安全とのことですが、吸い込むと蒼野は気持ちが悪いので、最近はもっぱらハーブオイルがお気に入りです。

6、蚊は天敵から身を守るために黒っぽい色に寄っていく傾向があるので、白っぽい色の服を着ることも効果的です。寄ってきた時も見えやすいので潰しやすいですよ。ボーダーの服だと、明るい色と暗い色の対比を感知して、縞の黒い部分に集まりやすいのでNGです。屋外に出る時は白っぽい服で身を包みましょう。

 変なウイルスに感染しないためにも、夏の蚊の対策、皆様も頑張って下さいね! ユニクロの白い麻の長袖シャツを、散歩のユニフォームに採用してみようと思いついた蒼野でした。

参考文献:
1)Global expansion and redistribution of Aedes-borne virus transmission risk with climate change. ; PLOS 2019 https://doi.org/10.1371/journal.pntd.0007213

NOW Foods, エッセンシャルオイルズ, ペパーミント
https://jp.iherb.com/pr/now-foods-essential-oils-peppermint-2-fl-oz-59-ml/21127

NOW Foods, オーガニックエッセンシャルオイル, ティーツリー
https://iherb.co/D78xhhDs

NOW Foods, エッセンシャルオイル、ラベンダー
https://jp.iherb.com/pr/now-foods-essential-oils-lavender-1-fl-oz-30-ml/37823

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