すごい雨が降っています。蒼野が住む福岡に、台風14号が刻々近づいて来ている様です。台風で調子が悪くなる人は、雨で悪くなる人以上に多い様ですね! 蒼野は気象病の気は無いのでわからないのですが、台風の時だけ頭が痛くなる台風頭痛の人もいる様です。
雨の前に調子が悪い原因について、気圧の変化が挙げられています。人間も内耳の奥に、気圧を感じる圧受容器があって、これが過敏に反応する体質の人が、自律神経の調子を崩して、気象病になると言われています。それでは普通の雨と台風の違いはなんでしょうか?
一つは気圧の下がり方がひどいということなのかと想像します。台風14号は現在930hPa(ヘクトパスカル)と、かなり低いです。日本の周辺の平均気圧は1013hPaです。普通の低気圧が何hPaかと言うと、基準は無いそうです。周囲よりも低い所を低気圧と呼んでいて、1000hPa以上の低気圧もあるし、1000hPa以下の高気圧もあるとのことです。
気圧の影響はバカに出来ず、1hPa低くなると海面は1cmも上昇するそうです。ヒトの身体は60%が水分で出来ているため、気圧の変化は身体に影響すると考える方が自然です。台風が近づき大きく気圧が下がると、気圧センサーがそれほど過敏では無い人でも、その変化が交感神経を興奮させ、痛みに対して敏感になってもおかしくありませんね!
台風のニュースは不安も煽ります。災害のニュースなどは、台風が過ぎ去るまで何度も目にする機会がありますし、被害が甚大であれば、脳のミラーニューロンは、共感して自分自身にもダメージを与えます。心がざわつくことで、やはり交感神経は興奮し、心の安らぎが失われるのです。
交感神経が優位になると、末梢の血管は収縮し、血の巡りが悪くなります。血管が細くなった分、血液中の水分は皮膚や皮下組織に入ってゆきやすくなります。リンパ液の流れも悪くなるため、むくみが出やすくなります。
交感神経が興奮している時には、ストレスホルモンであるコルチゾールも高まっています。コルチゾールは、血管とリンパ管の間の水分(間質液)の出し入れの働きを低下させるため、むくみがひどくなることになります。血流が悪くなり、リンパの回りも悪くなると、老廃物の排出が滞るため、痛みや怠さの原因になります。
交感神経の興奮が続くと、消化管の動きもおかしくなります。脳幹部の嘔吐中枢が刺激されたり、胃酸分泌が多くなったりするので、胃もたれや胃痛、胸焼けなどにつながることもあります。便秘や下痢につながってしまうこともあります。もちろんストレスはメンタルにも大きく影響するので、メンタルが不調になる一つの誘因にもなり得ます。
天気が悪くなるだけで、様々な体調が悪くなってしまう人がいると言うことですね! 台風は嫌ですねえ。対策として出来ることを提案します。一つは運動、もう一つは入浴です。台風なので外には出れませんし、頭が痛い時には運動よりも入浴の方が良さそうですね。
台風には限りませんが、手足がむくみ、気持ちがざわざわして、お腹の調子も今ひとつ、あちこちが少し痛いなどの時には、ぜひアロマバスを試してみてください。良い匂いでリラックスでき、肌が整い、血流、リンパの流れが改善しやすくなります。
37~39度くらいの少しぬるめの湯船に、アロマオイルを垂らして半身浴するだけです。血流改善を強化したければバスソルトも加えて下さい。台風頭痛の人におすすめのオイルは、レモングラスやラベンダーです。筋肉をほぐす作用や気持ちの安定、ストレス軽減に効果があります。
ぬるめのお湯が、疲労回復には向いており、時間は20分くらいがおすすめです。身体の深部を温めるには、ゆっくり時間をかけることが重要なのです。42度以上のお湯だと長時間は入れない上、一時的に交感神経が優位になりやすいので、熱いシャワーは朝目覚めるのに使うのが良い様です。
湯船の水圧でむくみが取れやすくなり、末梢血管も開くため、局所の老廃物の排出も進みます。筋肉は浮力もあって負担が減り、ほぐれやすくなります。半身浴が良いのは、肩まで入ると合計で500kgもの圧力がかかっていることになるからだそうです。特に心不全などがベースにあると、末梢の血液が一気に心臓に戻ってくるため、過度の負担がかかる可能性があるからです。
逆に水泳選手は、長時間水圧の中で鍛錬しているため、心肺機能が発達しやすいと言えます。高齢になって心臓や肺が弱い方は、半身浴が安全です。冬はタオルを肩にかけて、かけ湯しながら20分程度入浴しましょう。コロナ後遺症で怠さが取れない時にも、肩まで浸かるとキツくなるのでお勧めします。
無理はせず、額が少し汗ばんで、ドキドキする感じになったら上がりましょう。水分補給は欠かさずに! せっかくなので入浴前後のアルコールは控える方が良いです。のぼせやすいというかたは、先に髪を濡らしてから入りましょう。気化熱で、のぼせや立ちくらみが少なくなります。温まってから洗髪すると、頭皮の汚れも落ちやすくなります。
出る前には、上がり水といって膝から下にやや冷たいお湯や水をかけておくと、湯冷めもしにくく、自律神経のバランスが取りやすくなります。若くて身体が強い方は、全身に水を浴びるのも、自律神経訓練になるのでお勧めです。
42度以上のお湯に浸かると、血圧や脈が急上昇しやすく、酸化ストレスが増加することが報告されています。生活習慣病を指摘されている方は、40度以下の入浴を心がけましょう。糖尿病患者を4週間39~40度の温泉療法を行った実験では、空腹時血糖が低下し、HbA1cや酸化ストレスの値も下がったと言う研究があります1)。
昨日勉強のために上京して、帰りの飛行機が飛ばなかった蒼野です。今日帰らないと、台風が過ぎさるまで帰れなくなるため、今朝は4時起きで新幹線に乗りました。無事帰ってきたのですが、疲れと台風?で少し頭が痛くなりました。でも39度のお風呂に昼からゆっくり入り、昼寝までしたのですっかり元気になりました。
思わぬ出費は痛かったけど、こうやって今日のブログも書けて、日常を取り戻した蒼野でした。あとは台風が無事通り過ぎるのを願うだけです。皆様も十分お気をつけ下さい!
参考ページ: 疲労回復に導く入浴の効果 https://takedakenko.jp/yakuhou/backnumber/pdf/vol469_01.pdf
参考文献:1) 温泉の活用 ー温泉療法から健康づくりまでー 温泉科学 60:238-242、2010
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