超加工食品と肥満の関係!

2021/12/22

 ダイエットに関しては、避けなければ、痩せ得ることが難しい食品というものがあります。今日は体重のセットポイントを、大きく変えてしまう危険な食べ物について、書いてゆきたいと思います。

 食事の中で、超加工食品と呼ばれるカテゴリーに、含まれる食べ物の割合が増えるほど、肥満は加速してゆきます。肥満が増えるほど、メタボリックドミノで糖尿病や心疾患、脳血管疾患や、がんが増え、寝たきり、早死ににつながることは皆様もご存じのことと思います。

 さて、超加工食品とはどの様なものなのでしょうか。超加工食品が人類の歴史に登場したのは、ごく最近の事で、産業革命が起こり、工業化の波が押し寄せてきた時代です。1864年に世界初のダイエット本が出版されベストセラーになっています。

 この食品の原材料は、高収量作物(とうもろこし、大豆、小麦、さとうきびやテンサイなど)や畜肉の挽肉やすり身などです。これらをデンプン、脂肪、脂、タンパク質、食物繊維などの成分に分解し、化学的に組み合わせてから、成形し、風味や食感、匂いや外観を変えるべく、化学的な添加物を加えて作られます。この添加物は食べ物からではなく、石油などから作られた化学物質なのです。

 生クリームと砂糖とバニラビーンズで、アイスクリームは家庭で作ることができますが、大量生産のアイスクリームの原材料は、全く異なります。石鹸や樹脂、洗剤などに使われる『酢酸ベンジル』やプラスティックやゴムに使われる『C-17アルデヒド』、衣料品や殺虫剤に使われる『ブチルアルデヒド』やシラミ駆除に使われる『ピペロナール』、糊やマニキュアリムーバーに使われる『酢酸エチル』などなど、まさに工業製品と言えるものから作られているのです。

 こうした手法で作られる製品は、人類の食事を良くするために作られるものではなく、効率的に作ることができて、より安く、消費者の欲求を満たし、美味しく感じるように、作られているのです。キャンディやチョコレート、ケーキ、パン、ピザ、ポテトチップス、シリアル、カップ麺、ドレッシング、マヨネーズやケチャップなど、あげればキリがありません。

 2018年にオーストラリアで発売されている加工食品のうち、61%がこのような、超加工食品でした。色々なものを食べれば、食べるほど、身体の中に化学物質が入ってくるのです。これらの化学物質は単独での、身体への影響のデータはあっても、カクテルのように組み合わさった場合の、危険性についてのデータはありません。また表示義務も詳しい表示ではなく、『合成香料』などの表示だけで販売可能です。

 先日のブログで書いた様に、化学的に作られたトランス脂肪酸は、現在あるすべての脂肪の中で最も危険であると認識されており、WHOでもその危険性が指摘されていますが、我が国では表示義務さえ、まだありません。安くて、パリパリ、サクサクとした食感が良く、品質保持期限を延ばすことができるトランス脂肪酸は、超加工食品の中での使用は、定番となっています。

 添加化学物質のリスクだけでなく、超加工食品には、意図的に作られた、もう一つの恐ろしい面があります。食品メーカーは、添加物を巧みに使うことで、その食品を私たちに大量に食べさせることを意図して作っていることです。

 以前の食欲についてのブログに、あらゆる生物は、タンパク質欲を満たすことを、最優先にして食べているというお話を書きました。また、食物繊維が多い食べ物は、たくさんは食べられないため、食欲のブレーキになります。りんご四個はなかなか食べれませんが、りんごから繊維を取り除いた4個分のリンゴジュースは、誰でも簡単に飲むことができるのです。

 食品の値段は、タンパク質が多いほど原価がかかり、炭水化物が多いほど製造原価が抑えられます。つまり、消費者が求めている、安くて美味しい食品は、タンパク質の含有比率が低く、飢餓の歴史を生き抜いた人類が求める、脂肪と糖が豊富な食べ物で、食物繊維を取り除くことによって、たくさん食べることができるもの、となっていることが多いのです。

 言い換えると、繊維が少なく、脂肪と糖がいっぱいの食品は、美味しいので選ばれます。タンパク質の比率が低いので、価格が下がります。低タンパク質の食品は、我々がタンパク質欲を満たすべく食べるため、摂取量が多くなり、食品メーカーの意図通りに、食べるのを『やめられない、止まらない』製品になっているのです。

 人類の歴史の中で、タンパク質は、甘いものではなく、塩辛いものに含まれていることが刷り込まれているため、我々はお腹が空くと、タンパク質を摂りたくて、カップラーメンや、ポテトチップスを食べたりします。しかし必要なタンパク質量が得られないために、お代わりして、たくさん食べてしまうことになるのです。

 これが、超加工食品が、食欲のセットポイントを、押し上げてしまう理由です。

 食事の加工食品の割合(外食やコンビニご飯)によって、食欲のセットポイントが変わるため、体型や体脂肪率が決まってくることがわかっています。

ほとんどの食事が、外食か超加工食品の場合  体脂肪率 男性35%、女性40%

食事の7割が、外食か超加工食品の場合    体脂肪率 男性25%、女性35%

食事の5割が、外食か超加工食品の場合    体脂肪率 男性20%、女性30%

食事の3割が、外食か超加工食品の場合    体脂肪率 男性15%、女性25%

食事の1割以下が、外食か超加工食品の場合  体脂肪率 男性12%、女性20%

 皆様はどのあたりの体脂肪率が理想でしょうか? 加工食品を減らしてゆけば、自然にセットポイントが下がり、体脂肪率を低下させることができるのです。メタボで病気のデパートになって、沢山の医療費を払うことになる前に、今の食費に投資してゆきましょう。超加工食品ではなく、美味しくて、栄養があり、身体に炎症を起こさない食べ物を、選んでゆきましょうね!

 ということで、蒼野のお勧めするダイエットは、超加工食品抜きの16時間ファスティングということになります。自分でも実践してみて、最強と考えていますので、やってみたい方は、公式ラインでご相談してみて下さいね!

参考書籍: 科学者たちが語る食欲  食べ過ぎてしまう人類に贈る食事の話  

              デイビッド・ローベンハイマー  スティーブ・J・シンプソン