今日は巡り巡ってまたアルコールの話です。人間は自分のやっている事には肯定的になるため、毎日飲んでいた頃には、思いもしなかった事に、最近色々と気づいたりしています。もちろんお酒が人生の楽しみとと言う方も多いと思いますので、一つの意見として捉えて頂ければ幸いです。
蒼野は先週末、久しぶりに飲み過ぎてしまいました。暑いので赤ワインを炭酸割りにして飲んだのですが、お休み前でもあり、いつもは飲まない娘も一緒に飲んでいたので、300mlくらい飲んだのです。毎日飲んでいた頃は、ボトル1本750ml位飲むこともあったので、ちょっとだるくなって、横になりたくなる程度の量です。
すると夜中に目が覚めました。23時に寝て、いつもは4時くらいにトイレに行くのですが、目が覚めたら2時でした。そして5時にも目が覚め、結局7時まで寝てしまいました。起きてからいつもの様に散歩に行きましたが身体がだるい! 疲れが取れていない事に気がつきました。
最近ほとんど飲まずに過ごしていたため、違いがはっきりと分かるのです。朝になったら疲れが取れていて、今日も頑張ろうと思えていたのに、この日はダメでした。能率も上がらず結構ダラダラブログを書いてしまいました。改めてこんなに違うんだー!と実感した次第です。
そして今日ネットニュースを見ていて、気になる記事を見つけました。国税庁が最近消費が減っている若者に向けて、日本産酒類の需要喚起に向けた提案を募るコンテスト「サケビバ!」を開催すると言う記事です。家飲みや、メタバースなどを活用した新しい販売方法の提案を期待していて、最優秀の物を事業化するそうです1)。
国税庁によると、成人1人当たり酒類消費数量は1995年度に100リットルでしたが、2020年度は75リットルまで減少したそうです。コロナ禍で飲酒機会が減っていることもあるのでしょうが、健康にとっては喜ばしい事だと思います。特に若者の半数程度は日常的な飲酒習慣がないとのことです。
蒼野は大学生の時は、体育会系のサッカー部に所属していたため、飲むのが当たり前で、飲みながら強くなれと教えられ、夏の合宿も毎晩ヘロヘロになりながら飲んで、昼は目一杯走っていたのです。1杯目のビールが美味かったのは今でも忘れられません。疑う事なく、お酒は素晴らしいと信じてきたのです!
20歳過ぎたら飲むのが当たり前だと刷り込まれてきていたので、自分の娘が成人したのに飲まないのを見て、毎晩、一緒に飲もうよ!と晩酌を勧めていた時期さえありました。国税庁の方々も同じ感覚なのかもしれませんね! でも自分が飲まなくなった今は全く意見が変わってしまいました。
昭和の考え方では、「とりあえず飲もう」から始まるのかもしれません。ストレスが多く、半分アルコール依存になっている霞ヶ関のお役人様が、わざわざ今飲んでいない、将来ある若者のアルコール離れを食い止め、「もっと酒を飲め」と言うのは、昔の自分を考えると、感覚としては分かりますが、おかしな話です。
以前のブログに書きましたが、アルコールは合法のドラッグで、健康のためには一滴も飲まない方が良い物です。飲んでいる内に、何十年もかけて依存になりやすい物質なのです。日本でもアルコールによって、コロナ以上に人が死んでいます。
毎年5~6000人のアルコール依存患者が自ら命を断っています。自殺者の15-56%がアルコール依存症だったという調査報告もあります。また依存でなくとも、自殺者の32.8%から高濃度のアルコールが検出されます。自殺未遂の40%の人からもアルコールが検出されるのです2)。
もちろんアルコールの全身への影響、事故につながる可能性なども甚大です。肝障害、膵炎や糖尿病、心疾患、高血圧、胃腸障害、がんなどの身体への影響だけでなく、睡眠障害やうつ病などにも大きく関わっています。うつ病は断酒しなければ治らない病気です。
日本では飲み過ぎによる病気やけがの治療に年間1兆101億円を要すると推計されています(2011年厚生労働省調査班)。肝臓障害そのほかの自殺を含むアルコール関連死は、年間5万人に及ぶと考えられています。
2013年の日本の飲酒人口は、男性の82.4%、女性の60.1%で、合わせて8428万人でした。このうち飲み過ぎ(純アルコールで1日平均男性40g以上、女性20g以上)の人の割合は、男性の14.4%、女性の5.7%で合わせて1039万人です。この人々が酒税を毎日国に納めていると言う事になります3)。
一方飲みすぎによる様々な病気や事故、それに伴う職場での休業や生産性低下などの労働損失を、2011年に研究班が試算したところ、社会的損失は年間4兆1483億円という結果でした。酒税の3倍以上という数字になっているのです。そういう意味では、アルコール摂取は、個人の健康問題だけでなく、社会全体の問題でもあるのです。
しかしこれらの事が声を大にして語られることは少ない現実があります。マスメディアの最大スポンサーの業種の一つが、アルコール飲料の会社だからです。年間5万人も殺している物質の真実を忖度して多くは報じないというのは、ある意味騙されている様に思うのは、蒼野だけでしょうか?
お酒は、紀元前8000~4000年頃に、ビールやワインといったアルコールを飲むようになったという、アルコールの長い歴史もあり、ヒトの感情に寄り添い、幸せを感じさせ、人間関係を円滑にしてきたという大きなメリットがあるからこそ、合法になったドラッグです。また依存症になる人多いからこそ、ずっと続いてゆくのでしょうね。
古代中国において支配者が、民衆から酒税を取るために、「酒は百薬の長」と言い伝えるようになり、未だにそう信じられているというのも、アルコールの害を知ってしまうと不思議な感じがします。そういう蒼野も時々少量を楽しみたいという気持ちは、未だに持っていたりします。一度味を覚えてしまったお酒は怖いです。
しかし国民の命を、これからを担う若者の健康を、真っ先に考えるべき国が、アルコール摂取を勧めるというのは違うと思います。逆に飲むと危ないキャンペーンをやって欲しいです。依存になってしまうと、本当に抜けるのは大変です。日常的に飲む習慣は付けないことが重要です。
蒼野も、もし事故に遭って、アルコールを辞める決心をしていなければ、今も依存症のレベルで毎日飲んでいた事でしょう。考え方によっては、それも良い人生なのかもしれませんが、飲まない時の体調の良さを実感してしまった今は、決して沢山は飲みたくないし、元には戻れない感じです。
若い頃からの環境や習慣は恐ろしいと、つくづく感じる蒼野です。今飲む習慣のない人は、そのまま行きましょう。若い頃から飲む習慣がある人は、飲まなかった翌日の体調をよく味わって欲しいなあと思っています。
1)需要喚起へ若者のアイデアを 酒類消費減少で―国税庁 https://www.jiji.com/jc/article?k=2022081300326&g=soc
2)e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-006.html
3)アルコール依存症治療ナビ http://alcoholic-navi.jp/understand/problem/social_loss/
過去ブログ:
https://blue-zone-life.com/飲酒量はゼロがいい??/
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